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ヒーローインタビュー

むかし私が信用金庫で営業係をしていて頃、仕事後の飲みの席で先輩が言いました。

「横溝、やっぱりな、ヒーローインタビューのお立ち台に立つような仕事をしなくちゃダメなんだよ。」

その場は飲みの席ですので、その先輩がどの程度本気で話した内容なのかは定かではありませんが、私はその言葉が今でも頭に残っています。

私自身、いつかヒーローインタビューのお立ち台のような席で、インタビュアーからマイクを向けられて「横溝さん、今の感想を一言!」なんて大歓声の中で言われてみたい。

「今年のヒーローインタビューは…」「今月のヒーローは…」「今日の…」どんな形であれ、自分のパフォーマンスを誰かが見ていてくれて、人の心を動かせたとしたらとても嬉しい。

ガッツポーズなんかが自然と出るような仕事も楽しいですよね。

絶対ピンチの状況から、粘りに粘った後での一発逆転ホームラン!のような仕事。仲間うちみんなで自然と湧き上がる歓声とガッツポーズ。仕事の中に、たまにそんな瞬間があるような環境はとても素敵なことだと思います。


私たち税理士の仕事でヒーローインタビュー級またはガッツポーズ級の仕事はと考えてみると、ヤバいと思っていた法人の税務調査を切り抜けた、相続税で多額の節税を成功させた、銀行のリスケ交渉を無事に終わらせた、などなど感動ものの場面に立ちあったり、その場面を作り出せた経験もあります。

ただ基本的には地味な仕事ではあるので、ガッツポーズならまだしも、ヒーローインタビューを受けた税理士などと言うのは見たことはありません。

皆様のお仕事はいかがでしょうか?

私は、税理士と言う仕事をヒーローインタビューやガッツポーズがやれるような仕事にしたいと本気で今でも考えています。

では、自然と心から出てしまうガッツポーズであったり、周囲の方が自然に集まりヒーローインタビューをしたくなるような環境というのはどのような時に生まれるのでしょうか?

これはやはり「感動」という要素が必要だと思います。では感動が生まれるような仕事というのはどのような仕事なのでしょう?

商品またはサービスには、ニーズとウォンツという2種類があると言われています。ニーズというのは必要性に駆られて時として「仕方なく」買うもの。車検などがこのニーズにあたる商品です。

一方ウォンツはと言うと、抑えられない気持ちに駆られて衝動的に買ってしまうもの。ベンツを買う人はニーズではなくウォンツに駆られて購入しています。

そう、感動を呼ぶのはニーズとウォンツで言うとウォンツの商品サービスです。ニーズはその人の不安や不満を埋めてくれてる側面はあるものの、その不足を埋めても人はなかなか感動はしてくれない。「あって当たり前」のものとして重宝されるものです。

そしてこのニーズというものは、かつての高度成長期の時代と違って、今は世の中の不便、不満、不安が取り除かれつつある状態であり、その意味でニーズを埋める商品やサービスは一定の割合でその役割を終えていると言っても過言ではありません。

これからの時代に求められるのはウォンツの方。すでに不便、不満、不安は解消されてきている中で、より自分の趣味趣向にあった自分だけの商品またはサービスが重宝されてくると言われています。

と考えていくと、これからは世の中にウォンツの商品またはサービスが溢れてくることで、ガッツポーズやヒーローインタビューが世の中で多く見られる世界が待っているのではないかなと個人的に期待しているところです。

世の中がそうならないのであれば、自分がそうして見せる、と少々青臭いことも考えながら今日も確定申告を進める毎日です。


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