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古のバンコク、郷愁のショッピングモール

バンコクの王宮などがあるエリアと中華街(ヤワラート)の間に、「オールドサイアム」という名のショッピングモールがある。インド人街の「パフラット市場」から程近い場所だ。

僕はこの「オールドサイアム」というショッピングモールがとても好きだった。シーロムの近くのサムヤーンに住んでいた頃は多くて月2、3回は足を運んでいたほどだ。

どうしてそんなにこのショッピングモールが好きだったのだろうか、と考えてみると、このショッピングモールに過去のバンコクを見ていたからなのかもしれないということに気づいた。

どういうことかというと、このショッピングモールが現代バンコクのサイアムにあるような、最先端のショッピングモールなどとはかけはなれているのだ。つまり非常に古風なのである。

建物は確か4階建てくらいで、そう高くもなく、広さもそこまでない。内部には様々な店が並んでいるが、どことなく寂れているような印象を受ける。

時折シャッターが閉まっている店も見かける。壁が色褪せていたり、フロアが薄汚れていたりと、決して煌びやかとは言えない状態にある。

いい意味でローカル感が強く、観光客よりも地元の方の利用のほうが多い様子を感じ取れる。来客数は多くもないが、少ないわけでもない。地域に根付いたショッピングモールなのだろう。

中華街や王宮周辺を散策していると、思いのほかデパートやスーパーがないことに気づく。そのような中、エアコンの効いた涼しい空間で、さらに比較的きれいなトイレまであるこの「オールドサイアム」が、まるでオアシスのように感じたこともあった。

1階の催事場のような開けた空間では、タイの食べ物を出す店がたくさん出ていて、この一角だけは常時多くの人で賑わっていた。

冷たい飲み物を買ったり、甘いタイのお菓子を買ったりして、ベンチで休憩するのにも持ってこいの場所なのだ。 マクドナルドやKFCもあるので、ゆっくり店内で休憩することもできる。

「オールドサイアム」の名の通り、近代的なバンコクの街並みにちょっと疲れたとき、古のバンコクへ時間旅行をしてみたいと思ったとき、ここに来ると郷愁に駆られ、心地よい癒しを得られるはずだ。

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