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宇宙文学

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宇宙の詩、小説まとめ。
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#掌編小説

嘆きの海

嘆きの海

 此処は月。
 幾光年を越へて、やはり僕は戻ってきた。そう思って居たよ。
 独り乗りのグリーンライト製宇宙船は故障している。月に暫くは暮らす定めだ。
 僕はカプセルスイツのジップをしっかり口許迄上げ、立ち尽くした。方々を見る。
「美しひところには、いつも海があるナア。」
呟く。
 凹凸が成した沢山の海。月の海達。
 今僕は、そのうちの一つの砂浜に立っている。嘆きの海。昔の人は幾分も詩的だったのだな

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