好きな漫画を語る〜「ベルサイユのばら」
ベルばら。
言わずと知れた日本漫画界の金字塔。
今さら私が説明するまでもありません。
が、語りたい!
以前ヴェルサイユ宮殿を訪れたときの思い出とともに、ゆるく書いてみたいと思います。
1972年から73年にかけて連載されたこの作品。これだけの大作ですが、連載期間はわずか2年弱です。
まだ20代半ばだった池田理代子さん。一気に描きあげたのでしょうか。すごい。
私は子どもの頃一度読んでいましたが、ベルばらブームに乗っかるほどではなく。
かなりたって文庫版を買ってから、そのクオリティに打ちのめされました。
これを読んでおけばフランス革命とその背景はOK!といった時代考証の確かさ。
そして絵の美しいことといったら。
後半は特に芸術性すら帯びてくる見事な作画力です。
この物語の主人公は、男装の麗人オスカルです。
しかし、バスティーユ陥落の日にオスカルが亡くなっても物語は終わりません。次のページからマリー・アントワネットが主人公となり、彼女の最期の日まで描かれていきます。
ラストのページは、ナレ死となったフェルゼンの無残な姿です。
少女漫画とは思えないこの構成。当時、かなりの冒険だったのではないでしょうか。
もうかなり前ですが、ヴェルサイユ宮殿を訪れたことがあります。
広すぎてファインダーに収まりません。
どこもかしこも豪華です。こりゃ革命が起こるのもわかる。
鏡の間。ああここでオスカルさまが、アントワネットさまが…。
アントワネットがギロチン台に送られるまでの2ヶ月を過ごしたコンシェルジュリーにも行きましたが、ここは宮殿とは雲泥の差の暗く狭い監獄でした。
偉大な女帝マリア・テレジアの娘にしてフランス最後の王妃が、こんなところで人生の終幕を迎えたのか。胸が締めつけられる思いでした。
彼女はよく言われるように、浪費家で思慮の浅い女性だったのか。
それとも気高く慈悲深い王妃だったのか。
なぜ…神は
わたしという平凡な女にふさわしい
平凡な運命をあたえてくださらなかったのだろう
「ベルサイユのばら」文庫版第4巻より
私は、作者のこの解釈を信じたいと思います。
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