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HACCPを上手く使うために⑥ ~続々・7原則12手順を眺める

こんにちは! あたたけ です。

引き続きHACCPの話です。
前々回は『HACCPはPDCAサイクル』ということを
前回は『PDCAサイクルを速く回す』ということを考えました。
今回はPDCAサイクルを『確実に』回すということを考えましょう。

『HACCPの7原則には、
 D(目的達成のために実際に行うこと)だけでなく、
 C・Aまでが計画(P)の対象に入っている』
と書きました。

本来、計画を立てたことは実施するのが当然なのですが、
なかなか、そんなにうまくいきません。

一つの理由としては、
プランを立てるのが大変なので、立てた時点で満足してしまう
ということが考えられます。
まぁ、担当者の気持ちとしてはわからなくないですけどね。

問題は
担当者が手を止めると止まってしまう仕組みは適切なのか?
ということです。
『HACCPは会社全体で進めるもの』なのですが、
実際のところは一部の担当者だけが行っていることが多いです。

なぜそうなるのか?

単純な話で、『利益に繋がる活動ではない』と考えているからです。
実際にはHACCPを通して管理手法の見直しをすることで
作業効率向上に繋げることもできるんですけどね。
効率が良い手順の方が、作業精度も上がりやすいですし。
でも、このことが中々受け入れられない。
だから、関心が低くなり、品質管理等の一部門での対応になるわけです。

その理由を考えると、抽象的な表現ですが
安全と利益のバランス感覚が足りない』というのが
あたたけ的に一番しっくりきます。

さて、いわゆる品質管理部門の立場であれば
『生産部門や経営層に安全面の理解を深めて欲しい』と言いたくなります。
が、逆の立場から見ると、品質管理部門側が利益、というより
資源(ヒト・モノ・カネ)の投入量を考えているのか、
安全性確保の取り組みの費用対効果を考えているのか、

というのが、実は大きな問題だとあたたけは感じることがあります。

『業』という字は、『なりわい、生計を立てるための仕事』です。
ですので、企業には社会貢献なんかも求められていますが、
その大前提は『適正な利益』です。

なので、利益や費用を考えない人の話は聞き入れられないんですよね。
で、結局、品管部門が単独でHACCPに取り組むという悪循環になる。

品管担当者がこの問題を解決するには、
キチンと費用対効果を考えた安全性確保の取り組みを行うこと』が
やっぱり一番の近道じゃないかなと思います。

『周りが話を聞いてくれない』と不満を持つのではなく
周りが一目おくようになる、周りに話を聞いてもらえる人・部門になる
人から何かをもらうためには、まず、自分が何かを与える・役に立つ
という考えを、謙虚な姿勢で持たないと
周りの信頼を得ることはできませんよね。
話を聞いてくれないのは信頼されていないからなんですよ。

スライド1

スライド2

さてさて、だいぶHACCPから逸れた話になってしまいましたが、
HACCPを『確実に』回すためには、
結局は、関連する全部門や経営層を巻き込むことが必要です。
※『速さ』だけなら、1人で全部するのが一番ですが、、、、
 この辺りは役割分担(案を出す人、決断する人)で解決できます。

これは単なる理想論ではなく、品管担当者やHACCPチームが
サボって手を止めることの抑止力』として、とても重要なことです。
さらに、『見張られているとサボれない』という後ろ向きな理由に加え、
役割分担をすることで、自分の責任を自覚できる』という
前向きな理由もあることを忘れないで欲しいものです。

スライド3

ということで、今日の一言です。
HACCPは全員参加、全員での役割分担が基本。
 これは理想論ではなく、PDCAを止めないために必須なこと。
 そのためには、中心部門の信頼がカギになる。

それでは、今回はこの辺りで!

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