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[俺が史観]個人的マイフェイバリットアルバムベスト100

この世で最も空気が美味しい場所は静岡だと思います三代目齋藤飛鳥涼です。

皆さんは史観という言葉をご存知だろうか?

一応ググってみたところ、歴史に対する根本的な考え・態度のことを指す言葉で、ようは一つの視点から描かれた側面的なタイムラインのことを指すと言って間違いないだろう。

例えば日本史においては司馬史観と呼ばれるものがあり、これは歴史小説司馬遼太郎が作品内で取り上げた時代(戦国時代や幕末/明治維新)に歴史マニアの好みの傾向を作ったもので、高度経済成長を遂げる当時の日本社会において合理主義と武士道を志向する司馬遼太郎の作品における歴史観は多く支持された。しかしその一方で坂本龍馬のように本来の実績以上に、司馬遼太郎作品でフックアップされてから扱いが良くなった人物など歴史観に歪みが生じる点などが一定の批判をもたらしている。

これは音楽でも同様で、例えばはっぴいえんど史観なるものがあるわけで、はっぴいえんどが日本のロックや邦楽自体を作り上げたと考える一方、当時の売上や影響などの点ではそこまで邦楽史に影響は与えてないのではという批判を生んでいるのも事実だ。

このように歴史というのは、様々な観点で見ることで全く違うものになる。それは個人単位で話しても同じで、我々は同じ時代を生きているにも関わらず、見ている景色や感じ方は全く違うものである。好きな音楽だってみんながみんな同じ音楽が好きでは無い。それぞれに好みがあって、それぞれが積み上げてきた好きな音楽たちがある。

そんな歴史の積み上げ、自分という人間を形成したアルバムをランキングで発表しようという自分語りをやるのが今回の企画です。

早速ランキングに行きましょう。



100位 Laura Nyro「Eli And The Thirteenth Confession」

一時期キャロルキング経由で70sのSSWの作品を聴いてた時にハマった。すごく自由で伸びやかなんだけど、ジョニミッチェルみたいなオルタナっぽさというよりかはちゃんと当時の時代のポップス観で収まってるのが逆に好き。


99位 Supertramp「Breakfast In America」

ジャケ写がすごくユーモアたっぷりでセンス抜群。ポップスには9割の享楽性と1割の悲哀が必要という哲学が自分の中にはあって、このアルバムもそんな哲学に当てはまる作品だと思う。


98位 MONDO GROSSO「何度でも新しく生まれる」

これは浪人生時代によく聴いてた作品の一つですねえ。満島ひかりの「ラビリンス」に最高最高最高齋藤飛鳥先生の「惑星タントラ」と、しなやかなビートに乗せた恍惚でエロティックな音世界が堪らんですな。


97位 GIPSY KINGS「GIPSY KINGS」

俺の爺さんが好きだった時代劇が鬼平犯科帳で、それ繋がりでよく車のステレオで聴かされていたのがこのアルバム。最近この手のワールドミュージックに対して理解度が深まってきて、この絶妙に欧米のポップスがブレンドされてる感じが聴きやすくてついつい再生してしまう。


96位 Aphex Twin「Richard D. James Album」

どんな音が飛び出してくるのかわからない、まさに聴いていて楽しい作品。この不気味な顔には似つかないアンビエントさがギャップ萌ゆ、花燃ゆ、井上真央おむすびにぎにぎ。


95位 松田聖子「Citron」

これは持論なんだが、富士宮とかあそこらへんのお茶畑がいっぱいの田舎の道路を夏に走る時に生えるカーステのBGMの最適解が松田聖子だと思う。実際マラケシュ聴きながら走った時、空気の旨さにやられて泣いた。


94位 The Beatles「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」

ポールマッカートニーの小粒な名曲が一杯詰まってるビートルズのアルバム。大名曲「A day in the life」とかでもだけど、今作のポールの曲はとにかく小粒だけどよく見たら光るっていうのが多い。これだからポールはやめられねえ。


93位 cero「Obscure Ride」

ディアンジェロが理解出来なくてもいいじゃん、日本にはceroがおるんやで。俺もクラスメイトとママチャリで逃避行したかったな()


92位 B'z 「B'z The Best ULTRA Pleasure」

母ちゃんが歌ってくれた子守唄よりもギリギリchop
、日本人の心の故郷ウルトラソウルでお馴染み、これ一枚さえ有れば万事解決なベストアルバム。


91位 Calvin Harris「18 Months」

世代的に避けられない通り、高校生の頃EDMを嗜んでいた当アカウントですが、その中でもカルヴィンハリスは非常に歌心のあるナンバーが多くよく愛聴してますたね。


90位 Asia「Asia」

今更ながら「詠時感〜時へのロマン〜」って邦題カッコ良すぎません???ジョンウエットンの男臭いの太いボーカルに、プログレ仕込みのドラマティックな展開がアツい。


89位 神聖かまってちゃん「8月32日へ」

サブスクに「26歳の夏休み」が無いってことが不服で仕方ない。この作品を聴けばの子がどんだけすごいメロディメイカーかってことと、その美しいメロディをノイズまみれでぐしゃぐしゃにしてしまうどうしようも無さで、俺をあの夏の記憶へと連れて行ってしまう。


88位 Flipper's Guitar「ヘッド博士の世界塔」

これを初めてYouTubeで違法視聴した時、日本にこんなすげえバンド居たんだ!って驚いたもんよ。お前らちゃんとCD買えよ!


87位 Men I Trust「Oncle Jazz」

Men I Trustが好きな悪い奴はいない。マットなリズム隊のおかげでなんとか地に足を付けてる状態だけど、いつ天に召してもおかしくない浮遊感最高すぎんけ。


86位 ONE OK ROCK「Nicheシンドローム」

僕ら世代にとって中学生の頃のワンオクはヒーローだったんですよ。みんなGAPで売ってそうなギンガムチェックのシャツに黒スキニー、コンバース履いて赤のガムテでぐるぐる巻きにしたおもちゃのマイクで真似っこしてたもんよ。だいたいみんな「35xxxv」あたりで離れちゃうんだけどさ笑。


85位 イエローマジックオーケストラ「BGM」

音に出ちゃってるギスギス感、いつ聴いてもヒリヒリと張り詰めた緊張感、3人のぶつかり合いが生み出した奇跡のような作品。


84位 SMAP「SMAP VEST」

90sのSMAPは洋楽に対する背伸びと、J-POPの酸いも甘いも体現したような楽曲でいいよね。わいのマミーがSMAP好きで、自然と生活の一部に彼らが溶け込んでいたような気がする。なにが言いたいかって言うとキムタクはカッコ良すぎるし、人はスーパーマンじゃないスーパーマンじゃないスーパーマンじゃないけれど〜。


83位 小沢健二「Life」

究極のポップアルバムの一つ。ちょうど受験シーズン真っ只中で小沢健二が本格的にカムバックして、この都会的で華やかなアルバムをバックに東京での大学生活を夢見てたな。まぁ、浪人するんですけど。


82位 Ride「No Where」

シューゲイザーのアオハル枠。オアシス経由でライドには行き着いたわけだけど、後ろであんなに大人しくベース弾いてる人がこんな鮮やかで美しい音楽鳴らしてるとはびっくりするよなぁ。


81位 Breathe「All That Jazz」

英国80sブルーアイドソウルの失われし至宝。最近バンド名と同名のフリーBGMがSpotifyに登録されたせいで、ディスコグラフィーがだいぶ荒らされてて泣いた。前にnoteでもこのバンドの記事書いたので読んで。


80位 サニーデイサービス「愛と笑いの夜」

サニーデイの中でもかなり渋さに重きを置いた作品という印象で、特に曽我部恵一というボーカリストの真価が現れた作品なんじゃね。個人的にこの作品が好きな理由は海外の昔のフォークロックっぽい感じが出てて、次作以降の良くも悪くもリラックスした感じとは違ったバンドらしい武骨さがあるとこが大きい。


79位 Cheryl Lynn「Cheryl Lynn」

ディスコを代表する名曲が入ったシェリルリンのデビュー作。息子にリズム感を養わせようとした親父が小さい頃によく聴かせてくれた一枚なのだが、肝心の息子わいリズム感付かずという無念な結果に。サマソニ2019でもちょこっとだけ見たんだけど、直前のThe 1975のライブが凄すぎて記憶に残ってないという無念な結果に。


78位 いきものがかり「桜咲く街物語」

おおよそこの並びの中で一番合ってなさそうなアルバムだが、ちゃんと聴いてみるといい曲しか入ってないJ-POPの名盤である。これとORANGE RANGE「RANGE」、ポルノグラフィティ「m-cabi」、ミスチル「HOME」、Breach主題歌コレクションは小学生の時のカーステの常連でしたね。


77位 Billy Joel「The Stranger」

飾らない等身大の無骨さと優しさが良い普遍的な名盤。こういう文句無しに素晴らしいポップアルバムは逆に簡単なレビューが難しい。仕方ないので私の好きなかぼちゃスープはスジャータのかぼちゃスープということだけ発表しておこう。


76位 Travis Scott「Astro World」

ヒップホップをちゃんと聴き始めた時期によく聴いてた作品、よくコロナ期間なんかはこれをBGMに散歩してて、これを聴いてる間は俺は強い...俺は強い...という錯覚に陥らながらそこら辺徘徊してましたね。


75位 サニーデイサービス「Dance To You」

今のLINEのアイコンこれです。曽我部さんが経営してるカレー屋にもこのジャケ写が飾られてて、今度カレー食いに行ってみたいと思う。


74位 The Bluetones「Expecting To Fly」

朝方の太陽が登り始めた時間帯のふと我に帰るあの冷たい早朝5時みたいなアルバム。この傑作ギターロックを生み出しただけでも、ブリットポップというムーブメント偉すぎ晋作奇兵隊創設倒幕運動志半ばで破れたり。


73位 L'arc~en~ciel「True」

ラルクってV系とかそういうの取っ払っても最高のロックバンドじゃん!って気付かされた大傑作。「Lies and Truth」と「Forth Avenue Cafe」ほんとすこ。


72位 スピッツ「インディゴ地平線」

俺がスピッツを意識するようになったのはロッキン2015。一緒に来てた同級生がUVERworldをなるべく前の方で見たいとのことで、ひとつ前のスピッツから見ることに。当時はまだ合唱曲で歌うポップで軟派なバンドというイメージだったが、実際見てみると草野さん喉からCD音源だし、田村は暴れ回るし、楽曲は良質でジャングリーなギターロックだし、田村は暴れまわるし、田村は暴れまわるしでスピッツすげえってなったのがきっかけだね。そん時一番印象に残った曲が「インディゴ地平線」。


71位 The Beatles「Please Please Me」

このアルバムを聴くとビートルズは港町のバンドなんだなってのがよくわかる。聴いててすげえ磯臭いというか、サーフロックっぽい独特のエコーが心地良くて、なんだがこれから雨が降りそうな曇りの時に海岸線で聴くと映えるんですよね。 


70位 cero「POLY LIFE MULTI SOUL」

全感覚研ぎ澄まされてますやんってなるceroの現時点での最新作。一つ一つの鳴らす音の心地良さが半端ないのはもちろん、このバンド及びこの作品に関してはライブでで聴いたことでさらに好きになった。もしライブハウスとか音楽を生で聴いた体験が無い人をライブに連れてく時に見せたいアーティストだよね。


69位 Chance The Rapper「Coloring Book」

圧倒的多幸感。ゴスペル、ソウル、ジャズをぶっ込んで、圧倒的なポップセンスとヒップホップの駆り立てるような訴求性が噛み合った万人に愛される作品だ。


68位 MURA MASA「MURA MASA」

10年代のUKエレクトロミュージックの中でも特に愛聴した作品。全体を通してドライでヒヤッとした張り詰めた空気感が聴いててぶち上がる。


67位 NOT WONK「This Ordinary」

ちょうどSpotifyがサービスを開始した頃に邦楽系のプレイリストで猛プッシュされてたことで知った作品。そうそうこういう溢れてしまって行き場の無いエモーショナルだよ、俺が求めてた音楽って。


66位 Roxy Music「Avalon」

なるほどこれが完璧な黄金比か。そう感じざるを得ない計算された構築美、一曲目から「これ以上のものは無い」と言い切ってしまう大胆さ、そしていつでも僕らリスナーを"向こう側"に連れて行ってしまう幻想性。フジファブリックの「若者のすべて」が音楽の教科書に載るんだったら、「Avalon」は美術の教科書に載らないとダメでしょ。


65位 Bloc Party「Silent Alarm」

最高のデビューアルバム、研ぎ澄まされたナイフ。文化祭の準備期間に"お前らこのアルバムやべえから今すぐ聴け!"って言って爆音で流したら、女子から大不評で泣く泣くテイラースウィフトに変えた苦い思い出が蘇った。あの時の女子たちは今どうしてるのだろうか。


64位 The Beatles「Beatles For Sale」

ビートルズのカタログでも扱いが悪いのすげえ納得がいかない。たしかに疲れてる感はあるけど、曲は素朴でグッとくるものが多いし、なによりジョンレノンよ。この人やっぱすげえボーカリストだわ。この髭、ここのロン毛、この髭、もう全然いいわ、言うことねえわ、やっぱこいつ強えわ。


63位 Cleo Sol「Mother」

2021年になってこんな優しくて歌心溢れる作品に出会えるとは思わなかったよ。もし2020年時点で似たようなランキングを作るとしたらこの位置にキャロルキングの「Tapestry」が入っていたんだけど、Inflo仕込みのクラシカルなソウルとオーガニックなサウンド、そしてCleo Solの寄り添うボーカルとしっかりと聴き応えのある強度高めな楽曲が最高すんぎ。


62位 吉田美奈子「LIGHT'N UP」

なんか全部過剰過ぎて逆に面白いことになってるシティポップ。デヴィッドサンボーンとかブレッカーブラザーズという錚々たる面子が脇を固めていて、もはや洪水に近いような煌びやかサウンドプロダクションがダイナミックで良きですよね。


61位 きのこ帝国「ロンググッドバイ」

伝えたいことなどとっくのとうにない

錯覚起こしてる ただそれだけなんだよ

ごめんね

ごめんね


60位 Toto「Toto IV」

筆者はお恥ずかしいことに小学2年生まで泳ぐことはおろか、顔に水を付けることすら出来ないカナヅチでして、さすがにそれはまずいとのことでスイミングスクールに強制入会されてしまったんですよね。今ではスイスイ泳げるようになったけなんですけど、このアルバムはスイミングに行く時によく聴いてた作品ですねー。


59位 パソコン音楽クラブ「Night Flow」

2019年の個人的ベストアルバム。都会の真夜中を徹底的に冷たい視線で描いた傑作ですが、この作品を聴きながら夜の品川とか新橋あたりを歩くのマジで最高だしちょっと恐怖感じるのでオススメです。


58位 Beach Fossils「Clash The Truth」

最近の作品とか聴くとストロークスとかと同じ系譜にいるニューヨークのバンドなんだなって感じるんだけど、今作はすごくサーフロックライクでめちゃくちゃ磯臭い音楽やってるんだよな。これもまたジメッとした日に港町で聴きたい音楽の一つである。


57位 The Beatles「Revolver」

ビートルズ作品の中でも全ての収録曲のクオリティが高くて穴の無い一枚。あと「For No One」という名曲が収録されてる。「For No One」はもっと評価されろ(定期)


56位 Boz Scaggs「Silk Degrees」

究極のリゾートミュージック。凄く晴れた日の熱海の海岸線とかで聴いた時はマジで最高だったな。


55位 Daryl Hall & John Oates「X-Static」

デヴィッドフォスター大好きおじさんからすれば得しか無いコラボ。ブレイクする次作ではモダンに洗練された音像になるけど、デヴィッドフォスターが手掛けた今作とか前作は音像がドラマティックで好きなんよね。あとなんと言っても「Wait For Me」とかいう号泣必須ソングがあるのが強い。


54位 the pillows「Please Mr. Lostman」

いつかの秋頃に飲み会があるから吉祥寺に行った時、約束の時間よりも早めに着いたから井の頭公園でダラダラしてた時にふとこれを聴いて、その時に流れた「Swanky Street」が流れた時に、紅葉が冬の身支度を始め、間から差し込む夕日の侘しさにいとをかしってなった。


53位 Galileo Galilei「PORTAL」

人間っていいな!ってなるラブアルバムだよ!

素晴らしき音楽と涙の落ちる音が俺にはちゃんと聴こえてるよ!


52位 JPEGMAFIA「All My Heroes Are Cornballs」

JPEGMAFIAはずっと居心地が悪そうな音楽を鳴らしてて、一聴するだけでわかる誰もが心の中に隠し持ってるヤバさを音で具現化してしまってる。こういう人間臭いヒップホップが俺は好きだよ。


51位 乃木坂46「サヨナラの意味(Special Edition)」

実質EPみたいなもんだから入れた。高3と浪人期がちょうど乃木坂全盛期でね、乃木坂工事中を起点に1週間のスケジュールを組む生活してたのが懐かしい。それはそうとこのEPはいい曲しか入ってないし、「ないものねだり」は名曲。


50位 The Replacements「Let It Be」

Prefab SproutのパディマクアルーンとThe Replacementsのポールウエスターバーグはもっと評価されろ委員会の会長です。ボロボロで剥き出しのオルタナなんだけど、切なくてぶっきらぼうな楽曲が凄く泣けてきます。


49位 くるり「Team Rock」

チオビタドリンクのほにゃい曲を歌ってるバンドという、それまで持っていたくるりに対するイメージを180度ひっくり返したアルバム。このアルバムが無かったらくるりにのめり込めなかったと思うので、まさに運命的な作品だ。


48位 The Radio Dept.「Cling To A Scheme」

北欧って一回旅行で行ってみたいんですよね。フィヨルドとかカラフルな建築物、それこそスウェーデンだったらストックホルムをじっくり街歩きしたい。そんな北欧への憧れを抱かせてくれたのは、このアルバムとイブラヒモビッチによるところが大きい。


47位 ASKA「NEVER END」

日常の些細な悩みや不安をどんだけダイナミックな描けるか選手権みたいなアルバム。そしてそれを雄弁に歌い切ることで、めちゃくちゃ小さなテーマでもアンセムに仕立て上げるASKAの才能。生活を営む人のためのポップアルバム。


46位 フィッシュマンズ「空中キャンプ」

聴く合法麻薬。同じトリップアルバムの「ヘッド博士の世界塔」は差し押さえが出来たけど、これがまだ普通に聴けてるということは日本の警察もまだまだですね。夜中の3時くらいにこれ聴いてチルする瞬間がこの世の最大の至福なのかもしれんね。


45位 American Football「American Football」

高校生の頃にこの神アルバムに触れられたのは大きい。ギターのアルペジオの心地よさ、リズム隊の穏やかで優しい感触、説明書通りに作り上げたとしてもここまでの構築美を成し遂げることは出来ない作品自体が持つ奇跡。そう、奇跡なんよね彼らの音楽は。


44位 宇多田ヒカル「Heart Station」

どちらかといえば人間活動後の完全に氷山の一角に鎮座する宇多田の方が好きだけど、トータルで一番好きな作品は何かと言われたらこのアルバムを選ぶと思う。彼女のディスコグラフィーの中でもかなりJ-POPしてる作品で、この時点で神の領域に入りつつあるのにかなり人間どもに寄り添ってくれてる。神も腐っても人間なんだなっていう所に落ち着くハートフルな作品。


43位 CHAGE & ASKA「GUYS」

"燃える太陽 狙撃できると信じてる"というめっちゃハードボイルドな歌詞が入った曲で火蓋を切るアルバムだが、当時のUKブルーアイドソウルの空気を大胆なサウンドとは裏腹に、内容は男のズルさと不器用さと優しさを描いている。そしてなによりも「If」に「no no darlin」と名曲のオンパレードで、ASKAやっぱすげえ〜って結論に落ち着く。


42位 サニーデイサービス「いいね!」

未曾有のパンデミックに揺れるタイミングでリリースされたギターアルバム。この軽やかさと円熟味ある深みに何度救われたことだろう。


41位 Hartfield「True Color, True Lie」

個人的に国産シューゲイザーの最高峰。幾重にも重なったギターの音の壁と、エモっ気たっぷりなドライブする楽曲、そして秋の夕暮れにぴったりな侘しいメロディ。閉館ギリギリに銀閣寺に立ち寄ってから夕方くらいの哲学の道をダラダラ歩きながら聴きたいアルバム。


40位 Vince Staples「Big Fish Theory」

最近のVince Stapelesはよりリリックに重きを置いて自分の内面と向き合ってるわけだが、この作品のアグレッシブなサウンドも込み込みで全身で自分の内面にあるフラストレーションと格闘してた感じがする。さっきのJPEGMAFIAに言えることだけど、こういう人間臭いヒップホップはいつ聴いてもカッコいい。


39位 Radiohead「The Bends」

全てのギターロックバンドがなりたくてもなれない領域に2ndで統一してしまったあたりがこのバンドの凄みと言いますか。3本のギターによるエフェクティブで攻撃的な絡み、そして内省さと美しさの両面でワンパンしてくるソングライティング、まさに教科書のようなアルバム。


38位 The 1975「I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it」

「君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。」についての思い出は、当時軟派なポップバンドと揶揄されてた彼らが先行曲で立て続けにポップな曲をリリースして、しかもタイトル名も「君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。」なんていうクソ長えタイトルでリリースしてくるあたりに凄くロックスターとしてのユーモアを感じたというか、だってピッチフォークが推してそうなバンドで「君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。」なんてクソ長えタイトル付けるようなバンドいないじゃん。しかもあんなにめちゃくちゃポップな先行曲ばっかなのに、蓋を開けてみたらシューゲイザーとかアンビエントをごっつ展開してるしなんなん?ってなるわけで、鮮やかなネオンサインで騙されためっちゃ挑戦的なアルバムやんけ!くっそかっこよ!君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないからじゃん!ってなるわけで、The 1975やっぱかみじゃん!ってなるわけでさ。結局何が言いたいかっていうと、君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。もう一度言うぞ?君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。


37位 DIIV「Is the Is Are」

10年代のギターの鳴らし方を定義したバンドだと思う。延々と同じリフを淡々と鳴らす感覚って、まさにループすることの心地良さを覚えたヒップホップ以降の世代の感覚に近いっていうか、それをシューゲイザーのエッセンスを導入することで唯一無二の浮遊感があるサイケデリアが展開されてる。


36位 Oasis「Definitely Maybe」

このシューゲイザー色の強いノエルのノイジーなギターがまた良いよね。難しいことは全然してないんだけど、リアムの声も含めて全ての鳴っている音がカッコいい。「Live Forever」とか「Supersonic」みたいなこいつらについて行きたい思わせる力強い楽曲も魅力的だ。


35位 LANY「Malibu Nights」

The 1975の2ndが示したアンビエントと80sシンセポップの融解という命題に対して、LANYの2ndはこれ以上考えられないような圧倒的なチルの極致とも言えるこの作品で答えたと思う。マリブの夜と銘打ったこの作品は、恋に落ちる瞬間のとろけるような甘さとほろ苦さをパッケージした作品で、ただのポップスでは片付けられない色気がある。この色気こそこのアルバムが名盤たらしめる要因で、俺がいつまでもこのバンドを諦められない要因なのだ。


34位 Tycho「Dive」

高校生の時めっちゃ聴いたな〜。いつだって穏やかな気持ちにさせてくれる究極のチルアルバム。合言葉はチルせんけ。裏千家総本山千利休もチルアウト。


33位 Parannoul「To See the Next Part of the Dream」

いつからだろう。

存在しないはずの、あの夏の記憶が夢に出てくるようになってしまったのは。


僕はいつも夢にうなされながら起き、生活をし、そして寝る。なんら普通の日々を送っていた。でも記憶の奥底に忘れられない、それはまるで非日常のような夏の記憶が蘇る。やがて夢は日に日に形を明瞭にして行き、存在しないはず記憶が普通の日々を蝕んでいく。

僕はいてもたってもいられなくなって、自転車をかっ飛ばした。田舎の田んぼ道を抜け、ラーメン屋→中古車取扱店→安っちいラブホのデカい看板というループを繰り返す国道を抜け、気付いたら海に着いた。したたる汗を拭い、自販機で買った三ツ矢サイダーを流し込み、僕は砂浜でiPodを再生しようとした。



???「なに聴いてるの?」

僕の記憶の中に眠る"あすか"がそう問いかけてきた。

僕「Parannoulの『To See the Next Part of the Dream』というアルバムさ。僕にとってかけがえのない10代の夏のあの頃を思い出させてくれる名盤だよ。」

あすか「違うよ、君にそんな記憶など存在しない。なぜなら君はこのアルバムが出た時点で20代になっているから。」

僕「嘘だ!たしかにParannoulのこのアルバムは、全編DTMによる不完全なプロダクションだけど、その不完全さが故の歪な美しさがとても愛おしくあること。そしてFrank Oceanの「Blonde」によって定義された完璧な夏の終わりに対して、初夏の希望と鬱屈を描くというカウンターを示したことで多くの少年少女にギターを握らせようとしたんだ!それは僕も同じで、まるでなにもかもが無敵だったあの頃にこのアルバムを聴くことで少しだけ戻れた気がするんだ!存在するはずなんだ...あの夏の記憶が...」


あすか「でも存在はしない夏ということは残念なことに事実だ。偽りの記憶だ」



あすか「でも君は今を生きていて、そしてまた新しい夏をこのアルバムによって記憶したんだ。それは愛の強さや、恋の魔法や、残した夢の続きじゃなく」


僕「...帽子の向こうで息を飲まれては」

あすか「うぉぉぉいおういぇぇへぇええい(コーラス)」


僕「ひとり空に見送った」




僕&あすか「あの夏ゥ〜♫」


飛鳥「あんたバカ?」


32位 Prefab Sprout「From Langley Park To Memphis」

親戚の結婚式がディズニーリゾートにあるシェラトングランド東京ベイで行われる時に聴くと最高なアルバムですね。この大人な味わいの爽やかなポップス感覚がいつ聴いてもたまんねえな。


31位 Subsonic Eye「Strawberry Feels」

修学旅行はシンガポール、プライベートで唯一行った海外旅行もシンガポールという、シンガポールを愛し愛されるわたすが好きなシンガポールインディーシーンの雄ですね。個人的にシンガポールでおすすめの観光スポットはセントーサ島にあるメガジップスライダーと、スカイラインリュージュというゴーカートみたいなソリはめちゃくちゃ楽しいです!


30位 Foo Fighters「Wasting Light」

人生で初めて買った新作のCDというのがこのアルバムでしたね。フーファイターズの中でもスタジアム映えしそうな曲だけで固められてて、どの曲も強度の高いものばかりだから今聴いても楽しい。


29位 Galileo Galilei「Sea and The Darkness」

初めての好きなバンドの解散というのがGalileo Galileiで、一応表向きはバンド名を変え新たなバンドに変わるということだったが、解散発表から程なくしてリリースされたこのアルバムを聴いた時、むしろ海外のドリームポップと邦楽の融合という命題を課されてたバンドが提示した答えがこのアルバムなんだと思った。だから解散も不思議と納得がいったし、"このアルバムはクソだ、嘘だよ"という皮肉めいた歌詞も圧倒的な自信の裏返しなのだなと感じた。


28位 KID FRESINO「ai qing」

これを初めて聴いた時はぶっ飛んだわ。徹頭徹尾"カッコいい"を貫いていて、ポストロック仕込みの研ぎ澄まされたサウンドプロダクションと、もはや川の流れのように軽やかに音の気流に乗るフレシノのラップ、なによりヒップホップ疎いマンの俺に国産ヒップホップおもれ〜って教えてくれた作品。


27位 The Smiths「The Queen Is Dead」

スミスの音楽は絶望の音楽だ。若者の先行きの見えない未来を笑えないジョークとユーモアで皮肉ってるわけだが、このアルバムのハイライトとも言える楽曲に"絶対に消えない光がある"と彼らにしては珍しく希望を見出している。それがこのアルバムが傑作たる所以なんじゃないかな。


26位 The 1975「A Brief Inquiry Into Online Relationship」

実は初めて聴いたのはめっちゃ早朝にバイト先に向かう電車の中で聞いたので、意外にも最初の印象はぼやぁーとした印象しかない。でもその後じっくり聴いていってこれもしかしてすげえ傑作じゃね???ってなって、Twitterの評判見たらやっぱこれ名盤じゃんねえ???ってなって、サマソニ2019でライブ見てこのアルバム最高じゃん!!!!!ってなったどんどん好きになっていったアルバム。FIELD OF VIEWっぽく言うと、DON DON 心魅かれてく、何気ない素晴らしさに振り回されてくSeaside Blue、今でもABIIORに夢中なの。


25位 Milton Nascimento「Clube Da Esquina」

ブラジル音楽に目覚めるきっかけとなった作品。去年Twitterの音楽オタクが有志となって行った非英語圏オールタイムベストアルバムの1位となった作品で、当時ワールドミュージックに疎かったのもあって不参加だったこともあり、これを機に勉強してみようと思って聴いたらMPBの緩い感じと、ミルトンナシメントのふくよかでスッと入ってくるボーカルに心掴まれて一瞬で好きになりました。


24位 Radiohead「OK Computer」

23年間生きてきた中で最も理解するまでに時間を要したアルバム。詳しい経緯などは別の記事で触れているのでそっちを見てほしいが、理解するのに時間を要したのと同時に、理解できなかった音楽が理解できた瞬間の快感を教えてくれたのもこのアルバム。


23位 Thundercat「Drunk」

ベースという楽器が鳴らすあのぶっとくて深い音が好きだ。Thundercatは自分が歌えるということもあって、非常にベースを発声に近いエフェクティブな楽器で鳴らす。これがとても良い。楽曲も非常にチル。これもまた良い。そしてThundercat自身が空間を完全に掌握する名ボーカリストである。これがとてつもなく良い。


22位 U2「WAR」

今まで見てきた中で記憶に残るライブを3本選べと言われたら、間違いなく19年のヨシュアトゥリー再現ライブを選ぶ。あれは凄いライブだったし、ヨシュアトゥリーが傑作であること、U2という最強のスタジアムロックバンドが多くの名曲を残してきたことがわかるライブだった。だがそれを持ってしても、U2が一番ロックバンドとして最強だったのはこのアルバムだと思う。背水の陣の如くギリギリの状況で、若き日の彼らが本当のヒーローになる瞬間を収めたとんでもない傑作だ。


21位 Mac Demarco「Salad Days」

この唯一無二の圧倒的ゆるゆるさ。どうしようもなく何もしたくない日とか、やるせなくて仕方ない時とかに全身でいつも受け止めてくれる作品なので、このアルバムを聴いてる時は大体溶けきっている。


20位 The 1975「The 1975」

わたすがちゃんと音楽を聴き始めた時というのは、オアシスは解散してるし、EDMがなんか流行り始めてコールドプレイがそれに乗っかったり、アクモンがちょい悪おじさんになりつつあったりと、圧倒的主役がロックシーンにいないみたいな状況だったんですよね。で、イギリスもロンドン五輪とかあってクラシカルなガレージロックが主流だった中で、80sというあまり誰も取り上げなかった時代の音楽をピックアップし、それをうまく10年代の解釈で取り上げたのがThe 1975。その頃はそんな難しいこと考えていなかったけど、なんとなくこのバンドならなにか現状を打破してくれそうと淡い期待だけは抱いたのを今でも鮮明に覚えてる。


19位 Earth, Wind & Fire「 That's The Way Of The World」

朝は「Reasons」、昼は「Shining Stars」、夜は「That's The Way Of The World」とずっとEW&Fばっか聴いていた幼少期わい。もはや父がモーリスホワイト、母はフィリップベイリーぐらいの近しい感覚で聴いていたので、恐らく一番体に染み付いている音楽はこれ。


18位 George Clanton「Slide」

本当に俺の好きな音しか鳴ってないアルバム。ヴェイパーウェイブというスクラップに近い音楽が、こうして作り手自らがボーカルを取って意思を持ったこと音楽となったことで強烈な説得力を感じる。そしてサウンドが終始かっこいい。


17位 Slowdive「Souvlaki」

Souvlaki
あぁSouvlaki
Souvlaki
三代目齋藤飛鳥涼「端の太道」より

最高最高最高シューゲイザーです。2月に京都行った時に嵐山にある天龍寺という寺の庭園でこのアルバムに入ってる「When The Sun Hits」を聴いたんですけど、少し日が落ち始めたタイミングで揺れる竹林を眺めながら、こうやって好きな音楽を素晴らしい風景を眺めながら聴けるなんて俺は良い人生を送ってるんだなと感じた所存なのです。


16位 フィッシュマンズ「LONG SEASON」

これもまた存在しないはずのあの夏の記憶へと誘ってしまう、身体性の有無を巡って揺れ動く究極のドリームポップ。去年の6月に等々力渓谷をこれ聴きながら練り歩いた時は、ジメッとした等々力渓谷の空気感とマッチして最高だったな。


15位 The Beatles「Rubber Soul」

なんだかんだビートルズの作品で一番聴いた作品なんじゃないかな。次作「Revolver」なんかと比べると音もシンプルで、凄くシックでマッドにまとまった印象があるけどどの楽曲も良いよね。ところで「ひとりぼっちのあいつ」は楽曲もジャングリーで素晴らしいこともさることながら、邦題がビートルズ作品の中でもダントツでセンスあって良いよね。


14位 Roosevelt「Roosevelt」

Rooseveltに関してはYouTubeのアルゴリズムが無ければ出会わなかったであろうアーティストで、その時はこれの一個前のEPに入ってた「Montreal」のMVを契機にハマったんだよな。そこから少し経ってSpotifyのサービス開始でふと検索かけてみたらアルバムが出てるということで、そっからはずっとこの作品のどこかレトロなサイケっぽさと10年代シンセポップの良いところを煮詰めた音楽性に美味しいヤミー感謝感謝またいっぱい食べたいなデリシャ、シャ、シャ、シャ、シャ、シャ、ハッピースマイル!になっちゃったわけよね。


13位 The La's「The La's」

今後何百年も先の未来においても語り継いでいきたい永遠のエバーグリーン。The La'sは中3の時にスペースシャワーでMVを見て知ったんだけど、一時期愛聴し過ぎててテストの前日とかに徹夜する時、3時間ずっと「There She Goes」ばっかかけて勉強するとか狂った行動に出てましたね。そんなことばっかしてたので肝心の暗記科目とかでも、脳裏に蘇るのは墾田永年私財法ではなくThere She Goesと言った様に...。


12位 My Little Lover「evergreen」

大学1年の時に90年代のJ-POPを勉強しようということで色々漁ってた中で、95年のマイラバひょっとしてJ-POPの最高傑作なんじゃね?って結論に至りまして。小林武史が提示する普遍的なサウンドプロダクションという点では親しみやすさのサザンや、大衆のためのミスチルのイメージがあるけど、その音像が持つ可能性を何倍も拡張したのはakkoの少年のような素直な歌唱によるところが大きい。ポップスとして100点満点の大傑作で、大学1年の夏に愛聴してた一枚だ。


11位 Tyler, The Creator「IGOR」

それまでヒップホップ疎いどころか、何度もチャレンジしてみてもしっくりハマらなかった筆者だが、大学2年生の時にこのアルバムがそれまでの価値観をコペルニクスばりにひっくり返した。サンプリングの面白さとかポップでメロウな楽曲に意図的にノイジーに仕立て上げたチープな音像、なによりヒップホップという音楽が持つ圧倒的な自由さに大きな衝撃を受けた一作だ。


10位 Oasis「(What's The Story) Morning Glory ?」

俺にとっての永遠のアイコンがリアムギャラガーという男だ。少しでもリアムのようになりたくて、ガニ股で踏ん反り返って歩こうとしたり、彼の展開するブランドの服も買ってみたり、美容室で95年のグラストンベリーの時の髪型にしてもらうよう写真を見せたりもしたが、どう頑張っても俺はリアムギャラガーになれない。いくら挙動を寄せようとしても、あの声には絶対になれない。少し時が経ってネブワースのドキュメンタリーを見た時、映画館の音響から聴こえるリアムの声を聴いた瞬間その迫力に圧倒された。生じゃない映画からの音なのにあまりにも説得力があったからだ。その時自分はここまで人をねじ伏せることができる声には絶対なれないと思ったし、同時にリアムギャラガーの声というのは世界を突き動かす声なんだということが痛いほどよくわかったのだった。


9位 Frank Ocean「Blonde」

なぜかこのアルバムに関してはリアルタイムで聴いてた。当時はヒップホップとかもそこまで素養も無かったし、なんなら向こうのシーンのことなんて全然興味も無かったけど、多分YouTubeのアルゴリズムかなんかで違法アップされたフルアルバムを聴いたんだと思う。初聴で全ての全貌がわからなかったし、なんなら今でもこのアルバムの本質的な部分を完全に理解出来てるとは言い難い。だが一つだけ言えるのは当時高3の自分にとってあまりにも特別な夏の終わりのBGMであって、まるで好きだった女の子がある日突然髪を短くして大人になってしまったようなあのほろ苦い感覚がこのアルバムにはあるってこと。


8位 Prefab Sprout「Steve Mcqueen」

高3の春くらいに当時付き合ってた彼女と別れて、そしたら実はバスケ部の塩顔と浮気してたっていう噂が出てきて激凹みしてた時によく聴いてた作品。パデイマクアルーンとウェンディスミスの破局がダイレクトに音像に出てるこの作品は、当時の自分の心境にグサグサ刺さりまくってしまって、一時期この作品を一通り聴かないと寝れないみたいな状況にまで陥った。だからこのアルバム本来の素晴らしさに感銘を受けてるだけじゃなく、色々な苦い思い出も込みで忘れられないアルバムだ。


7位 Galileo Galilei「ALARMS」

本当に大好きなアルバムだ。Galileo Galileiの持つ青臭さがこれでもかってぐらい前面に出てて、それを海外由来の幻想的なドリームポップで奏でてる。それでいてこのアルバムは"君と僕"という関係性を一貫して歌っていて、ありったけの愛に溢れたとんでもねえラブアルバムなんだよ。愛を〜〜〜〜。


6位 ASKA「KICKS」

ポップスターの狂気性がここまで前面に出た作品も珍しい。この人の場合は元々過剰なサービス精神と、ダイナミックな音楽性が狂気的に聴こえるとこがあったけど、オルタナにガッツリ寄ったことでもはや手がつけられないレベルのヤバさが滲み出してしまった。自分もかなりポップな音楽をやってるイメージがあったので、逆にこのダーティーでおどろおどろしいロックスター然した音楽がカッコいいと逆に感心した。


5位 The 1975「Notes On A Conditional Form」

新譜を聴くという行為において、あそこまで胸を昂らせた経験は今のところこのアルバムを超えるものは無い。次々と違うタイプの楽曲が飛び出し、どれもが高いクオリティを有している。もはや彼らに出来ないことは何も無いのではと思わせる一方、今作ではコラボを取り入れたりと人との繋がりをしきりに歌っている。そんな堂々巡りの旅の最後が「Guys」という帰結なのがあまりにも愛しい。はっきり断言するが、このアルバムはあと10年くらい先に混迷の時代のサウンドトラックとしてすごい立ち位置にいると思うよ。


4位 My Bloody Valentine「Loveless」

最初に聴いたのは車のステレオなんだけど、車の走る音にボーカルがかき消されたぼんやりとしたノイズだけが聴こえるという状況でなにがなんだがわからなかったんだよね。だからこのアルバムを理解したくて擦り切れるほど聴いてたら、気づいたら幾重にも重なったノイズの嵐の住人と化していた。そして今もまだWhen You Sleep...


3位 NUMBER GIRL「School Girl Bye Bye」

ここからの3枚は自分の音楽観の根幹を決定付けたアルバムたちだ。ギターロックという音楽が好きになったきっかけはナンバーガールで、テレキャスターとジャガーのジャキジャキとした金属質でキレのあるギターサウンドはいつ聴いても楽しい。このアルバムはまだまだ彼らのスタイルが確立される前の作品だが、サモトラケのニケのような不完全な美学がそこにはあり、向井秀徳が紡ぐ自転車で突っ走りたくなる晴れやかな青空のような楽曲は気付いたらなんとなく夏にさせるOMOIDE IN MY HEAD状態。まさに水色革命、夢かもね。


2位 Wild Nothing「Nocturne」

俺が哀しきドリームポップおじさんになってしまったのは、YouTubeがこのアルバムをおすすめ欄に猛プッシュしてきたからだ。このアルバムはいつ聴いても幻想的なフライトへ誘い、見たこともないような景色を見せてくれる。ちょうどこれにハマった時期にシンガポールに修学旅行に行ったんだけど、行きの機内の中でまだ見ぬ異国の地へ思いを馳せながらイメトレをしていたな。


1位 Radiohead「Kid A」

音楽の聴き方そのものを変えたアルバム。音を楽しむと書いて音楽ってのはこういうことか!?っていう考えになったというか、一つ一つの音がこのタイミングでこの音じゃ無いとダメっていうところで正確に鳴るのが聴いてるこっちとしては楽しくて仕方なくて。まるでテトリスのように構築されている楽曲群を聴くことで、ただぼんやりと音楽を聴くのではなく、全ての音がどういうニュアンスで鳴らされているのかっていう細かい視点から聴き込もうっていう新たな視野をもたらした自分史において重要な位置を占める一枚だ。


いかがだったろうか?

まあある意味自己紹介に近い記事だったんじゃないかな。皆さんの自分史観も見てみたいものです。

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