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『春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山』持統天皇

《意味》
いつの間にか春が過ぎ、もう夏が来たらしい。昔から夏に白い着物を干すという天の香具山に純白の着物が干されているよ。


繁る緑に真っ白な布。広がる青空。
色彩の対比が爽やかで美しい一首です。

この歌の作者・持統天皇は、小倉百人一首第1番歌「秋の田の」の天智天皇の娘です。小倉百人一首幕開けは天皇家の親子。そして両者とも季節を詠み込んだ歌。
百人一首第99・100番歌も、後鳥羽院・順徳院という親子の、世の無情を嘆く歌です。
撰者である藤原定家のひとつのこだわりだったのではないでしょうか。

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