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熱海の崖に家を建てる ケーススタディハウス

熱海の崖に家を建てようと思います。
名付けて、熱海Case Study House
自腹でケーススタディしながら、
今そこにある技術・アイデアを実装した
現代のCase Study Houseを目指します。

熱海通い、始まる

50歳を間近に控えた数年前のこと。

私は迷いまくる日々を過ごしていました。

まあまあ仕事は面白いのです。
でも、信頼する仲間たちは
次々と新しいチャレンジに挑戦していきます。
移れるだけの実績をあげられて
良かったといえばそうなのですが
一緒に仕事をしてきた身としては
なんだか置いてけぼりを食らった気分。

人生100年時代
50歳は折り返し点か
新しいチャレンジの始まりか。
私、どうしたい?

そんなある日のこと。

うちのダンナは突然、
"熱海に別荘を建てよう"と言い出しました。

なんで熱海だったのか。
箱根でも、九十九里でも軽井沢でもなく。

ダンナからすると友達を呼びやすい場所に
一年中使える別荘が欲しかったのかも。
私にとっては鬱鬱とした日々を一掃するのに
都合がよかった。

こうして、突然、熱海通いが始まりました。

熱海、イメージ違うぞ

通い始めたのは、2018年の夏。
beforeコロナの時代。
売出し中の土地をみたりもしましたが、せっかく熱海通いをしていますから、現地ならではの状況をリサーチします。

熱海駅を降りると綺麗な駅ビルがあります。平成28年(2016年)に再開発されたそうです。JRさん、投資していますね。
入ってみると、びっくりするくらい人、人、人。12時には売り切れるサバサンドを筆頭に、熱海の食が集まっています。

統計をみると、熱海の観光交流客数は平成3年度の940万人をピークに減少、平成23年度の520万人を底に反転しています。
平成30年度は700万人に回復していますから"寂れた温泉街"というのは随分古いイメージのよう。ピークはもっと凄かったと思うと熱海恐るべしです。

一歩駅ビルを出ると、街中は築40年以上と思われる古めの建物がほとんど。
シャッターが閉まったお店と、洒落た八百屋が街の中で同居。
20代くらいの若い男女がウロウロ、中国語スペイン語と思われる声が聞こえてきます。
時代と場所がぐちゃぐちゃな感じ。

海岸線にはまだ空き地があるけれど
新しいホテル建設が進んでいます。
海辺には、豪華なクルーザーが停泊。
階層になった白いテラスデッキまである。

なんだか、お金が動いている匂いがするなあ。

熱海に移住したSUPのインストラクターと知り合いました。
定住者向けのSUPヨガが人気であること
住んでみると水道代が高くて驚いた
と教えてくれました。

調べてみると、熱海市の水道基本料金は今住んでいる東京23区の1.5倍です。温泉の街の制約が水って、ちょっと意外ですよね。
最近は、2拠点居住の人気エリアでもありますが、定住人口はまだ下げ止まっておらず、住むには課題もありそうです。

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古い熱海を知ろうと、老舗な風情が素敵な"常磐屋"というお菓子屋さんに立ち寄りました。
看板と思われる羊羹を手に取ると、商品名に「鶴吉」とあります。
なんと、祖父の名前と一緒。
そういえば、祖父は昔、熱海に喫茶店を持っていて、母は子供の頃よく遊びにきたと言っていたなあ。

熱海のイメージが少しづつアップデートされ、親近感が高まっていきました。

妄想開始

どんな別荘を建てようか。
せっかくなら、何か新しいことにトライしたいですよね。
世田谷区のまちづくり学校で出会った私たち夫婦にとって、こういうブレストは大好物です。熱海への行き帰りの車の中で、あーでもない、こーじゃないかと激論を闘わせる時間が始まりました。

まとまったコンセプトは 
現代版のケース・スタディ・ハウス 。

本家は、第二次世界大戦後の住宅需要に備えるものだったから、私たちの取組みは現代社会が抱える課題を解決し、豊かさの意味を問い直すものにしよう。
最新技術を最大限活用しながら、自然に寄り添い、人と人の新たな関係性をつくる取り組み。

名付けて、"熱海Case Study House"。

土地も見つかってないのに、まずは妄想が始まりました。

ケース・スタディ・ハウスは、雑誌『アーツ・アンド・アーキテクチュア』のスポンサーで行われた実験的住宅建築プログラムである。

リチャード・ノイトラ、ラファエル・ソリアーノ、クレイグ・エルウッド、チャールズ・イームズ・アンド・レイ・イームズ、ピエール・コーニッグ、エーロ・サーリネンら、当時において著名な建築家に依頼し、第二次世界大戦後の住宅需要に備え、経済的、効率的かつ複製可能な設計・施工モデルを模索するものであった。

プログラムは1945年から1966年にわたって実行された。1948年までに建設された最初の6棟には、35万人以上もの来訪者があった。その多くがロサンゼルスに、数件がサンフランシスコのベイエリアに、一件がアリゾナ州フェニックスに建設されたが、未施工のデザインもある。 建築写真家ジュリアス・シュルマンの作品によって、その存在が全世界に知らしめられた。

出典: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ケース・スタディ・ハウス  (2021年2月21日)


魔法の言葉

なかなか土地が購入できず、コンセプトが決まってからプロジェクトがスタートできるようになるまで、2年半以上かかっております。

この間、いろいろな方に相談しました。

驚くことに、相談した皆さんの多くが"熱海Case Study House"というコンセプトを面白いと思ってくださって、アドバイスを下さったのです。

本家ケース・スタディ・ハウス の写真集を貸してくださった方
バイオマスエネルギー発電の実物をみせてくださった方
設計案や模型を提案してくださった方
森づくりのNPOのみなさん。
ずうずうしく何人かの建築家にも相談しちゃいました。

おそらく、ケース・スタディ・ハウスという言葉がワクワク感を醸成する魔法の言葉なのだと思います。
どんなものになるかわかりませんが、面白がってくださった皆さんとご一緒に実現していきたいと思います。

まとめ

人生100年時代。
50歳を折り返し点とみるか
新しい挑戦のタイミングとみるか
いろいろな考え方があると思います。

私は"熱海Case Study House"を通じて
新しい挑戦を始めようと思います。
いろいろケーススタディするぞー!

次回は土地購入のいきさつです。

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出典 熱海市「令和元年版 熱海市の観光」https://www.city.atami.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/001/296/kankou-reiwa1.pdf 2021年4月5日
熱海市HP https://www.city.atami.lg.jp/kurashi/suido/1004880/1007153.html 2021年4月5日
東京都HP https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/tetsuduki/ryokin/hayami_23.html?area=23ku 2021年4月5日

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