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『正しくする』から『正しく考える』へ ~食品安全の未来?~

こんにちは! あたたけ です。

今回からしばらく?は『安全マネジメント』と
それに関連しての『教育』の話です(予定)。

私の専門分野?が『食品安全』なのですが、数年?十数年?くらい前から
『食品安全マネジメントシステムシステム(FSMS)』というものが
考え方のスタンダードになっています。
(FSSC22000とかJFS規格とかですね)

さて、もう4~5年前になるのですが、ボーっとテレビを眺めていた時、
『今までの安全マネジメントは問題ない状態を維持する、、、、、』
『マニュアルが膨大になり、実現が困難に、、、、、』
というような話があり、食品安全マネジメントに関わる身として、
非常に興味を引かれました。
こういうのを『運命』というのか、とか思ってみたり。

で、この番組のテーマ『レジリエンスエンジニアリング』というものを
食品安全の世界でも取り入れていきたいと考えるようになったわけです。

ということで、テーマ初回は概要などなどの紹介です。
※こちらの書籍を参考にしていますが、
 私の理解不足&間違った解釈は否めません。
 本の内容と全然違う!という可能性がありますので、
 興味を持たれた方は、ぜひご自分でお読みいただき、
 意見交換などさせていただければありがたいです。

『Safety-Ⅰ&Safety-Ⅱ 安全マネジメントの過去と未来』(海文堂出版)
エリック・ホルナゲル 著 / 北村正晴、小松原明哲 監訳

※7/20追記 参考資料が抜けておりました。申し訳ありません。
 下記資料も参考にしております。

レジリエンスエンジニアリングが目指す安全
Safety-Ⅱとその実現法
北村正晴 著



【前提】
・現代社会は多様な社会技術システムで成り立っている。
・社会技術システムは利益や効率が追及されるため、
 安全が削られることが多い(危険へのドリフト)。
・技術(機械的)システムだけでなく、
 それを運用する社会(人や組織)システムも大切。
・ただし、技術の発展(成熟)に伴い、事故の発生率は激減している。

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【今までの『安全』とその問題点(Safety-Ⅰ)】
・いままでの『安全』とは、
 『ダメなことが起こっていないこと』
 『決めたことをきちんと出来ていること』
 ⇒Safety-Ⅰと定義
・これだと想定外の変化やトラブル(≒決めていないこと)に
 対応出来ない。
 ⇒世の中が複雑になっているので、想定外が起こりやすくなっている。

【今後、目指すべき『安全』(Safety-Ⅱ)】
・安全を維持するためには、臨機応変に対応できるよう、
 柔軟性・復元力(レジリエンス)を持つ
ことが大切
・『安全』とは未然防止に加え、危険な状態からの回復、
 損傷を受けた機能の復旧までを、状況に応じて対応できること
 ⇒Safety-Ⅱと定義
・ただし、事前の準備をした理想的な解決は不可能なこともある
 最低限のレベル、もしくは犠牲を伴う解決になることもある。

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【Safety-Ⅱに必要な能力】
・Safety-Ⅱには、4つの能力が求められる。

①対処できる
 ⇒異常に対し、今、何をすべきか知っている・判断できる
②監視できる
 ⇒異常を把握するには、何に注意を払うか(どこに注視するか)
  知っている
③予見する
 ⇒今起こっていること、今までの経験、その他もろもろのことから
  この先、何が起こるか推測できる
④学習する
 ⇒現状に満足すると危険へのドリフトが起こるため、
  成功や失敗事例を基に、常に向上することができる

・この能力は、個人で全ては厳しいから、組織全体で有することが望ましい


こんな感じでしょうか。
で、個人的に大切だと感じるのが
『能力をつけるための教育』と『リスクの共有』の2点です。
次回以降、この辺りの考えをまとめていこうと思います。

それでは、今回はこの辺りで!

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