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会社員だからって、匿名の人でいなくてもいいと思うの

mi-molletの大森編集長が退任されたんだね。
由香に教えてもらうまで知らなかった。

大草直子さんのような、カリスマ的で名前の知れた人のあとに、編集長になるというのはとてもプレッシャーのあることだったと思うけど、
由香が言うように、自分が大草さんとは違うというのをあえてさらけ出して、自分のパーソナリティを見せて編集してらっしゃったというのは、とても素敵なことだよね。

雑誌の編集者って、出版社に所属している限り、やっぱり一会社員であるっていう立場じゃない?
私たちも以前はそうだったわけだけど。

そうなると、どうしても組織の中で、匿名の人になる感じがあったと思うの。

雑誌にはスタッフクレジットと言って、それぞれの企画に、カメラマンやスタイリスト、ヘアメイク、モデル、ライターなど、関わった人の名前が記載されるよね。
由香がこれまでやってきた雑誌がどうだったかわからないけど、私が携わった多くの雑誌の場合、その出版社に属する社員編集者だと、企画に自分の名前がクレジットされることはあまりなかった。

ただ、雑誌全体のクレジット(目次や編集後記のページなどに入る場合が多いかな?)に、社員編集者の名前は掲載されていたかな。
そういえば、新入社員で最初に自分の名前をそこに載せてもらえたときは、ものすごく嬉しかった。
「憧れていた雑誌に携わる一員になったんだな」ってすごく思ったんだ。

仕事のモチベーションって、実はそういうのがけっこう大事なんだと思うの。
「ここに自分の名前が記されるから、恥ずかしくないようなきちんとしたものを作ろう」と思って、それぞれの仕事をしている人、多いと思う。

だから、社員編集者の場合に企画に名前がクレジットされないなら、誰がその企画の責任者かも明確にならないわけだし、
もちろん、良い企画だったときにも、見てくれた誰かに自分が作ったことが伝わらないわけだし、
そういう意味で、なんとなく寂しいし、モチベーションも上がらないんじゃないかな。
そして、責任を取るっていう気持ちも少し薄くなっちゃうんじゃないかな。

そうそう、組織ってもちろんありがたくて、例えば私が何かミスをしても、すべてが私個人のせいにはならず、組織が守ってくれるわけじゃない?
そういう良いところももちろんあるんだけど、その分、自分の功績も個人のものではなくなる。
どっちがいいかは難しいね……。

でも、mi-molletの大森元編集長のような形で、組織に属しながらも自分というパーソナリティを表現していくのは、これからの会社員のやり方として、とても希望が持てるスタイルなのかも。

これまでの会社員って、匿名で、いつでも誰か別な人に変えが効く人っていうのが一般的で、工場で作られる既製品みたいなイメージで、社会がそういう形を求めていたと思うけど、
そうじゃなくて、もっとそれぞれの個性を生かして、それが組織のためになるっていう形になっていくといいな。

もしよかったら、由香がこれまでいくつかの会社を経験してきて感じたことと、フリーランスになって数カ月たった今感じていることを教えて!


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