見出し画像

HACCPを上手く使うために㉓ ~CCPの管理を考える前に HACCPプランって何?~

こんにちは! あたたけ です。

前回まででハザード分析(およびCCPの決定)をまとめました。
ここから先の手順(8~10)は『CCPをいかに管理するか』を考えます。

全体の流れを改めて振り返りますと、以下のようになります。

①HACCPを考える組織の中心メンバーを決める(手順1)
②組織がどんな製品を作るのか明確にする(手順2、3)
③製品をどのように作るのか(製造工程)を明確にする(手順4、5)
④工程でどんなハザードがあるのか、どこが重要か考える(手順6、7)
⑤重要な工程の管理手段を明確にする(手順8~10)
⑥全体を振り返り見直す、そのための記録方法を決める(手順11、12)

最初と最後で組織としての取り組み方(①と⑥)を決め、
実際の食品の取り扱いに関しては、
②製品→③④製造工程全体→⑤重要工程 と絞り込んでいく感じです。

スライド1

スライド2

で、研修などでは、それぞれの段階で『文書』が作られます。

スライド3


※『HACCPチームメンバー表』は特に触れませんでしたが、
 『製品仕様書』『フローダイアグラム』『ハザード分析ワークシート』は
 過去の記事でまとめています。

https://note.com/atatake/m/mf804e502e761


ということで、ここからは『CCP整理表』というものに基づき
『原則3(手順8)CLの決定』から順に進めるのですが、
その前に、CCP整理表についてあたたけが想うことをまとめてみます。

1.検証&記録はCCPだけを考えてはダメ!

研修や教科書などで見かける『CCP整理表』のフォーマットには
『検証(手順11)』『記録(手順12)』も入っていることが多いです。
なので、検証や記録を『CCP工程のみ』で考えていることがあります。

研修ではハザード分析に力を入れる(≒時間がかかる)ため、
この辺りはまとめてしまうのも仕方ない気もしますが、
研修で学んだことをそのまま自社で使ってしまい、
検証や記録をCCP工程のみしか考えていないことが。。。。。。
(で、フローダイアグラムやハザード分析ワークシートが
 古いままになっていて、取引先監査などで
 こんなHACCP意味なくないですか?とツッコまれるわけですね)

と考えていくと、少しメンドーではありますが、
例えば、『検証』は検証計画や監査計画、『記録』は文書管理規程など、
会社全体の仕組みの中に、
HACCPに関する内容を組み込んでいく
のが良いと思います。

CCPの管理(&説明)をしやすくするため、
CCP整理表で関連する検証、記録を明確に示すことは良いですが、
『全体の検証、記録の一部と』いうことを忘れないようにしましょう。
既に仕組みがあるのであれば、そこにHACCPも付け加えていく、
まだ仕組みがないのであれば、会社全体の仕組みをまずは考える、
みたいな感じですね。

※内部監査(による継続的改善)や、文書管理(による証明、検証)は
 HACCPに関係なく、組織として大切なことだとあたたけは思います。
 会社全体の仕組みがないなら、HACCPをきっかけに作るのが良いです!

スライド4

スライド5


2.CCP整理表はHACCPプランではない!

あたたけは『CCP整理表』と呼んでいますが、
同じような内容の文書が『HACCPプラン』と呼ばれていることがあります。
このことも、先ほどと同じ『HACCPはCCPの管理が最重要』という
非常に大きな勘違いに繋がりかねないなぁと感じています。

CCPの管理が大切ではないとは言いませんが、
あたたけはHACCPでも最も大切なことは
『何が、どういう状況が食品事故・トラブルに繋がるのか』を考えるこ
と、
つまり、ハザード分析をしっかりと行うことだと考えています。

で、CCP整理表のことを『HACCPプラン』と書いてしまうと、
『CCPを管理することがHACCP』と誤解してしまうような。。。。。

HACCPプランというのは、『HACCP全体の計画』と捉えるべきですので、
文書で言えば、ハザード分析ワークシートやフローダイアグラムなども
含まれないとおかしいんですよね。

スライド6

スライド7

もっと言えば、CCP(≒管理手段)だけを重視している(ように見える)
現状の文書名のつけ方が、
『各ハザードのリスクを評価し、評価に基づき、適切な管理方法を考える』
というHACCPの本質、
『自分たちで考える』ということの軽視に繋がっている気もします。

スライド8


それでは、今回はこの辺りで!
次回は『CCP整理表』の『原則3(手順8)CLの決定』です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?