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短歌〜最近のやつ〜

 こんにちは、お久しぶりです。元気です。
 おかげさまで三月から仕事をしています。note更新したいな〜と思いつつ、できてませんでした。忙しかった……訳ではありません。温存してた、という言い方がしっくりきます。

 近況としては、4月から会社通いが始まりました。季節柄もあり、平日毎日外に出られて、心地よいです。
 オフィスの人々もいい方ばかりです。あったかいオフィスで、ゆっくり成長できればいいと思います。こういう考えなので、求人でよく見る、「圧倒的な成長」とか、「裁量の大きい仕事」とか、何にも魅力を感じません。13年ごとに土の中から出てくる周期ゼミのように、あったかい土の中でゆっくり成長して、13年後、満を持して大空へと羽ばたいていきたい訳です。

 というわけで、今日は暖かく安全な場所から、最近作った短歌をお届けします。

2

叱られてうつむいて見たマンホールのさくら柄ありえないほど満開 明日郎

 少し前、なにか大事な国家試験を控えた友達とふざけた話をしていた。その内容は、
「国家試験落ちたら、うなだれて歩く。それでマンホールが目に入る。そこの絵柄に俺は励まされて、マンホールを作る企業に面接に行って、このエピソードを語る」
 というものだった。
 とても際立った動機で、こんなやつ面接に来たら、僕なら採用するつもりで話を聞くと思った。
 この歌も本当はそんな希望を歌いたかった。でもちょっとまだ詰め切れてなくて、noteへの間に合わせとして、悔しさの混じる歌に落ち着かせた。いい言葉が見つかったら改作します。

3

春風がめでたく来まして駅前のパチンコ屋の旗全部たおした 明日郎

 僕は春分の日生まれである。その事実が好きだし、純粋に春も好きである。春一番が来ると、(風が強いのは嫌なんだけど)嬉しくなる(嫌なんだけど)。それでパチンコ屋を囲うようにして置かれた旗は、全部倒れる。実に愉快である。頑張って宣伝しようとしているのに、全部倒される。実に愉快である。めでたい。勢いだけで作った歌です。

4

カフェに居た妊婦さんの履く靴を見てエアマックスのやさしさを知る 明日郎

 僕は「それ」を見るまで、エアマックスってかっこいい靴だよなと思っていた。

 ↑書き出しのつもりで書いたんだけど、これがどんな言葉より端的に状況を表している気がするので、これ以上はつづりません。

5

献血のプラカード持ちの足元のボトルの結露が写してる《夏》 明日郎

 これは、視点の移動を歌いたくて作った。
 「宇宙の中の地球の中の日本の中の東京の中の○○街の中の僕」ということを、散歩している時とかによく考える。外界は果てしなく広く、僕がどうしてここにいるのか、意味がわからなくなる。僕はこの感覚を、「ワンダー」と呼んでいる。あらゆる要素を含んだ僕、あらゆる奇跡の上に立つ僕、その不思議が、「ワンダー」だ。一度広い世界を見せておいて、主役に向けてぐっとフォーカスすると、「ワンダー」が生まれる。
 この歌はちょっとねじれた構造をしているけど、視点の移動が激しくて、要は「ワンダー」である。そう、「ワンダー」なのだ。書いてきてどうでも良くなってきたので、もう全部「ワンダー」ということでいい。

5

 もう駅に着くのでこれで終わる。移動時間内に書き上げてアップロードしてしまわないと、記事は永遠に下書きに埋もれ続けてしまうのだ。
 なんか今回は面白いことが書けた気がする。校正校閲の仕事で、いろんな人の文章を読んでいるからかもしれない。余談になるが、この仕事を始めて、物書きに対してのハードルがずいぶん下がった。それは、文章を読んでいて、「あ、こんなもんでいいんだな」とか、「(僕は物語を作ることはできないので、すごいなとは思いつつ)この作家より文章うまいんじゃないか?」とか、思うからだ。

 というわけです。また次回をお楽しみに。

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