#4.02|凸凹兄弟、次男の社会人生活
次男が就職した会社は3交代の夜勤がある工場で、高卒とはいえ入社早々給与が3万円/月も上がる、高待遇の大手だった。
英語が極端に苦手だった次男も、小さい頃から柔道をやり高校でも体育会系で、面接での受け答えでも笑いを取るほどに見た目には遜色もなく、7人ほどの同期入社のメンバーにも恵まれ、社会人生活は順調な滑り出しだった。
高卒は現場でのオペレーションのためにクレーンや危険物などの資格を研修期間中に取得する必要があり、高校でも経験のあった次男は、同期の中でも合格は早い方だったらしい。
私生活でも狭いキッチンで自炊に精を出したり、やったことがない洗濯などもなんとかこなしていたらしい。頑張っているなと思っていた研修あけの6月、その電話はかかって来た。
会社から通院の指示、その理由は…
朝まだ早い8時台、本人から電話がかかって来た。会社で呼び出しを受け、研修中あまりに寝るので病院で診て貰うようお達しが出たと言うのだ。
自動車運転免許は持っていたがまだ車は持っておらず、寮からの通勤も高校時代の自転車を使っていたのだが、病院に行くときは危ないから自転車にも乗らないでくれと言われたという。
慣れない自炊生活などで睡眠時間が足りず、高校で習ったこともある研修講義の間に居眠りなんて、そりゃあるだろうと私も旦那も軽く受け止め、医者には一人で行かせたが、手ぶらで帰ってきた次男に会社は総務の人間をつけてもう一度同じ医者を訪れ、「ナルコレプシー疑い」という診断書を取り付けて来た。
そうして、その症状の治療のために「休職」と言うことになってしまったのである。
つづく
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