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本には読むタイミングがあるという

ずっと本を読むのが苦手だった。
読破しなければいけない感と、理解しないと先に進めない感。どちらも自分でそう思っているだけだが、強迫観念のように「べき論」としてずっしりと重い鎖で私の足を引っ張っていた。

「読みたいところ、必要なところだけ読んだらいい」とアドバイスをもらっても、「頭では分かる、けどむりだよ…😢」と困っていたのだが、これを実践するぴったりな本を手に入れた。

『おまえの俺をおしえてくれ』徳谷柿次郎

この本の構成として、対談→エッセイ→対談→エッセイ→…のような繰り返しになっている。しかもこの対談部分がなんとPodcastで聴ける!二次元コードが載っているので、ここから聴けるという絶対的安心感。

そのおかげで、「あとでPodcastで聴こ😊」と余裕で飛ばすことができる。(聴いてから読まなきゃ…というほどの強迫観念ではなかったみたい)

そうやって対談を飛ばしてエッセイを読んでいると、次は興味のあるエッセイだけ読むということが自然とできるようになっていた。多分、飛ばすという行為をしても良いと体感できたのかもしれない。

それと、この本の内容がいまの自分にとても合っていた気がする。

地域でデザインを始めて約6年。最初はただ前を向いて走っていたけれど、気づいたら楽しくなって、考えを深める余裕も生まれていろいろなことを考えるようになった。

地域とは、デザインとは、それが合わさるところは、その価値は。
私が言う「地域」とは一体何なのか、「デザイン」とは何をすることなのか、「私」は一体どんな人で私がすることにどんな価値があるのか。こんなことをぐるぐると考える毎日。

『おまえの俺をおしえてくれ』で印象に残っているのは”「人生の孤独を持ち込むな」ローカルのコミュニティ問題”。

ローカルで何かを始めた時、そこに寂しさを持ち込む人が現れる。という話。詳しくは本を読んで欲しいと思うので書きませんが、安いコストを払って寂しさを無くそうというのはおかしな話。寂しさや孤独というのは、自分で処理するもの。もしくは高いコストを払って無くして欲しい。という感じの内容です。

私も寂しかった6年前を思い出すと、友人が助けてくれて、しかもその助け方がきちんとお互いにコストを掛け合うものだったから良かったのかもしれない。健全だった。

ちなみに本の話に戻ると、私はまだ読破はしていません。

ですがこの本を読んだか聞かれたら「読んだ🖐️」と気持ちよく言えるようになりました。本を読むのが苦手ですが、タイミングよく出会えた本のおかげで少しずつ、いろいろな本を読みたい気持ちになれています。

積読(つんどく:入手した書籍を読むことなく自宅で積んだままにしている状態)があるので、どんどん読むぞ〜。


あすみ

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