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地方在住の最大のメリットとは?

まさに私の経歴にうってつけのネタが上がっていたので、今回はこの話です。

世帯年収400~600万円で都内に住む人々の悲鳴「人間らしい生活がしたい」「子どもを産み育てる余裕はない」

正直、こちらの記事を読んでいただければそのまんまなのですが、要するに、都内だと世帯年収500万円くらいだと日常生活に支障が出るけど、地方だと持ち家があったり、子供複数人産んだり、旅行したりできる、という話。これ、全くその通りです。

地方移住の最大のメリットは「住宅コスト」

これは実際に経験した人ならよく分かると思いますし、経験していなくてもちょっと調べてみるとよく分かるのですが、「地方は物価が安い」と言われますが、実はそうでもないのが実態です。と言うのも、東京には全国から物が集まってきます。相当な競争原理が働きます。結果として、価格競争も激しい。地方は競争が少ないので、実はそんなに物価が安い訳ではないです。ただ、地元の人はご近所さんから米やら野菜やら果物やらのおすそ分けをいただけたりします(勿論、こちらからもおすそ分けします)。ある意味、物々交換の経済が回っていたりしますが、私もそうですがヨソモノはなかなかその輪に入れません(交換する物が無いので)。よって、実は食費等の生活コストはそんなに変わらないのが実情です。

他方、住宅コストはかなり変わります。私も家を買いましたが、都心で同じ物件を買うとおそらく2倍はかかります。しかも、比較的人の多い住宅街ですが、家と家の距離が東京と比べて圧倒的に広いです。ざっくりとローン代=家賃と考えると、東京だと1ルームで払うくらいの額で、新築の庭付き一軒家に住めます。私の住んでいるところは地方でも比較的中心部なのですが、皆さんがイメージする田舎暮らしの住居ですともっと大きな価格破壊が起こると思います。東京ですと、窓を開ければ隣の家が丸見えで、そのまま渡れそう、なんて物件もざらですが、こちらはその間に結構なスペースがあり、とても贅沢な気持ちになれます。私も約10年ほど東京で生活していたのでよく分かりますが、生活コストのうち、住宅コストでかなり取られてしまいます。満員電車が無い等他にもメリットはいくつもありますが、特にこのコスト安は助かります。

東京時代は独身でしたが、このまま結婚しても苦しいのは目に見えていました。当然ダブルインカムは必須と思います。地方に移り、大きい声では言えませんが収入は減りましたが支出も相応に減るので生活水準はほぼ変わりません。変わらないどころか、上記のゆとりが随所にあるので、圧倒的にストレスが減りました(結果的に太りましたが(笑))。家族に恵まれ、子供も2人おりますが、妻はしばらく専業主婦でした。お金を増やしたいのも勿論ありますが、それ以上に妻は外に出たいためにアルバイトをしています。正直、今の所得水準ですと、東京ではやっていけないと思います。

アフターコロナの働き方

昨今のコロナ禍の状況の中、リモートワークによって地方在住を目指す人が増えていると言われています。残念ながら、現時点では、まだまだ難しいところも多いでしょう。この辺りは、今後社会がどう変わっていくのか注視する必要がありますが、総論として、この流れはどんどん増えていくと思っています。一足先にそういう人生を歩んでいますので言えますが、圧倒的に幸福度が高いからです。

東京では毎日満員の通勤電車に揺られ、時には汗臭いおじさんの匂いを我慢しながら、時には女性が近くに居て痴漢冤罪にならないよう必死に手を上の方に上げたりしながら、時にはものすごく感じの悪いおじさんに肩をぶつけられて嫌な思いをしながら(東京の満員電車には3日に1回くらいこういう人居ますよね。。混んでるんだから恐縮しながら避けて進めばいいのに、ガンガンと肩を当てて通る人)。ようやく会社に着いた時点で既にライフが減っています。その後も就業時間は上司の気分に振り回され、何に使うのかもよく分からない資料作りを延々とやり、気が付けば11時近くになりトボトボと電車に乗ればやっぱり満員。しかも宴会後の人も多く、アルコール臭が漂う車内に嗚咽感を感じながら。時に人身事故があったりもして、もうその方を思いやる余裕もなく、遅れた電車が更に混雑していてなんとも言えない気持ちになったり。そして家に着いたら風呂入って寝るだけ。そんな日々でした。

これが地方だと随分変わります。まず満員電車という概念がない。これが圧倒的に心のストレスを減らします。車社会ですので渋滞は勿論あります。ただ、渋滞だと車内で一人好きな音楽なんかを聴きながら、場合によっては歌いながら飲み物も飲めるし、おにぎりやハンバーガーくらいなら食べられる。これ、満員電車でやられたら最悪ですよね。渋滞だと誰にも迷惑をかけずにこういう事ができます。仕事についても、良くも悪くもですが、東京に比べて競合が少ないので比較的のんびりしている会社が多いです。少なくとも、僕が経験してるのはそんな感じ。仕事上のストレスも東京と比較するとかなり減りました(これは業種職種にもよるかもしれませんが)。お陰様で、残業も殆どありません。なので、今は6時には家に帰って子供たちと遊び、家族で夕飯を食べ風呂に入り、一緒に寝る。東京時代と比べると幸福感の違いは一目瞭然だと分かっていただけるかなと思います。

「幸福度」を唯一無二の尺度に

僕自身、東京の息苦しい生活が苦手で、最終的には少し精神を病んでしまいました。そういう人ですので、この地方の暮らしはとてもマッチしました。これは、絶対的な価値観ではなく、人それぞれです。東京の刺激的な日々が好きな人も勿論居るでしょう。私のように、地方で心のゆとりが欲しい人も居るでしょう。自分の胸に手を当てて、「自分にとっての幸せとは何か?」「何を優先したいか?」を問いかけてみて下さい。

残念ながら今の社会はきちんとそういう教育をしていないので、なかなか見出せないかもしれません。やっぱりお金が一番大事?と思う人も居るかもしれません。僕自身も、東京時代は比較的そう思っていました。お金を稼いで贅沢をしたり、地位や名誉を得て人から持ち上げられたりすることが、幸福感に繋がるのでは?とも思っていました。しかし、残念ながらこういう外面的なものでは最終的な幸福へとつながりません。なぜなら、幸福とは内なる感情だからです。外面的な満足は慣れてしまいます。慣れると更に多くを要求したくなるのが人の性です。内なる感情を満たすには、感情を直接的に刺激する何かが必要です。ですので、例えばお金だと思ったのであれば、そのお金で何をしたいのか、に答えがあるかもしれません。外面的なものから始まっても結構ですので、それを使って何を得たいのか、充足させたいのか。それを掘っていけば、本当の自分の幸福感が何なのかがわかるかもしれません。

なお、ご参考まで僕にとっての幸福感の源泉は「家族」です。子供たちと同じ時間を過ごし、成長を見守り、やがて独り立ちできるようしっかり面倒を見る。その為に勿論お金は必要でしょう。ただ、それ以上のお金は特に求めていません。お金を追い出すとどんどん苦しくなります。幸福を追うと、その手段の一つとしてお金が必要なだけであり、お金自体に本質的な価値はないと理解ができるのです。贅沢をさせてあげたい気持ちもありますが、果たして贅沢をすることが彼らにとって良いことでしょうか?プラスマイナス両面あると思います。であれば、必要以上にお金は持たなくていいと思えるのです。

僕自身は比較的荒療治と言いますか、偶然の要素も多分にある中で、今ココに行き着きました。東京生活に苦しみ、サラリーマンであることに苦しみ、起業を目指して地方へ移り住みました。起業や新規事業は苦戦続きで大きな成果は上げられず、結果的にはサラリーマンに戻っています。ですが、家族を得て、とても幸せに毎日を暮らしています。もしかしたら起業で上手く行かなかったのが良かったのかもしれません。こんな未来は全く描いていませんでしたし、当時のビジョンから言うと大失敗です。ですが、気が付くとそういう幸せなポジションが取れていました。ですので、僕のやり方が理想的だとは一切思わないですし、一歩間違えば泥沼だったかもしれませんし、先駆者とは全く思えないくらい場当たり的なやり方です。決して同じことをしたらいいとは思いませんが、少なくともその経験は伝えられますので、それだけでも知っていただければ読んでいただいている皆様にとって何かの足しになるかも、と期待しています。

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