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鮭シャツを着て街を行く  もりたからす




画像はここ数年で最も気に入っているmont-bellの鮭シャツ。とても可愛い。

ところで私はファッションに極めて疎い。服飾のセンスや調和がまるで分からない。自分の服に関心が薄く、他人の服もよく見ていない。本当に服って必要?

「気が向いたらいつでも走り出せる格好」
衣服購入に際しての方針といえばそれくらいだから、ベースレイヤーにはユニクロやmont-bellの化繊製品を選びがちだ。近頃は着心地もコットン並みだから困るぜ。

実は職場に履いていくズボン?パンツ?も、同僚から見て「どうもスーツだとは俄かに信じがたい気もするが、表立って言及することも躊躇われる」程度、ギリギリセーフの少し下を攻めた登山用品をチョイスしている。

自然、人様から服装を褒められることはごく少ない。批判さえされなければこちらの勝ちだと思っている節もあるので手に負えない。

その点、この鮭シャツは強い。世のオシャレさん達は今年の流行色だとか、最先端の韓国コスメなどにはやたらと詳しいが、一般的に鮮魚の知識には乏しい。よって鮭シャツは批評の埒外となる。

万が一、このシャツ一枚で待ち合わせ場所に現れた私のセンスを冷静かつ的確に非難できるファッション人間がいたとしても、やはり私の勝ちである。

いやいやながらもちゃんと服を着て外出する私と、「あなたに鮭は似合わない」などと、文法以外全てがおかしい日本語を口走る相手とで、どちらが真人間かは自明ではないか。鮭に似合うもへったくれもないのだ。

鮭シャツは正義。
鮭シャツへの批判は許されない。
鮭シャツを崇めよ。

それにつけてもこの鮭シャツは素敵だ。釣り人やロゴがあしらわれているが、それらの工夫をなくし魚一匹にしても、その魅力はわずかばかりも減じない。

【いつか広大な白地に
自由に夢を描けるならば
私も
真ん中よりちょっと上に
大きめの生魚を置きたい】

なぜか詩ができてしまった。
鮭シャツを着ると人は詩人になる。



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