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HACCPを上手く使うために⑪ ~手順3 意図する用途 使う人に何を伝える?~

こんにちは! あたたけ です。

引き続きHACCPの話です。
今回は『手順3 意図する用途』についてです。
以前の記事でも書きましたが、『手順2 製品の記述』とあわせ
製品仕様書としてまとめられることが多いです。

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①喫食等の方法

あたたけのように、『惣菜(のようにそのまま食べる食品)』が
考え方のベースにある場合にはそこまで深く考えないのですが、
食品によっては、実はとても重要な項目です。

どんな食品に重要かと言いますと、
食べる人がハザードを除去する食品』、端的に言えば
『食べる時に加熱調理が必要な食品』です。

さて、2016年に『冷凍メンチカツで食中毒』が発生しました。
事件当時は、
『製造メーカーの衛生状態にだいぶ問題がある、メーカーが悪い』
というような雰囲気になった気がします。

が、衛生状態が悪いだけでここまでの事故が起こるのか?
衛生状態を良くするだけで、同じような事故の再発を防げるのか?

という疑問を感じ、あたたけなりに考え、
『そもそも、この調理方法はどうなの?』と考えたものです。

スライド2

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で、この事件に関し、先日、WEBニッポン消費者新聞様から
次の記事が出ました。

予想通りと言ってはなんですが、
記載された調理方法自体がダメ(他の商品でも疑わしいのもある?)
◆今回の調査では、記載された調理方法ではなく、
 自分の感覚で調理している人が多い
という結果になっています。
うーん、過去の事件が教訓になっていない。。。。。

いずれCCPの話の際にも出てきますが、
『(CCPとなる)加熱工程に関わる条件をキチンと決める』ということは、
ハザードを除去する上で非常に重要なことです。

であれば、
使う人(買う人)がハザードを除去する(=調理する)』場合、
調理方法(=手順3 喫食等の方法)は
 出来る限り詳細に、かつ、わかりやすいように書く

使いやすさ重視で簡単な調理方法にするなら、
 調理しないで食べて大丈夫なくらいの製品規格にする

とかをキチンと考えないとダメなんじゃないのかなと思います。

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②対象者

まぁ、そのままですね。
教科書的には『どのような人向けの食品か』、
例えば、一般の人向け、乳幼児向け、特定の病気の方向け、などですね。

ただし、『誰向けなのか(誰が食べて良いのか)』だけでなく、
食品事故防止には、『誰が食べてはダメなのか』も示すことが大切です。
こんにゃくゼリーの警告表示がわかりやすい事例でしょうか。

もう少しツッコんで考えると、
『誰向けなのか』というのは、実はお客さまには関係なく、
自分たちが作りたい製品を考える(設計する)中で、
製品の規格(≒製品のゴール)を決める際に必要な情報です。

一方、『誰が食べてはダメなのか』というのは、
規格通りの製品(正常な製品)を作った上で、
その規格で起こりうる事故を防ぐための注意喚起の情報になります。
『食べる時の注意喚起』ですので、
先述の『①喫食等の方法』の内容にも関係する可能性がありますね。

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ということで、数回にわたり『製品仕様書』を念頭におき
手順2 製品の記述、手順3 意図する用途を見てきました。

例示した製品仕様書の項目ですがだいぶ絞ってあります。
たぶん、実際に仕事で使っているのはもっと色々な項目が入っています。
(フローダイアグラムとか、CCPの管理基準とか、、、、、)

製品仕様書の項目に、正解というのはありません。
今、仕事で使っている製品仕様書について
各項目の(HACCPにおける)意味を考え、
記載内容や項目自体の見直し
に繋げていただければと思います。

ということで、今日の一言です。
どんなものでも、使い方を間違うと事故になる。
 正しい使い方が、正しく伝わるようにすることも、作る側の責任。

次回は『手順4 フローダイアグラム』です。

それでは、今回はこの辺りで!

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