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猫背の原因とは?

1, 猫背の原因。多くは「背中だけ」ではない

猫背と聞くと「背中が曲がっている」状態なので、背中に原因がありそうなものですが、必ずしも背中に原因はありません。

Googleで「猫背 なおす」と検索すると、Amazonでこんな「矯正ベルト」が出てきました。

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まさに“原因は背中にあり”というような商品ですが、猫背の原因について、いくつかご紹介します。


2, 背中が原因となる姿勢

こちらの姿勢を解説していきましょう。

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一見、綺麗な姿勢に見えるのですが、
これも「猫背」になります。

何かを評価する時には、1つの基準が必要になります。

ざっくりと例えるなら、テストでの平均点を基準にするから、それより上か下かわかるという事です。

姿勢では、解剖学を基準にします。
関節や筋肉などが、基準となる位置にあることで、正常な体の機能を確保できます。

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自転車でも時計でも、しっかり歯車が噛んでいるから動力が伝わります。もし、嚙み合っていなかったり、横にスライドして空回りしている様だと故障の原因になります。

体の場合、免疫機能の一部がリカバリーしてくれるので、すぐに「動かない」や「故障する」という事は少ないですが、非効率な体の使い方をしていると、段々と体へのストレスが強くなり、疲労しやすかったり、長期的に見て故障したりするのです。

解剖学の指標を基に見てみると、

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頭から、「耳の穴」→「肩」→「股関節」→「くるぶし」に点をつけ、次に「点を結ぶ線」を引きます。

こういう視点で見ると、「肩」が後ろに出ていて、肩甲骨付近の背中も後ろへ膨らんでいるのがわかると思います。

この場合の原因は、この「背中が後方へ膨らんでいる」ことなので、この記事の初めに紹介した「猫背矯正ベルト」は効果的かもしれません。


3,骨盤が原因の姿勢(その1)

次に座り姿勢を見てみます。

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この図の様な姿勢になっていたら、骨盤は後ろに傾いています。

立ち姿勢よりは、骨盤は後ろに傾きやすいので、意識していないと、背中は丸くなりやすいです。

後ろに傾く原因としては、太ももの後ろにあるハムストリングス筋や内転筋群があげられます。

ストレッチをするなら、下の様なものが良さそうです。

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下の写真は、ヨガの姿勢ですが、

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普段から骨盤を立てて座る様な意識も効果的です。


4, 骨盤が原因の姿勢(その2)

次は骨盤が前に傾いている事で、猫背になっているケースです。

また、最初の写真に戻ります笑

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先程解説した通り、背中も原因の1つですが、この背中の膨らみを作るきっかけになるのが、上の写真中①〜③が考えられます。

①の原因となるのは、大腿四頭筋。
太ももの前にある筋肉です。
他には、恥骨筋などの股関節内転筋群。
太ももの外側にある大腿筋膜張筋があげられます。

ストレッチをするなら、下の写真の様なものだといいかもしれません。

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大腿四頭筋すとっち


②の原因となるのが、広背筋や脊柱起立筋です。
腰を伸ばすと効果的なので、こういうストレッチもおすすめです。

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猫のポーズ1

5, 骨盤が原因の姿勢(その3)

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この写真中の③です。
胸が下がる事で、背中側の膨らみが強くなります。
ここではの原因は2つあります。

1つ目は、胸を張る背中の筋肉が弱っていること。
これは、脊柱起立筋よりも多裂筋など鍛えた方が効果的です。

これには「こっそりエクササイズ」が効果的ですが、文章では伝わりきらないので、機会があれば動画などにしてみようと思います。

2つ目は、胸を下げている腹筋の硬さです。
腹筋と言ってもいくつかありますが、わかりやすい腹直筋を紹介します。

腹直筋イラスト

腹直筋は肋骨の前面から骨盤の恥骨までついていて、この筋肉が硬く縮んだイメージは下図の様になります。

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硬いままだと、立ち姿勢でも肋骨や胸を引き下げるので、猫背が出来上がります。

ここまで読むとお気づきの方もいるかもしれませんが、
腹直筋がついているのは肋骨と恥骨なので、縮んでいると恥骨も引き上げ、骨盤を後傾させます。

座位でも骨盤後傾を紹介しましたが、同じ後ろの傾きでも、その原因に違いがあります。
ですので、腹筋に原因があるのに、骨盤を後ろから押し付ける様な矯正や健康器具では、良くなりません。

施術

お尻側からだけの施術、お尻側だけが体に当たる健康器具やマットレスなども、この場合に効果的ではありません。

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6、自分で出来る検査方法

まず、骨盤が前に傾いての不調なのか、後ろに傾いての不調なのかを見極める必要があります。
その検査を紹介します。
下図の骨盤の出っ張りをみつける。

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見つけたら、その出っ張りの下に親指を置いて、骨盤全体をつかむ。
次につかんだまま、赤矢印の方向に骨盤全体を5cmくらい動かす。
その状態をキープして、背中を左右に捻ったり、首を左右に向いたりしてみる。

後傾検査


今度は、反対側に動かしてみる。
骨盤の出っ張りより上に親指を置いて、つかんだまま骨盤を足の方へ下げてみる。
この状態で、背中や首をひねってみる。

前傾検査

これで、骨盤をどちらに動かした方が体が動きやすいでしょうか?

動きやすい方が体に合っているので、その原因に合わせたストレッチや施術が正しいやり方です。


まとめ

何事にも原因に合わせた対処法があります。
間違って対処すれば、体がなおるどころか壊れてしまいます。

テレビや動画でも、たくさん情報に溢れていますが、
自分にあったものを見つける事が大切です。

僕は対処法よりも、まず自分の状態を知るという事が最も大事だと思っています。自分の状態がわかれば、おのずと対処法が選択できると思うからです。

皆さんも、そういう目を養って、動画選びや先生、施術家選びをしてほしいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
もし少しでも良いと思ってもらえたら、皆さんの「スキ」や感想を頂けたら、励みになります(^^)/

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