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日本占星術

私がここで言う "アスペクト占星術" は波木星龍に由来する。

日本発祥の占星術である。

ハウス・システムを用いない。

"アスペクト図形"を軸とし、ハウス解釈が必要な場合、
MCとASCからのアスペクト位置をハウス位置と捉える。

これは知る限り、世界に例がない。

MCからのアスペクト位置は主に社会的な、
ASCからのアスペクト位置は主に個人的な意味を持つ、

と、言いたいところだが、実際には逆の場合もあったり、
両方のハウス位置に跨って天体が位置するような場合は、
その位置の天体が両方のハウス位置の役割を持つ事も多い。

この手法は天体の一面的ではない役割を見事に導き出す。
"様々なASC"に変えてまで辻褄を合わせる必要はなくなる。

サインを考慮する。

だが、基本的には サイン・ルーラーという概念を用いない。
ディグニティ、コンバスト、順行逆行という概念も用いない。

誤差前後1度ずつのタイトなマイナー・アスペクトを重視する。

最大の特徴は "複合アスペクト"。

単独のアスペクトより "アスペクト図形" を "必ず" 重視する。
その幾何学相から連想される特徴が そのまま運命的特徴となる。

これも知る限り、世界に例がない。

何らかの人や事物と、離れようにも離れられない縁が生じ易い "リボン型"、
ある記憶や行為による、顕著な繰り返しを重ねる人生となる "二重三角形"、
理想と現実のギャップに悩みながら どこまでも希望と理想を求める"星形"、

といった具合に、天体の組み合わせだけではなく、
その"星相自体"が運命的特徴を顕著に表す事になる。

"リボン型" 例の一つとして、ベトナム戦争の申し子と呼ばれ、
二重体児として生まれた "ベト・ドク" 兄弟が挙げられている。

"リボン" のように、何かが結びつけているかのような縁が人生に生じる。

翼型、アルプス型、ペンタクル型、様々な星相があり、
その星相から連想される事柄と運命的特徴が一致する。

このような星相と運命的事実が一致しているという発見は他に例がない。
まるで手相を読み取るかのような、全くロジカルではない印象を与える。

これは明らかに、コンフィギュレーションとも異なる。

実際、このような複合アスペクトによるアスペクト図形解釈は、
コンフィギュレーションの理論解釈とは一致しない事の方が多い。

アスペクト図形としての幾何学相、それを形成する天体の組み合わせ、
焦点となる天体、各天体の位置、サイン、それらを同時に全体把握する。

直観的に瞬時に出生図の特徴を掴む。

波木星龍による、独自のハウス活用法、独自の星相解釈、独自の取捨淘汰、
誰も明言できなかったトランジットの独自法則、いずれも日本発祥である。

これを、西洋占星術、インド占星術、といった括りで言うなら、
波木星龍による日本発祥の占星術は日本占星術という事になる。

どの占星術も、それぞれの国や地域で独自の発展を遂げた。

日本独自の体系として代表的なものに、アスペクト占星術がある。

サイン、ハウス、ディグニティといった要素を排し、
天体とアングルだけでマイナー・アスペクトを使いこなし、
根拠脆弱な迷信的要素を極限まで削ぎ落として端的に特徴を掴む。

波木星龍はその最終到達点にいる。

今では、このような日本式占星術を追求する 真の使い手は少なくなり、
心理、古典、インド、モダンといった占星術がメインストリームかと思う。

私の占星術学習は波木星龍から始まり、いつも必ず波木星龍に帰って来る。私の占星術への造詣は心理へは向かわず、モダンには興味も湧かなかった。

モダン正統西洋占星術等と謳い、ホールサインとクォドラントの概念を、
ごちゃ混ぜにしてルーラーを追いかけ回したって埒が明かない事くらい、
やってみれば 誰にでも判る事ではないか。

インドは凄いが 性に合わなかった。

古典は凄いが 性に合った。
西洋占星術本来の体系と歴史はその中にしかないのだから。

西洋占星術もインド占星術も、
伝統的な占星術は非常に完成されたロジカルな体系を有する。

日本も凄い。

私は直観的で有機的な体系が好きだし、無駄なく淘汰されたものを好む。
完成された理論や体系と、実際に的中するかどうかは別問題なのである。

私は波木星龍の著述に学び、理解の怪しい所は何点か直接本人に確認した。
無論 代金を支払い、無理を言ってメールで何回か応じてもらったのである。

だが、どれも精読すれば必ずどこかに書いてある事だった。

この人は長年、否、今も 書籍やサイトで手の内を晒し尽くしている。

だが、他人がその情報を得ても、それを統合し、瞬時に自然に扱うという
経験と感性が要求される現実にぶつかり、盗む事も真似する事もできない。

"知られて困る事は何もない"のである。

勝手に波木星龍を師とし、及ばずも日本占星術を継承する一人として、
私は日本人に日本占星術を追求して欲しいと思うし、期待してもいる。

また私がここで言う 古典占星術は森谷リリ子、インド占星術は清水俊介、
日本占星術は波木星龍を基準としているのであって、他を基準とはしない。

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