見出し画像

CAN・DAY・A・SORT ☆22



(・A・)
「いでええ~いでえよキャンディさ~ん…」
(オリは、オリは膨れたほっぺたを抑えながら歩いている)
「許してつかあさい。許してつかあさいーー」

( ◍_◍ )
「フンだ!」
(なによなによ!!あたしというものがありながら!!他の女と不貞行為をド働き!!いやんなっちゃうわ!!ーーせっかく、あのにっくきスケベUFOの魔の手!魔のUFOキャッチャーから救ってあげたってのに!!)
「ぷんすかぷんのぴっぴっぴ~だ!!」
(と、あたしはぶん殴ったジテンのほっぺたよりもさらに膨れに膨れた怒りのほっぺたを揺らしながら帰投中!!)
「あたしゃ冬眠を控えたリスか!!なあ!!冬眠を控えたリスか!!」

(・A・)(ほっぺた押さえ)
「…キャンディさんって冬眠するんですか?」

( ◍_◍ )
「もうしらないッ!!」

(・A・)
「あがらくヴぁッ!!」

( ◍_◍ )
(あたしは、思い切りジテンの下腹部を蹴り↑age↑ッ!!只今を以てして、おち○こ抑えて蹲ってるわ!!ボーンボーンと柱時計みたいな涙流しながら!!いい気味だぜ!!)
「もうッ!!」
(あたしは怒り肩にかくんかくんしながら、鼻から蒸気発して、のっしのっしとお歩き!!でーーふと思ったんだけど、きょうのあたしなんだか、しおらしくない??よっぽどジテンの不貞が堪えたのかしらッ!!ーーほら。かしらだなんて)

(・A・)
「キャンディさん、ほらお花ーー」

( ◍_◍ )
「何よそんなご機嫌取りーー」
(もうッ!!ホント男ってバカなんだから!!そんな花なんかで女性の機嫌が直りますかっての!!)
(ーーでもでも、あたしはご機嫌三回転半振り向き♡くるくるくる~ンダ!!)
(なーんだもう!え??そ、そんなにあたしと仲直りーーまるで白鳥の湖が如く、る~ららる~と、光の粒子伴って回りながらーー)

(・A・)
「ほら。すっげえクセえですよ」

( ◍_◍ )
と、あたしに向けて、銀色のデッけぇ口開けた食虫植物チラつかせて来やんの。
いや、植物お前も〝くぱァ~〟やあるかい。

(・A・)
「ほら、指入れるとその瞬間に溶けてきますよ(˶ᐢᗜᐢ˶)」

( ◍_◍ )
と、あたしに向けて屈託なきーーゼロ屈託の男子最高峰の八重歯ちょい出しスマイル見せてきやがる。いや、やめとけやめとけ。溶かすな溶かすな。指。宇宙人とて。宇宙人とてーー!!

(・A・)
「キャンディさん、※コスモホ貸してください」
と、俺はキャンディさんのポケットからコスモホを奪い取りッ!!
(※うんとね、コスモートフォンの略。宇宙のスマートフォンらしい。俺もってないの)

ーーえ~と何々…ドビゲンドラブスネイブーーへえ。これ、ドビゲンドラブスネイブって言うらしいですぜ」

( ◍_◍ )
「ふうん」
あたしはしゃがむジテンに合わせてしゃがんでみる。ふぅん。こうして見るとかわいいな~。ドビゲンなんちゃらぢゃないぜ?お前の事だかんな。
と、あたしはジテンのほっぺをつつく。

(・A・)
「んあ?」

( ◍_◍ )
と、ジテンは口を開けて振り向く。かわいい。

(・A・)
「いや、ボクじゃなくてコイツです。コイツが指溶かすんです」

( ◍_◍ )
ーーば~ァか。誰が大事な指なんか溶かそうとするかっての♡

                                それにさーー

            もうお前には溶かされちってるのよ。

      指なんかよりもーーもっと大事なものをさ。

( ◍_◍ )
「あのさーージテン」
あ、あたしの胸がドクドク高鳴る。ハァハァと吐息が独りでにこぼれてクルーー
ーーここで??
                         あたし、ここでーー言っちゃうの??
でもーーそんなの今更じゃないかしらーー
嗚呼、これにーーこの気持ちに悩んでいたのねーー
そうかーーだから今日のあたしはこんなにも女の子だったんだーー

(・A・)
「なんですか?」
俺は振り向く。

( ◍_◍ )
「ーー作務衣着て」

         

   おめえ、ど頭からずっと全裸なんだよ。


(・A・)
「いやでも折角の亜熱帯なんで」

( ◍_◍ )
「いや、答えになってねえよ。いや、なってたとしよう。なってたとしてーー」
あたしはジテンの下を見る。
「おめえ、あたしに蹴り上げられてからずっとバッキバキなんだよ!!」

(・A・)
「えへへ」

( ◍_◍ )
「えへへじゃありませんッ!!」
と、あたしはまたもや大怒りーー
「まったくもうッ」
と、あたしは腕組んで、歩き出す。

(・A・)
「いやあ、すいやせん」

( ◍_◍ )
と、あたしの後ろでジテンがへこへこしている。
そういうの感じるんだよ。
描き文字の気配とかじゃなくーージテンってそういうやつだから。
                      最近分かってきたんだ。
ーーったく。もっとしゃきっとしなさいっての。
そっちのほうがもっとかっこいいのにーー
「でもね」

(・A・)
「え?なんすか?」

( ◍_◍ )
「なんでもないっ」
ーー思わず声出ちった…ハズカシイナァ…もう。あたしの周りを周回しながら、ジテンが「でもねって接続詞ですぜ?でもねって接続詞ですぜ?」っていやらしく回ってくるケドーー無視っ。

(・A・)
「え?でもねって接続詞ですよねーー??」

( ◍_◍ )
「くっ」
ーーこいつ、あまりに無視されて自分の知識心配フェイズに入ってやがんの。くっそ。あんましかわいいから、思わず笑っちったじゃん。ほらほら。あたしのコスモホ奪おうとしない。調べようとしない。と、あたしはその手を振り払う。
あー。そういうとこ狂おしい程好きだよ。
うん。ちょっぴり頼りないところがーーうん。

                         あたしは振り向く。

ーー草むらに手を突っ込んでガサガサしてる。あ~ムード台無し。何か変な虫でも見つけたのかな?

(・A・)
「うぎゃらぴゃあ!!なんだよ!!めっちゃオモロイ虫見付けたのになあ~」

( ◍_◍ )
フフフッーーざ~んねん。でもね。ガサガサは大成功。
ジテン。気付いてる?あたしの心はーー

ジテンに出逢ってからずっとガサガサしっぱなしだよ。

( ◍_◍ )
「ジテン」

(・A・)
「ごめんなさいよ、今、袖通しますんで」

( ◍_◍ )
「出逢ってくれてーー」
あ、あたしはーーあたしはーー
あ、あたしは目を伏せる。そんで唇をきゅっ。
は、はずかしいよ。はずかしくて言えないよ。こんなことが!あんなこととかしたあとなのに!!こんなことがーー

                         〝ガサガサガサガサ〟
( ◍_◍ )
「こんな時くらいガサガサやめてよッ!!」

(・A・)
「ふぁほ?」

( ◍_◍ )
「あれ?」
あたしの前には、作務衣を着ようとしてるジテン。あれ?乳首から毛がーーじゃなくて、宝毛ーーデモナイッ!!あたしはくるり。

ジャングルマン
「ぐがらぴそ」

( ◍_◍ )
ーーガサガサ言ってたのこやつでした。
あたしは顔青泡ぶくぶくぶーー

(・A・)
「ちょッ!!キャンディさん!!」
俺は急いで抱え込む!

( ◍_◍ )
「あ、あ、あフゥウーーばぶぅ~」

(・A・)
「ああっ!!よく分からないけどキャンディさんがショックを受けて退行!幼児退行をーー!!」

( ◍_◍ )
ーーどおぢでーーどおぢでええええーーーーなんであたしがしりあすにこくはくとかちようとおおおおああああああン!!!
「ぐがらきゃぴい」
〝がく〟

(・A・)
「あっ!気絶した!よく分からないけどジャングルマン的発言を残しつつ気絶した!」
のしっ。キャンディさんの体が急に重くなる!!

ジャングルマン
「ぎゃばらびゃがら~♪」

(・A・)
「えなに?なんか、もじもじしてるけどーー」

ジャングルマン
「ぎゃば♡ぎゃばばーー♡」
ぎゅるびかびーすけぼらばばばとむ♡

(・A・)
「え?なになに?すごいすり寄ってきたなに?」

ジャングルマン
「もす♡もす♡」

(・A・)
「なんか目がとろんとしてる!こちらをとろんとした目で伺いつつ腰の腰蓑擦り付けて来るーー」
な、なんだろうーーなんなんだーー
「あれッ!?」
周りを見るにーー桃色でキラキラ背景になってる!!ジャングルなのに!ジャングルなのに!!
「じゃ、じゃあこれってーーもしかしてーー」
こ、こくーーこくはーー

ジャングルマン
「うーががう♡」

(・A・)
く、口を数字の3みたいにして身を捩ってくるーー!!正直、かわいい感じではないし、女の子なの??ジャングルマンーー便宜上君のことそう呼んだけどーーもしかして君ってーーぐうううッ!この雰囲気に逆らえないッ!!なんだかーーなんだか不思議な引力をカンジーーるッ!!

俺は気づく。
        ーーい、いつの間にか俺の口も3になってるーー迎え酒だーーあ、違った。でもあれだ。迎える的なーーや、やばーーたす、助けてーーきゃんーーでーー

( ◍_◍ )
その時だ。あーしの脳波にぴぃんと来たのは。
瞬間、目覚めたのは分かる。目覚めたその事自体は覚えてるんだ。
その時の事は知らない。覚えていないとかじゃなく、知らない。というカンジ。知らないケドーー後からその時の事を聞くとジテンは渋い顔をする。
よほど酷いーームゴい??事が起こったらしい。
それからの事だ。ジテンが少しだけ優しくなったのは。














ジャングルマン
「ぐ、ぐ、ぐ、ぐび」

(・A・)
倒れ込むジャングルマン。そしてキャンディさんもだ。ほとんど同時に倒れたけどーー僕は迷うことなく、いや、本当はほんのちょびっと迷ったけど、キャンディさんの背中を支えた。

                     かわいい寝顔をしている。

キャンディさんを支える事にしたのは、共に旅をして来たからでも、これからも旅をするからでも、ましてやアレが怖かったからでもないーー

                    かわいそうだったからだ。

    支えたいと心の底から思ってしまったからだ。

           そうしたら無我夢中でそうしていた。

ジャングルマンだって、相当な宇宙のパワーを繰り出そうとしていたんだ。ふいに、ジャングルマンの身体中にオーラーー宇宙のパワーなのだろうか。それが一気に収束し、狼や猿やーーとにかく様々な獣達の顔がジャングルマンの周りに現れたんだ。

とても怖かった。とても怖かったよ。
でもね。キャンディさんが繰り出そうとしたそれはその比じゃなかった。怖かったけどーー
恐ろしかったけどーー

とにかく、その時だと思う。ボクがーーいや、俺がキャンディさんの事を護ろうーーそう、強く決心した初めての瞬間は。






                         CAN・DAY・A・SORT

                                     第22話

                        愛、振って、G固まる



(・A・)
それから僕達は逃げるようにして密林惑星ジャングルグールを出た。
どうやって出たのかと言うと、オーゲルだと思うだろ?これが違うんだ。どうやらオーゲルはそこを気に入ったらしく、離れたくないらしい。どうしたもんかと悩んでいた所、オーゲルは喉を詰まらせてーーあ、口じゃない。オーゲルは言葉を介さないからね。でも、思ってる事はなんとなく解る。これは俺が宇宙人になったからじゃなくて元々備わっていたもののように思う。
地球にいたころからも、なんとなくだけれど動物の意思が分かるようなーー他の人よりも動物への、あーー生き物や自然全般なのかな?
そういうのに優れていたように思う。想いというか。僕はずっと地続きだと思っていたんだ。生き物ーー動物も、人間も。そこに次元みたいなものはなくて、ただただ地続き。それは進化の体系だとか難しい話ではなくて、ああーー簡単に言うと五分の魂みたいなもんかな。

とにかく、喉を詰まらせたオーゲルは何を吐き出したと思う?

キャンディさんの原付さ。俺は驚いた。お前、これ吸い込んでたんだな。
ってーーオーゲルに言ったら、オーゲルは「おんげええ」と唸った。うん。やっぱり意思の疎通はとれてるよ。で、俺はありがとうと返す。それからほっぺを撫でる。それから額を沿わせて、あの時傷つけてごめんね、と謝る。

そしたら、オーゲルは「ぐらがああああ!!」と一際大きな声で唸るからびっくりした。俺は思わず、飛び退くんだけど、するとオーゲルが吐いた潮で全身べっちょびちょ(˶ᐢᗜᐢ˶)おいおい。水に流してくれたって事?

それから俺は宇宙原付に跨ろうとするーーあ、俺が運転するしかないからね。免許とか持ってないケド(˶ᐢᗜᐢ˶)

でもその前にだ。
「オーゲル、お前、ここに残るんだろ?」

オーゲル
「オゲッシュ ゲッシュ ゲッシュ」

(・A・)
ーーうん、多分残るみたい。だから、
「ジャングルマンーーあ、あの黄色い腰蓑つけた宇宙星物の事なんだけどよーー」

オーゲル
「おげ?」

(・A・)
「謝っといてくんねえかな」
ーー色々と。調子乗った事とか、男と間違えた事とかーーよ。

オーゲル
「おげ」

(・A・)
「頼むぜ」
と言って俺は親指グーサイン。でも、それじゃ意味分からんよな、と思って、オーゲルの前に言って頭を撫でる。
相変わらず、ばっしゃばっしゃと流れ出る水脈から水飲んでる。
「お前、ほんと水飲むの好きだなꉂꉂ(ˊᗜˋ*)」
「…俺も少し飲んでくか」と、オーゲルを見習って掌で水を掬って飲む。
「ぷひょえあああああ」
これがうめぇでヤンの。これ、地球持ってって売れば売れるぜ~と、日本語表現として如何なものか的な言い回しが浮かぶ。
ーーでもいいんだよな、そんなもん。

                                  伝わればな。

と、オーゲルを改めて見て思う。
「よっしと」
俺は宇宙原付のところへ行きーーよくは分からんがとりあえず点検する。
「これがアクセルでーーこれがクラッチレバー」
とありったけの知識とにらめっこ。
どうやら、にほーー地球にあるものと度台変わらないようで。ま、日本でも乗った事はね~んだけどよッꉂꉂ(ˊᗜˋ*)

んで、なんか、そんな事してたらムラムラっと、もうなんでそんな事になったんだろってカンジで、魔が差したと言いますか、こう、ムラムラーーっと来て、シートの部分をさする。
いや、これは別に変な、やましい意味じゃなくて。これが愛しいキャンディさんがいつも座っている部分なんだなって。そう思うとそこにキャンディさんがうっすらと見えてくるんだよな不思議と。
そんな感じでムラっと来て、俺はついつい、

     「俺がキャンディさんを護りますからね」

って、呟いて、キャンディさんを寝かせてるとこみたらキャンディさん起きてた。

(・A・)
「へあッ!!」
ーーウルトラマンみてえな声出た。

( ◍_◍ )
「…」

(・A・)
や、やべええやべええ空飛んで逃げたい。じゅあっと叫んでとびさりたいおれのひだりむねのからーたいまーがどききどっきn

( ◍_◍ )
「お前、運転するつもりなん?」

(・A・)
「あ、あ、あーーだめですか?」
ーーあれ?聞かれてない?

( ◍_◍ )
「うーんいいけど、それはまた今度だな。おめー、謝ってねーんだろ?」

(・A・)
「あ、はい。今すぐ逃げないと」
よかった。いつものキャンディさんだ。 


( ◍_◍ )
「ンじゃほいッ♡オーゲルクンっ。生きてさえいればまた会う事もありまっしょいっ」

(・A・)
と、オーゲルに〝しゅぴっ〟と掌を繰り出すキャンディさん。

( ◍_◍ )
「ほれっ。後ろ乗れや」

(・A・)
「はいよ~」
俺はキャンディさんの後ろにまたがる。

( ◍_◍ )
「そいじゃ、とんずら、ばいばいぶー太郎のオーゲルちゃん♡」

(・A・)
〝ぶるうん〟とアクセル吹かすと同時にオーゲルがぶぁふぉうと潮を吹く。

( ◍_◍ )
「おら、いくぞ、ちゃんと手を回して寄りかかるんだからな」

(・A・)
ーーん?分かってるけどそんなの。

( ◍_◍ )
「ほれ。もっと。もっと。もっと近う寄れ」

(・A・)
え?もっとーー?もっと近寄るの?
俺は股を捩って捩ってキャンディさんに近づくと、

                 その瞬間キスが待っていた。

                               〝はぷっ〟

                         と、唇が剥がれる。

( ◍_◍ )
「バカだなお前。お前なんかこの程度なんだよ」

(・A・)
「え」

( ◍_◍ )
「まだまだお前には護られっこネーんだよっ♡」

(・A・)
と言ってキャンディさんははにかんだ。

その瞬間に俺の体ががくんと揺れて、宇宙原付が出発する。
すると降り注ぐオーゲルの潮の中に光やら星屑やら星の砂なのか、とにかくオーゲルがたらふく飲み込んでいた何かできらきら。虹まで浮かんで、あ、流れ星。

そんな突然現れた、綺麗なもの達に見とれていると、
 
           「おめえの席、ずっとココだから」

                             と、声がする。

キャンディさんは振り返らずにそんな事を言っていた。

                 「何があっても忘れんなよ」

そこかしこの綺麗なものに浮気していたけど、ああ、ここに一番綺麗なものがあったんですねって言葉が浮かんだけど、今の僕には言えそうにない。








                      CAN・DAY・A・SORT







( ◍_◍ )
「う、、う、、う、、」

(・A・)
「…」

( ◍_◍ )
「うめえええええええええええええええ!!うめえよこれジテン!!うめえよじてコレン!!」

(・A・)
「ぼく、ジテンですよ。言えてたじゃないですか」

( ◍_◍ )
「うおおおおおお!!思わずテレコが零れちまうぐれえうめえええええ!!」

(・A・)
「ちなみにぼくは、ナンダーでもないです」

( ◍_◍ )
「はああ??なんだー?なんだなんだあ?」

(・A・)
と、キャンディさんは、僕の方を見ずに一心不乱に焼きそばを食べている。
どっぷりとマヨネーズがかかったやつだ。他にも青のりや紅しょうがやタコまでどっちゃり入っていて非常に食べごたえがありそうな代物です。
ーーこれにおじゃがが入っていたら、俺の薄れつつある郷土心が満たされたんだけどなーと思う。
さすがに宇宙にまで轟いてねえか。てか、日本でもーー

よぅし。ならば広めてやろうじゃないか。広めてやりましょおじゃが道ーーと、俺たちは屋台の椅子に座ってるんだけど、そこに座っている魔法使い風味の格好をした何か。夜空ーーというか宇宙空間にぽつんと建ってる出店なのであまりに暗くて見えないけど。その魔法使い風味の人が、ふっと笑ったーーような気がした。それから、その小さな人はふらりと席を立って勘定をして、持っていた電球みたいな丸型のライトで去っていった。

その瞬間、僕に何かを囁いたような気がするけど、多分ーーいや、気のせいではないと思う。でもとにかく何を言ったのかは分からなかった。

(・A・)
そんな事よりもタコ焼きなのだ。
俺はたこ焼きをつついている。何がすごいって歯ごたえだ。
「このタコすごい歯ごたえっすね」
と、俺はキャンディさんに言ったつもりだったのだけれど答えてくれたのはお店の店主。
キャンディさんは宇宙人のようにーー宇宙人なんだけどね!
びろびろびろり~んと口元から焼きそばを触手のように繰り出してこちらを見つめてくるだけだった。
いや、口塞がってるにしても念波があるでしょ!

( ◍_◍ )
(((これあげないよ)))

(・A・)
「そのことじゃないから!!」

んで、そのお店のーー腰元に紺色の暖簾みたいな腰巻巻いたタコ型宇宙星物が言うには、

「こちらのタコは知ってるかなーー銀河アマノガワの火星産でェ」

と来たもんだ。思わず俺は、

(・A・)
「俺、俺!俺そこの出だよ!!」
と、口の中のたこ焼きにも構わず叫ぶ。挙手を携えて。

暖簾ダコ
「へえ。あんた火星人ですかァ~。火星ってのはあんさんみてぇな変わった宇宙人もいるんですなァ~」

(・A・)
ーーなーんて、たこ焼き型のパイプをくゆらせてそう言うんだけど、あ、その人は、頭にもタコ型のなんか載せてる。左右にふたつ程。髪留めーーでもないよな。
「あ、違くてーー天の川銀河の出身なんです。ーー地球って分かりますかねーー」
と、言うが、時すでにたこ焼き。あ、焼きそば。あ、違う違う、お寿司ーーでもなかった。

たこ焼きパイプ吸いダコ
「火星も最近、大変みてェでねえ~。もう火星産のタコもこれっきりですヮ」〝ぷか~〟「どっか新しい仕入先見っけねえとなーー」と、遠い目をする。

(・A・)
「火星で何かあったんですか!?」

( ◍_◍ )
「あたしおしっこ行ってきていい?」

(・A・)
「うおおお!何やら故郷銀河が大変な時に!!」

( ◍_◍ )
「あのさ~あ。気になる事があんだけどよ」

                            〝がつん〟
                   〝がつん〟
                                  〝がつん〟
(・A・)
「今なんすか!お股ぶん殴りながらお時間掛かる話持ち込まないでくださいよ!」

( ◍_◍ )
「いや、こうしてると麻痺してくるからさ」

(・A・)
「だめだろ麻痺しちゃ!!大事な部分!!」

( ◍_◍ )
「いや、お前にとっちゃそうかもしんねえけど、あたしにとっちゃここはちょいとしたサンドバーー」

(・A・)
「いいから早く行ってこいッ!!」
と、俺はキャンディさんを強く蹴る。

( ◍_◍ )
「あ~ひ~」

(・A・)
と、SDサイズに収縮しながらブラックホールの彼方まで飛んでゆくキャンディさん。きらきらとした線を描きながーー
「って、てめえおしっこもらしただろ!!」

そこで、店の店主が一言ーー

暖簾ダコ助
「にいちゃんよォーー青春ってーーイイよなァ」

(・A・)
「どこでそう思ったんだよ!!」



                      CAN・DAY・A・SORT ◍_◍ ){アーヒー

✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:. *:゚✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:. *:゚✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:. *:゚✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:. *:゚✨.゚・*..☆.。.:*✨.☆.。.:. *:゚




( ◍_◍ )
「な。どうやって帰ったんだろうな」

(・A・)
ーー俺はバイクの後ろに跨り、キャンディさんの話をーー聞いてはいない。さっきお店の人に言われた、火星の何某が気にかかっていたからだ。

( ◍_◍ )
「ね、聞いてる?」

(・A・)
「あ、ごめんなさい」

( ◍_◍ )
「ったくーーズモモとかヒポポだよ!」

(・A・)
「はあ」

( ◍_◍ )
「あいつらどやって帰ったの?」

(・A・)
「え?なんかワープとかそういうんじゃないんすか?」
宇宙ってそういうの出来るんですよね?

( ◍_◍ )
「…なんかなーー。うん。うーん」

(・A・)
と、キャンディさんは納得がいかないようだ。首を捻っておます。

( ◍_◍ )
「てか、よお」

(・A・)
「ほい」
ーー俺は、パックに包まれたたこ焼きを持ちながら言う。食べさしではない。あまりに美味してくてーーそして一応?曲がりなりにも懐かしさを感じてもうワンパック買ったのだ。これ、どこで食べーー

( ◍_◍ )
「聞けやああああああああああああ!!」


( ◍_◍ )
「お前あれだぞ!すぐあれだぞ!!ダボが!!ダボ蔵が!!ダボダボ島出身のダボ田ダボ之進が!!」

(・A・)
「ダボ蔵じゃないんすか」

( ◍_◍ )
「その子孫だよ!バカ!!歴史紐解け!!」

(・A・)
「…」

( ◍_◍ )
「もういいや!」〝ぶんすかぷん!!〟

(・A・) 
…キャンディさんお怒り。あーあ。怒らせちった。

( ◍_◍ )
「それでさっきの話なんだけどよ~♪」

(・A・)
「スグモドッタ!!」ーーてか、ご機嫌音譜語尾!!

( ◍_◍ )
「そもそも、ズモヒポーズはどやってジャンゴーまで来たん??」

(・A・)
「?それもワープじゃないんすか?」

( ◍_◍ )
「お前何でもかんでもワープの所為だな!!」

(・◊・)
「だってそうなんでしょ!?」

( ◍_◍ )
「今のうちはいい!今のうちはワープの所為にしてもいい!!」
「でもそんなんだったら大人になってからくろうしますよ!!」

(・A・)
「もう大人ですって」

( ◍_◍ )
「ばかやろーおめ、ばかやろーおめ。まだてめえなんざ子供もひよっこなんだよ、宇宙人からしたら。チン先の桃いひよっこなんだよ」

(・A・)
「桃いってなんすか」

( ◍_◍ )
「桃色ってコトだよ!!」

(・A・)
「分かってますよ」
ーー俺は耳を塞ぐ。

( ◍_◍ )
「ぺっ!」

(・A・)
「うわ!唾はいた!!」

( ◍_◍ )
「ただの唾じゃねえぞ??」

(・A・)
「なんすか」

( ◍_◍ )
「焼きそば食べたあとの唾」

(・A・)
「…だからなんなんすか」

( ◍_◍ )
「…!……!!」

(・A・)
「いや、痛いところつかれたみたいな顔すんな!!ーーてか、これどこ向かってんすかーー」
ーーどうせ、成り行き任せなんだろうけど。

( ◍_◍ )
「お前みくびんなよ!!へっへーん!!やぶらこうじのぶらこうじ!!」

(・A・)
「なんで急に落語入ったんだよ」

( ◍_◍ )
「これから私たちはあるところに向かってマース!!さてなんとゆーおほしさまでしょー!!」

(・A・)
「そんなんわかるかよ」

( ◍_◍ )
「じゃー何の為に向かってるかは分かるよねさすがにダボで察しが悪くてダボ之進の子孫でとりわけデキが悪くて村一番の嫌われ者でその親戚のーー」

(・A・)
「じゃあ子孫じゃないじゃねえかよ」

( ◍_◍ ) 
「初デート♡」

(・A・)
「え?なにが?」
え?何つった?文脈、的を得ないんだよこいつ。

( ◍_◍ )
「は、つ、で、ぇ、と♡」

(・A・)
ーーって、振り返って言いましたよねこいつーー


                   は

                                   

                                  は


                       

                       ひゃつでひとぉ!?



                           CAN・DAY・A・SORT

                                       第22話

     『大乱☆混戦!!ジャングル狂うS'!!(後編)』


(・A・)
「あ、これ後編だったんだ!!」


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

お願いシマチューホームズ行ったことない! うそ! ホントはあるかも! 断定しかねる!!