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【本要約】日本が衰退する理由は〇〇にある「テクノ・リバタリアン」

いきなりですが、日本の衰退理由は思想にあります。アメリカではイーロン・マスク等、様々に世界的な有名人が取り上げられますが、そこには根本となるある思想があります。

こんにちは、けいごです。

イーサリアム、チャットGPT、スペースX・・・。
何故日本ではそのような技術が生まれないのでしょうか? そして、それを生み出した人たちには、一体どういった共通点があるのか。

本記事では、テクノロジー技術を生み出す人達の共通点を導き出し、その人達が「描いている世界」をまとめている本「テクノ・リバタリアン」を紹介します。


4つの政治思想

まず前提として、リバタリアニズムとはなんなのかを説明する必要があります。
説明を容易にするために、他の思想との「比較」をしてリバタリアニズムがなんなのかをまとめます。

本書で取り上げる、「正義」を巡る4つの思想は以下です。

  • リベラリズム(左派)

  • リバタリアニズム

  • 共同体主義(右派)

  • 功利主義

これらの思想をアメリカの道徳心理学者のジョナサン・ハイトの道徳基盤に当てはめます。ジョナサン・ハイトは、全ての道徳は善悪の2つに分かれており、基盤があるとしました。本書で紹介している思想においても整合性がとれます。

この6つのうち、「善」の道徳基盤は以下です。

安全、公正、忠誠、権威、神聖、自由

この6つを本書で紹介した4つの思想に振り分けていきます。それぞれの思想が重視するものを振り分けると以下になります。

  • リベラリズム→公正

  • リバタリアニズム→自由

  • 共同体主義→神聖、忠誠

  • 功利主義→自由

まずは「安全」に関しては、全ての思想で重要視されているので、ここでは省きます。

これらの要素に沿って、シンプルに説明します。

  • リベラリズム:社会保障を重視。福祉的な制度や所得の再分配を望む。

  • リバタリアニズム:個々の自由を重視。能力主義。社会保障は国家が介入しているため、自由を奪っていると考える。

  • 共同体主義:国家による管理・介入を望む。個人よりも共同体が上。お国のために。

  • 功利主義:最大多数の最大幸福。現行の仕組みが幸福を生み出さないなら、他の幸福になる方法を作り出すべきと考える。

因みにリバタリアニズムは、功利主義に該当します。功利主義の中にある思想、という捉え方です。

今回取り上げるテクノ・リバタリアンは、分類すると以下のようになります。

  • クリプト・アナキズム

  • 総督府功利主義

これらの思想を持っている人たちは、どのような世界を理想としているのか。それぞれ、次項から具体的に説明していきます。

クリプト・アナキズム

クリプト・アナキズムは、民主政が自由主義の中でも自由の価値を毀損しようとするなら、民主政を捨てるスタンスをとります。

そして、クリプト・アナキズムは暗号化によって国家の規制のない社会を作ろうとします。

そこで活用されるのがブロックチェーンです。ブロックチェーンは、「中央集権的な組織」がない管理方法になります。
例えばあなたは銀行にお金を預けていると思いますが、それは「銀行」という管理者がいるからです。ここでいうところの銀行は「中央集権」にあたります。

ブロックチェーンでは、このような「中央集権の組織」が不要になります。取引をみんなで監視しているからです。

しかし、そのようなクリプト・アナキストが考えている理想的な世界では、以下のような問題点があります。

  • 個々への自分に対する責任が伴う

  • 秘密鍵(パスワード)を奪われても補償がない

これはどうゆうことなのかというと、この世界では「能力主義」ということが関係しています。

能力主義ということは、極端な話、ハッカーがあなたの財産を奪い取っても、それはハッカーの能力の高さがあるから仕方のないこと、と捉えられます。

総督府功利主義

総督府功利主義は、テクノロジーの力で社会を最適化しようとします。この場合も、民主政が、幸福の最大化の邪魔になれば、それに変わる統治が選ばれる可能性があります。

リバタリアンは、左派的な「公正」よりも「自由」を重視するため、国家による企業の救済なども否定します。それは、政府の権力の肥大を意味するからです。

このような状況で、政府の介入がない世界で「自由」を重視した社会を作ろうとします。それが、以下のような場所です。

  • サイバースペース(インターネット)

  • アウタースペース(宇宙)

  • シーステディング(海上自治都市)

例えば、イーロン・マスクは、アウタースペースで火星空間への移住のプロジェクトを進めています。これは、国家介入しない場所と考えることも出来ます。他にも世界にはシーステディングの例もあります。

これは、リバタリアンが国家の統治から離れ、個人の自由を重視した世界を築くためかもしれません。

そしてこのような世界では、「自由を上手く活用できる人」のみしか生き残れないことになります。

それはユートピアかディストピアか、あなたはどう考えるでしょうか?

あなたはどう考えるか

「クリプト・アナキズム」や「総督府功利主義」の説明を読んで、日本人であるあなたはどう感じるでしょうか?

年功序列で社会保障が整っている日本では、能力がない人でも、生きていける仕組みがあります。

一方で「クリプト・アナキズム」や「総督府功利主義」を尊重するということは、例えば年功序列制や社会保障を全て無くし、個人の能力と自由を尊重するということになります。

これをどう思うかは、あなた次第ですが年功序列で、能力を伸ばさなくても収入が増え、社会保障によって、公正な社会になっている日本では、このようなリバタリアンの思考が浸透しないのは、納得できそうです。

あなたはどう考えるでしょうか?

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