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おひとり様ツアー参加★ベルギー旅行の思い出〜その①


本当はイギリスに行きたかった

2019年の春、機会があってベルギーへ行った。本当は、イギリスに行きたかった。ロンドンでもコッツウォルズでもなく、ノーフォークコーストという東部の海岸に行きたかった。そこは思い出のマーニーという小説の舞台になった湿地帯で、描かれる穏やかな風やギラつくことのない雲の多い空の描写が、自分の心を誘った。ひとけのない田舎の海で、ただぼーっとしていたい。旅行会社へでかけて、自分の取れる連休中に行けるツアーを探して回った。私は英語が全く話せない。そして、イギリスの片田舎へ付き合ってくれる英語の堪能な友人もいない。だからツアーに参加するしかない。
しかしどこの旅行会社も、途中抜け出してノーフォークへ出かけることは規約違反になるとのこと、それから往復してその日のうちに戻るには電車とバスの時間が合わないこと、目的地の海には民宿が少ないことなどがはっきりし、イギリス行きは断念することになった。

そんな私に、ここも素敵ですよ。日程もぴったり合いますよ。ちょうどおひとり様の参加がありまして、あと1名様の残席ですがどうされますか?と提案されたのが、ベルギーだった。

ベルギーという国

ベルギーと言われて最初のイメージは、チョコレート。ワッフル。それからフランダースの犬のネロが見たかった絵が飾ってある国。この三つだった。他の知識は全く無く、興味もないまま、「霧に囲まれた幻想的な古都ブリュッセル」の見出しに惹かれ、その場で申し込みを決めたのだった。派手では無く、ぎらぎらしていなく、静かで地味なイメージが私を誘った。イギリスは後日、英語が堪能な友人やパートナーに恵まれたら連れて行ってもらおうと思った。

この旅行の思い出はあまり人に話すこともなく私の中だけで生きている。先日、ベルギー旅行に興味がある人がいるかもしれないよと読者の方からアドバイスをいただき、せっかく行った旅行だし誰かが楽しんでくれたら嬉しいので写真を交えて詳しく書いてみることにした。本当はこの旅行をきっかけにどんどん1人海外旅行へ出かける予定だったけど、ベルギーから帰国した数ヶ月後に世界的なウイルスの蔓延が始まってしまい、いまでもこの時の思い出を反芻しては次の機会を待っている。


ツアーの詳細

当時のパンフレットやらチケットやら現地でのレシートやガイドブックやらをスクラップしているのでそのま掲載していこうと思う。旅程は移動含めて6日間だった。

見る人が見たら旅行会社がどこだかわかるかもしれない

このパンフレットの左下に小さく「フランダースの犬が一度は見たいと切望したルーベンスの三連祭壇画がある厳かな大聖堂です」と聖母大聖堂の説明書きがあり、私はその言葉に心惹かれた。
子供の頃から少年少女が逆境に負けず大人に頼らずに強く生きていく「世界名作劇場」が大好きだった。大人になっても折に触れては見返して、フランダースの犬はおじいさんが亡くなってからの村人の冷たい仕打ちと、数々の勘違いやすれ違いが合わさるタイミングの悪さが絶妙な描写(あと数時間、ネロの発見が早ければ、絵の学校に行かせてもらえてアロアとも自由に遊べるはずでした)が残酷で、ザネリが烏瓜なんか流しに行かなければジョバンニが銀河鉄道に乗ることはなかったのにと思うのと同じくらいやりきれず、印象的で大好きだった。そのネロが、パンを食べるのを我慢してまで見たかった絵が、この旅行で観れるという。

ほかの旅程には全くイメージの沸かないまま準備を進め、出かけた。



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