梅しごと 2019 「スパイス梅シロップ」
note、始めます!と意気込んではや一年。
気がつけばあっという間に季節が一周りしていました。なにせ書くのに時間がかかる、、!さらさらと思いを文章にしたためられる方々、本当に尊敬です。今年は吉祥寺に友人とオットと3人でこしらえたお店もOPEN、ゆるゆると更新頻度を上げていきたいと思っています。
さて。
梅雨と共に梅しごとの季節が到来、ということで、プレオープンのテスト期間中は梅しごとのワークショップを開催。以下、覚書です。
スパイス梅シロップの作り方
《用意するもの》
・梅
・砂糖
・スパイス(シナモン、カルダモン、クローブ、八角など)
・保存容器
*梅と砂糖の量は1:1が基本ですが(砂糖たっぷりの方が梅のエキスが出やすい、カビが生えにくい、などの理由)お好みで砂糖を減らしても。スパイスの量も同じくお好みで。
使う砂糖によって味も様々、スパイス香る梅シロップです。ソーダで割っても、かき氷にかけても。
《作り方》
1.保存瓶は熱湯消毒して乾かしておく
2.梅はよく洗って1時間ほど乾かし、なり口のへたを取り除く
3.保存瓶に砂糖と梅を交互に、合間にスパイスも入れ、最後に砂糖でふたをする
4.直射日光のあたらない涼しい場所に保管し、1日数回瓶をやさしくゆすって梅のエキスで砂糖を溶かし、全体にシロップをいきわたらせる
*もしも発酵してぶくぶくと泡が立ってきたら、お酢をちょろっと入れると数日でおさまります
5.1〜2週間ほどで砂糖が完全に溶けきったら、しばらく冷暗所で寝かせる
*ひと夏で飲み切るならそのまま常温保管でもよいです
6.梅とスパイスを取り除き、シロップを鍋に移して弱火にかけ、アクをとりながら煮詰める
7.粗熱をとり保存瓶に入れ、冷蔵庫で保存する
2018年の梅シロップ。左から28日目、14日目、1日目
保存容器の殺菌、梅の水気を除く、毎日やさしくゆすってじんわり出てくる梅エキスで砂糖をしっかり溶かす、この3つが肝です!
出来上がりは梅1kgにつきシロップ700〜800mlくらい。
左:三尾農園 完熟南高梅×生砂糖+クローブ。こっくり深く濃厚な味わい。残り梅はジャムに。
右:天野農園 鶯宿梅(青梅)×ビート氷砂糖 さっぱり爽やか。残り梅は魚の煮付けや豚の角煮に入れてもgood!
【梅のこと】
徳島の梅の名産地「美郷地区」で“梅博士”と呼ばれる、天野さんの作る梅。
第一弾では"鶯宿梅"の青梅、第二弾では"南高梅"の完熟梅をご用意しました。ほんのり紅のさしたほっぺがかわいい。
天野農園のこだわり
・完熟堆肥の施用・草生栽培・敷き草栽培を導入した土作り
・肥料は有機質肥料を中心に施用
・化学合成農薬の使用は低減を基本
・木で熟させてからの完熟収穫
・出荷前には農薬残留のサンプル検査をし、安全を確認したものを出荷
【砂糖のこと】
砂糖を原料別に大きく分けると、さとうきび(甘蔗 かんしょ)、てんさい(ビート)に分かれます。世界で生産される砂糖のうち、約70%がさとうきびで、鹿児島や沖縄、東南アジアなど温暖な地域で栽培。約30%がてんさいで、北海道、ヨーロッパなど冷涼な地域で栽培、、と地域によって違うことがわかります。
今回ご用意したお砂糖は3種類。どれもネットや伊勢丹や三浦屋で入手できます。
・ビート氷砂糖:原料は北海道のてんさい糖。結晶室でじっくりと二週間かけ自然に結晶を大きく成長させた氷砂糖。スッキリとしたやさしい甘さ。よく見かける上白糖の氷砂糖に比べて、血糖値の上昇が緩やか(てんさい糖のGI値65に対して上白糖はGI値109)だとか。溶けるスピードも速い気がします。
・生砂糖:大阪の砂糖問屋 鴻商店の生砂糖。原料は鹿児島県薩南諸島のさとうきび、煮詰めたジュースを遠心分離機にかけ、糖分だけを取り出したもので、黒糖に近い製法。コクのある甘さ。我が家ではおせちの黒豆煮はこれを使っています。
・マスコバド糖:フィリピン産、フェアトレードの黒糖。原料は無農薬のさとうきび、収穫後できるだけ短時間内に搾ったジュースを煮詰めて濃縮し、精製せず攪拌しながら自然乾燥させた黒砂糖。(こうした製法が「マスコバド糖」らしい)糖蜜分離や精製を一切していない含蜜糖であるため、さとうきびの風味やミネラル分も残されています。やさしい甘さと糖蜜のコク、黒糖の割にはあっさりとした後味。
【スパイスのこと】
いつもスパイスは控えめに、シナモンとクローブくらいだったのですが。山﨑さんちの田植えに伺った際、スパイスがたっぷり入ったシロップがものすごく美味しくて。今年は増量&種類も増やしてみました。
田んぼでいただく梅ソーダはまた格別でした!
・シナモン:桂皮、肉桂、ニッキ。 クスノキ科の常緑樹の樹皮。スパイスの代表格、シナモン。今回は製菓によく使われる繊細なセイロンシナモンを。
・カルダモン:ショウズク。 ショウガ科の植物の実で、中の種に香味があり、インドでは食後のフレスク代わりに齧ったりするそう。爽やかな風味。
・クローブ:丁子、百里香。フトモモ科の常緑樹のつぼみ。釘の形をしていて、強く甘い香り。インドネシアではクローブを混ぜたタバコがあるくらいポピュラー。このタバコ、若かりし頃、ハマっておりました。。今思うとあの香りはクローブだったのか!と妙に納得。
・八角:スターアニス。モクレン科の植物の果実。豚角煮の印象が強いですが、西洋料理にもよく使われます。ちょっと癖があり好みは分かれますが、エキゾチックな香り。
プラス、個人的に去年作った七山七福ジンジャーシロップを加えたものも。
さぁ美味しくできますように♫
おまけ
ワークショップのおやつは、スパイス梅シロップ寒天。ある秘密で色が変化するのです…!楽しい企み大成功♪