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好きな映画レビュー第2回目『勝手にふるえてろ』

陽が傾くのが早いですね。最近午後3時にはもう陽が傾いています。
まさにつるべ落とし。
1日の終わりをこうも早く空気で感じてしまうのはなんだか物悲しい。冬至を過ぎたタイミングで徐々に徐々にまた長くなっていくんでしょうけどね・・・。


というわけで好きな映画レビュー第2回目を書きたいと思います。
短い1日の物悲しさにふるえている私に向けたタイトルかと思いました

こちら。

『勝手にふるえてろ』

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中学生の頃の初恋の相手「イチ」を10年間脳内で引きずる24歳のこじらせOL・ヨシカ。
ある日職場の同期である「二(に)」から交際を申し込まれる。人生初の告白に舞い上がるも、暑苦しい二との関係に気乗りしないヨシカは、ぶっ飛んだ方法で同窓会を計画しイチと再開。
脳内の片想いと現実の恋愛とのはざまで悩むヨシカ」は・・・。

「桐島、部活やめるってよ」で絶妙に胸くそ悪くなるキャラクターを演じていて、それから個人的にとても好きな演技の松岡茉優ちゃんが主演ってことで観てみた。
それから「脳内恋愛」ってところにも、自分とのシンパシーを若干感じてしまいました。
ええ、私も頭の中だけで着々と育ってしまったりするんですよ、根暗なもんで・・・。

こちらの映画、とにかく最初から最後までテンポやセリフがポンポンとリズム良くて、手を引っ張られてどんどん先導してもらった感じがします。
ぶっとんだヨシカちゃんの言動にどんどん夢中になってしまうし、松岡茉優ちゃんの演技すごいなぁ。さまざまな細かい言動の演じ方が本当に最高。

最初は自分とはあまりに違っていて戸惑うんですが、妄想を育ててしまうところ、脳内で発展させてしまって直面した現実に傷つきがちなところは何となく気持ちがわかってしまうような・・・。


夢(妄想)破れて現実の事実に傷つき、泣き崩れるヨシカちゃんを見ていたらこちらまで泣きたくなる。
ああいう泣き方、それが心の中で泣いただけのものでも、恋したことのある人(特に女性)なら経験あるんじゃないかなー。
胸に突き刺さる現実の事実。みぞおちのあたりに冷たい水がスッと差し込まれるような感覚。
今まで自分の中で育ってたものがぶち壊れた時ってきついよな・・・途端に孤独になる感覚、わかるぜ・・ヨシカちゃん・・・

そうしたあとで明らかになる登場人物達とヨシカちゃんの関係。かなり切なくなります。
ああ・・・そうだったのね、ヨシカちゃん(;ω;)

傷ついてはちゃめちゃにこじれた現実を突き抜け、最後にヨシカちゃんが掴んだ結末は見事。
こうやってぶつかる相手が結局本当の関係で、本物なのだろうな。

あと、最後の最後で「桐島部活〜」との思わぬ関係性(?)が出てきます。(たまたまかも)

あとから考えてみれば、ヨシカの名前をちゃんと呼んでいるのはあの2人だけなのだよね。
妄想を育てただけに見えた現実にも、名前を呼んでくれる人はちゃんといたよ。

「傷だらけの現実を駆け抜ける暴走ラブコメディ」。本当にそんな感じでした。
原作も読んでみようかなぁ

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