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患者さん視点からみたICU -座談会編 その2-

こんにちは。アスピオプロジェクトメンバーの中尾です。

今回は、3名の入院経験をされた方々との座談会編その1の続きです。

入院中の過ごし方やその時の気持ち、欲しかったアイテムなど、患者さん視点ならではの意見を伺うことができました。

・Uさん ICU入室期間2週間(2回経験あり)
・Sさん 入院期間2週間(ICU入室期間術後半日)
・Yさん 入院期間1週間


入院中はどのように過ごしていましたか?ほしかったアイテムなどはありますか?

Y「病棟に無料のwifiがあったので、イヤホンをしてアマゾンプライムを観ていました。すごく助かりましたね。就寝時間にはwifiが切れるので、ダウンロードしないと!とか考えていました。」

U「病室ではiPadでゲームとかしていました。ICUでは携帯など持ち込んでいなかったのもありますが、点滴だらけで動けないし、そこまで携帯を欲しいとは思いませんでした。」

S「私はゲームなどはあまりやらなかったです。電子パットではなく普通の本を結構読みましたね。ICUではテレビなり、携帯なり何か観るものがあったらよかったなと感じます。」


もし、病室に風景の映像やリラックスできる音や好きなアーティストの音楽などが流れていたらどうでしょうか?

U「ICUではやわらかい音楽なんかが流れていたら、よかったかもしれないですね。動けない状態の時に気持ちがリラックスする気がしますね。あとは時間がわかるようになっていたりするのも大切かも。好きなアーティストの曲は、自分で選べるなら聞きたいですね。あとはモニターに映っている映像と音が連動していると、痛みがごまかせると思います。安らぎが与えられるというのが、大切かなと思います。」

Y「病室やICUではないのですが、処置をする監察室にあったらいいかもしれません。処置中は痛かったし、家族の声かけも辛いと思ったくらいなので、優しい音楽とか流れていたらよかったと思いますね。あと、処置中に家族がいたのですが、見られたくないので嫌でした。看護師さんがいてくれた方が安心だったし、病室で待っていてほしかったです」


病衣やベッドの感触などはいかがでしたか?

U「私は全身にモニターのシールが貼られているのが不快でしたね。病衣は甚平型を着ていましたが、糊が効きすぎてパリパリだったり、体型に合わなかったり、ズボンが寸足らずで着心地が悪かったです。点滴やモニターがとれてから、自分のTシャツに着替えられた時に、ホッとしたのを覚えています。ベッドについては、自分で痛くない体勢にできるベッドだったら楽だっただろうなと思います。右の背中側からメスをいれたので、どの体勢でも傷が圧迫されて痛いんですよね。ICUでは体勢を看護師さんに変えてもらっていたので、遠慮してしまいました。」

S「普段着ているTシャツで過ごしたかったですが、血液とかがつくと嫌なので、病衣ですごしました。でも病衣自体の独特の匂いがあるような気がして嫌でしたね。ベッドは、最初は違和感がありましたけど・・・慣らすしかないですしね。硬い枕が好みだったので、それはよかったです」

Y「僕は点滴だけだったので、次の日から自分のTシャツだったと思います。ベッドは特に気にならなかったですが、自分の枕が欲しかったですね。」


他に入院後の変化や印象的なことはありましたか?

Y「看護師さんがフランクに声をかけてくれて、安心できましたね。痛みが強い時に自分で鎮痛剤を多めに飲んでしまったことがあったんですが、その時にきちんと注意されてとても安心しました。プロだなと思いました。」

U「入院して、お医者さんや看護師さんには感謝しかないですね。退院してからは動けるうちにやりたいことはなるべく経験をしていきたいという思いが、以前より芽生えていると思います。行ってみたい場所や登ってみたい山に色々と思いをはせることが多いです。」

S「病気になったことで、小さなことやくだらないことで我慢するのはやめよう、という気持ちを持つようになりましたね。」


Uさんが痛みの中で身動きが取れない中、やわらかい音楽や何か安らぎを与えられることが大切だとおっしゃっていたことがとても印象的でした。安らぎの内容は人それぞれかもしれないのですが、インタビューを通して音や空間のあり方で、患者さんにとっての安らぎをつくることが、できそうだなと感じました。

また、患者さんは看護師さんとのコミュニケーションはとても印象深く覚えており、何気ない会話や対応が患者さんの気持ちを動かしていることも改めて実感しました。

アスピオでは、患者さんと医療者さん両方へのインタビューをしています。これからも、耳をそばだてて話を聴き、寄り添いながら医療者側のあたりまえと、患者さんのあたりまえを上手に擦り合わせて、より良い治療環境をつくっていきたいと考えています。

IN//SEKI 中尾

アスクレピオスは医療環境の未来について、一緒に考え、カタチにしていくラボでもあります。
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