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遊奇論 ダークプレイ(Dark Play) 〜遊びに潜むリスクや危険〜


みなさんはダークプレイという概念をご存知でしょうか?
なんとも怪しげな名前ですよね。

遊びのリスクについては別の記事でも示しましたが、この楽しいイメージの遊びに潜むダークプレイの概念を調べたことを以下にまとめさせて頂きます。

ダークプレイ

「ダークプレイ」は、遊びの研究において、一般的には以下のように理解されています。ダークプレイは、通常の遊びのルールや行動規範を逸脱し、倫理的な規範や社会的な期待に反する行動を含む遊びの形態です。

ダークプレイはしばしば、挑戦的な要素や遊びの境界を模索する意図を持って行われます。これには、違法な行動や攻撃的な行為、欺瞞や嘘を含むことがあります。ダークプレイは、プレイヤー同士の関係や倫理的なジレンマを探求するために使用されることもあります。

ただし、ダークプレイは一般的には倫理的な問題や社会的な影響を伴うことがあるため、研究や議論の対象としても議論が分かれるテーマです。さまざまな観点からダークプレイを研究することで、遊びの本質や社会的なルールに関する洞察が得られる場合もあります。

1. 定義と特徴:

• ダークプレイは、通常の遊びの枠組みを超え、倫理的なルールや社会的な期待に反する行動を含む遊びの形態です。

• プレイヤーは、意図的に不正行為、攻撃的な行動、欺瞞や嘘を含むような行為を取ることがあります。

• ダークプレイは、一種の実験的な行為であり、ルールや規範を意図的に破ることで、遊びの境界を模索し、新たな洞察を得ようとする試みです。

2. 研究と議論の領域:

• ダークプレイは、ゲーム研究やゲームデザインの分野で議論されることがあります。

• 研究者や学者は、ダークプレイが倫理的なジレンマや社会的な影響を引き起こす可能性があることを議論しています。

• ダークプレイには、プレイヤー同士の関係や集団内のダイナミクスに関する洞察が含まれる場合もあります。

3. 倫理的な問題と社会的な影響:

• ダークプレイは、しばしば倫理的な問題を引き起こす可能性があります。例えば、個人や集団への攻撃、いじめ、人権の侵害などが含まれます。

• ダークプレイが社会的な影響を及ぼすこともあります。例えば、現実世界での模倣行動や暴力的な行動の増加、社会的な信頼や協力関係の損なわれる可能性があります。

4. 研究の意義と課題:

• ダークプレイの研究は、遊びの本質や社会的なルールに関する洞察を提供することがあります。

• 一方で、ダークプレイの研究は倫理的な懸念を伴い、研究方法や倫理的なガイドラインの確立が課題となっています。

総括すると、ダークプレイは通常の遊びの範疇を超えて探求する遊びの形態ですが、その倫理的な問題や社会的な影響についても議論の的となっています。研究者や学者は、ダークプレイがゲームや遊びのデザインにおいてどのような役割を果たすのか、そのメリットやリスクは何かを検討しています。

一部の研究では、ダークプレイがプレイヤーに対して倫理的なジレンマを提示することで、道徳的な洞察や行動の意識化を促す可能性があると指摘されています。また、ダークプレイはゲームの挑戦性や興奮を高める要素としても考えられています。

しかし、ダークプレイは潜在的なリスクも伴います。例えば、プレイヤー同士の関係が悪化し、トラストの崩壊や対立が生じる可能性があります。また、現実世界でのダークプレイの模倣や、攻撃的な行動の正当化につながる懸念もあります。

したがって、ダークプレイについての研究や議論は、ゲームデザインや遊びのルールの構築において倫理的な指針や規範を考慮する必要があることを示唆しています。さらなる研究が行われることで、ダークプレイの本質や影響に関する理解が深まることが期待されます。

・研究者と文献

1. Miguel Sicart - ゲーム研究者であり、倫理的なゲームデザインやユーザーエクスペリエンスに関する著書で知られています。彼の研究は、ダークプレイや倫理的なジレンマに焦点を当てています。
2. Mary Flanagan - ゲーム研究者であり、遊びやデザインにおける倫理と社会的な影響についての研究を行っています。彼女の研究は、ダークプレイやゲームにおける道徳的な選択に関する洞察を提供しています。
3. Lindsay Grace - ゲームデザイナーであり、ダークプレイや遊びの倫理に関する研究を行っています。彼の研究は、倫理的な意識や社会的な影響を考慮したゲームデザインに焦点を当てています。
4. Ian Bogost - ゲーム研究者であり、文化的な影響や倫理的な問題に関心を持っています。彼はダークプレイやゲームにおける道徳的な選択に関する著書を執筆しています。

1. Miguel Sicart:
• 書籍: “The Ethics of Computer Games” (コンピュータゲームの倫理学)
• 論文: “Defining Game Mechanics”
2. Mary Flanagan:
• 書籍: “Critical Play: Radical Game Design” (批判的なプレイ:ラディカルなゲームデザイン)
• 論文: “Ethical Proxies: Gaming and Virtual Representations of Morality”
3. Lindsay Grace:
• 書籍: “Doing Things with Games: Social Impact through Design and Play” (ゲームを使った活動:デザインとプレイを通じた社会的影響)
• 論文: “Playable Ethics: The Ethics of Gaming”
4. Ian Bogost:
• 書籍: “Persuasive Games: The Expressive Power of Videogames” (説得力のあるゲーム:ビデオゲームの表現力)
• 論文: “The Rhetoric of Video Games”

・ダークプレイの具体例

1. ゲームでの攻撃行為: オンラインマルチプレイヤーゲームにおいて、他のプレイヤーを意図的に攻撃したり、嫌がらせ行為を行ったりすることがダークプレイの例です。これには故意のチーム組やいじめ行為が含まれることがあります。

2. ゲーム内での詐欺や欺瞞: ゲーム内で他のプレイヤーをだましてアイテムや仮想通貨を奪ったり、情報を操作したりする行為がダークプレイの例です。これにはフィッシング(偽の電子メールから偽のホームページに接続させたりするなどの方法で、クレジットカード番号、アカウント情報といった重要な個人情報を盗み出す行為)やスキミング(クレジットカードの情報を不正に入手して、まったく同じ偽造カードを作って不正利用する犯罪)などの詐欺行為も含まれることがあります。

3. 非公式なルールの探求: ゲームのルールを意図的に逸脱し、非公式のルールやチートを使用する行為がダークプレイの例です。これは他のプレイヤーに不利益を与えることや、ゲームのバランスを乱す可能性があります。

4. ゲーム外での影響: ゲーム外で他のプレイヤーや関係者に対して嫌がらせや脅迫を行ったり、プライバシーを侵害したりする行為もダークプレイの一例です。これにはストーカーやドキュメント攻撃などが含まれます。

これらは一部のダークプレイの例であり、倫理的な問題や社会的な影響が存在することに留意してください。ダークプレイは遊びの範疇を逸脱する行為であり、適切なルールや倫理的なガイドラインを守ることが重要です。

5. ゲーム内での挑発やプロボケーション: ゲーム内で他のプレイヤーを意図的に挑発し、感情的な反応を引き起こす行為がダークプレイの一例です。これには敵対的な発言や侮辱的な行動が含まれることがあります。

6. ゲーム内の政治的なプロパガンダや過激な表現: ゲーム内で政治的なメッセージや過激な表現を行うことがダークプレイの例となり得ます。これには人種差別的な発言や攻撃的な表現が含まれることがあります。

7. ゲーム内でのセクシャルハラスメントや性的な嫌がらせ: オンラインゲームで他のプレイヤーに対して性的な嫌がらせやセクシャルハラスメントを行う行為がダークプレイの一例です。これはプレイヤーの安全や心理的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

8. ゲーム内でのチームメイトへの妨害: マルチプレイヤーゲームにおいて、自分のチームメイトに意図的に妨害を行う行為がダークプレイの例です。これは故意のフレンドリーファイアや役に立たない行動を取ることで、チームの勝利やプレイヤーの楽しみを損ねる可能性があります。

9. ゲーム内でのスティーリングや資源の強奪: ゲーム内で他のプレイヤーからアイテムや資源を盗む行為がダークプレイの一例です。これにはゲーム内の窃盗行為や他のプレイヤーからの詐取行為が含まれることがあります。

10. ゲーム内での虚偽の情報の拡散: ゲーム内で他のプレイヤーに対して意図的に虚偽の情報を広める行為がダークプレイの例です。これは他のプレイヤーを混乱させたり、不利益を与えたりする目的で行われることがあります。

11. ゲーム内でのゲームマスターや運営者に対する攻撃: オンラインゲームにおいて、ゲームマスターや運営者に対して攻撃的な行動や嫌がらせを行う行為がダークプレイの一例です。これには誹謗中傷や不正行為の告発、運営者へのストーキングなどが含まれることがあります。

12. ゲーム内でのソーシャルエンジニアリング: ゲーム内で他のプレイヤーや運営者を騙すために、詐欺的な手法や社会的な操作を行う行為がダークプレイの一例です。これには信頼を損なう情報の操作や、他のプレイヤーを不利にするための工作などが含まれることがあります。

13. ゲーム内での人種差別や差別的な発言: ゲーム内で他のプレイヤーに対して人種差別的な言葉や攻撃的な発言を行う行為がダークプレイの一例です。

14. ゲーム内での違法な行為や不正利得の追求: ゲーム内で違法な行為や不正な手段を利用して不正な利益を得る行為がダークプレイの一例です。これにはゲーム内のハッキングやチート行為が含まれます。

15. ゲーム内での自己傷害や他のプレイヤーへの攻撃: ゲーム内で自分自身を傷つけたり、他のプレイヤーに対して攻撃的な行動を取る行為がダークプレイの一例です。

16. ゲーム内でのプライバシー侵害や個人情報の不正利用: ゲーム内で他のプレイヤーや関係者のプライバシーを侵害したり、個人情報を不正に利用する行為がダークプレイの一例です。

17. ゲーム内でのスクリプトやボットの使用: ゲーム内でスクリプトやボットを使用して自動化や不正な行動を行う行為がダークプレイの一例です。これには自動プレイや不正なリソースの収集が含まれます。

18. ゲーム内でのゲームのバランスを乱す行為: ゲーム内で意図的にゲームのバランスを乱す行為がダークプレイの一例です。これには故意のスポイルや不正なパワーアップの使用が含まれます。

19. ゲーム外でのプレイヤーや関係者への脅迫やストーキング: ゲーム外で他のプレイヤーや関係者に対して脅迫やストーキングを行う行為がダークプレイの一例です。

20. ゲーム内での自己利益の追求: ゲーム内で他のプレイヤーやチームメイトを利用して自分自身の利益を追求する行為がダークプレイの一例です。これには利他的な協力をせず、自分だけが恩恵を得る行動が含まれることがあります。

21. ゲーム内での不適切なアバターやキャラクターの作成: ゲーム内で他のプレイヤーや関係者を攻撃したり、不快感を与えるようなアバターやキャラクターを作成する行為がダークプレイの一例です。これには人種差別的なスキンや露骨な性的表現が含まれることがあります。

22. ゲーム内での意図的なゲーム進行の遅延: ゲーム内で他のプレイヤーの進行を意図的に遅らせたり、ゲームの進行を妨げる行為がダークプレイの一例です。これには時間稼ぎや故意のAFK行動(AFKとはAway From Keyboard(キーボードから離れる)の略で、プレイヤーが席を外す、または自分のエージェントを動かしたり味方とコミュニケーションを取ったりせずに不在であるかのように振る舞う行為)が含まれます。

23. ゲーム内での仲間外れや排斥行為: ゲーム内で他のプレイヤーやチームメイトを意図的に仲間外れにする行為がダークプレイの一例です。これには故意のチームキルやグループの排斥行動が含まれることがあります。

24. ゲーム内でのフェイクニュースやデマの拡散: ゲーム内で他のプレイヤーやコミュニティに対して虚偽の情報やデマを広める行為がダークプレイの一例です。これは混乱を引き起こし、信頼関係や協力関係を損なう可能性があります。

以上具体例をできるだけ含め、記述させていただきました。
子どもや大人同士の遊びの他に、政治的(陰謀論、汚職など)なことや学問、宗教、普段の生活の中にも見られる概念でもあります。

遊びはあらゆる分野で大切なことですが、遊びがすぎてしまいダークプレイに陥ってしまうことはみなさんも良く感じたり体験したことがあるかと思います。

ここの見極めや対応は人生に大きく関わってくることもありますので注意が必要ですね!

ちなみにダークプレイの対義語は「ライトプレイ(Light play)」と言われます。
ライトプレイは、遊びの中でルールを守り、他の人と協力したり楽しんだりする遊び方を指します。
ライトプレイでは、倫理的な規範や社会的な期待に沿って行動することが重要です。
普通の遊びや楽しい体験を追求することが中心となります。

またダークとライト、そしてその中間を感じながら遊ぶことはとても大切ではないか?と私は考えます。

その中間は一括りに出来ない常にスペクトラムな状態かと思います。

多少ダークで大体がライト、多少ライトで大体がダーク、このスペクトラムの中に面白さがあるのではないかと感じてなりません。

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