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アスペ改善のために~取り組むべきたった1つのこと~
はじめに ※この記事は約3,000文字(読了所要目安:約4分)です。
sakurakoさん@sakurako_iroha との会話で、発達特性と付き合うコツが、脳内に降臨す。ツイートかnoteにまとめるかしますね。
— あすぺるぱぱ@アスペ脳内解説 (@ASD_banker_2019) June 12, 2020
巷で「ASDが気をつけるべきポイント5つ」とか、「〇〇を改善するための7つの方法」とかよく見かけるけど、そんなに幾つも気を配れる位ならとっくに改善してるわ。笑止千万。
過去に、Twitterでこんな投稿をしました。
『発達障害』の特性を軽減するために、巷にはたくさんのノウハウや改善法が語られています。確かによく纏まっているとは思いますが、ポイントを「3つ」とか、「5つ」とか挙げても常にそれを見ながら言動出来るわけでもないですし、中々難しいと思います。
文中にある「sakurakoさん」を始め、Twitterで私と同じ『発達障害』当事者の方や非当事者の方、いわゆるカサンドラの方、など色々な方々と絡ませて頂いて、見えてきた一つの事実があります。
その一つの事実に基づいて、たった1つの事に気を付け取り組められれば、特性を少なからず軽減できる可能性が、十二分にあると思っています。
もちろん人によって『発達障害』特性の出方や強弱は全く違いますし、考え方・感じ方についても同様です。ここに書いた事が全てだというつもりは毛頭ありませんが、脳内に降臨してきた事をこの記事で書きたいと思います。
特性について
まず確認しておきたいのが、『発達障害』(ここでは特にASD(自閉症スペクトラム障害)、アスペルガー症候群)には社会生活を営む上で障害となる、色々な特性があります。
大きく分けて3つの要素があり、「コミュニケーション力」「社会性」「想像力」の欠如が大きな特徴として語られることが多いですが、簡単に箇条書きすると、以下の通りです。
・相手の気持ちがわからない
・空気が読めない
・曖昧なことが理解できない
・言葉を文字通り捉えてしまう
他にも
・強いこだわり
・感覚過敏
・常同行動
・過集中
・不測の事態に弱い
・運動や細かい作業が苦手
など。
他にもありますが、ここでは割愛します。
後者は、無意識の下に起こる生理現象の一種と思いますので、例え訓練などをしてもなかなか変えることは難しいと思いますが、前者については、コツを掴めば、多少なりとも改善できる可能性はあると思っております。
「自閉症」の視点と「俯瞰」の視点
一口にASDと言っても、冒頭述べたように一人ひとり千差万別で、その中でも比較的社会性が高いと言われる方々には、共通する点があります。
一言で言うと、「俯瞰で自分を見ることができるかどうか」です。
ASD(Autism Spectrum Disorder)は和名で「自閉症」スペクトラムとも言われるように、自分の内面に閉じこもりがちになってしまうという特徴があります。逆に言えば自分の内面とはきちんと向き合え、深く考察でき得るという事でもありますが、「自分」という視点に囚われるがゆえに、前述のコミュニケーション上の障害が起こりやすくなってしまうといっても過言ではありません。
では、「俯瞰」の視点をどうやって獲得すればいいのでしょうか?
コミュニケーションを円滑にするためには、どのように気を付ければよいのでしょうか?
よくある「相手の気持ちになってみる」について
#アスペ脳内解説
— あすぺるぱぱ@アスペ脳内解説 (@ASD_banker_2019) June 11, 2020
「発達障害は相手の気持ちを考えられない」これも発達特性解説等でよく取り上げられるものだが、表層でしかない。
正確には、「相手の気持ちは考えられるが、あくまで自分の立場からしか考えようとしない」のであって、自分中心の視点からしか考えられず、自分の感情が優先される。
相手を考えても失敗する…という当事者は、恐らく違いが分かっていない。
— あすぺるぱぱ@アスペ脳内解説 (@ASD_banker_2019) June 11, 2020
簡単に文字化すると、「〇〇と言いたい→私なら許せるな→じゃあ言っても良い」。私なら…以下の判断が間違ってる。だから、何でそんなこと言うの?相手の指摘に、「私なら怒らないのに」と逆ギレする。
平たく言えば自己中。
蛇足かも知れないが
— あすぺるぱぱ@アスペ脳内解説 (@ASD_banker_2019) June 12, 2020
付け加えておくと
「相手の立場に立ってみる」は
『相手が』どう感じるかを考える
であって
相手の立場を『自分』に置き換えて、『自分』がどう感じるか考える事ではない
主語が違う
相手≠自分
これをきちんと骨の髄から認識できると、発達由来の特性が、軽減される事だろう
よく「相手の気持ちになってみる」ことが大切と説かれますが、定型発達にとっては比較的容易な事であったとしても、『発達障害』当事者にとってはとても困難な事であったりします。
上記のツイートにも書きましたが、相手の事を考えるようとしても、自分の視点に囚われてしまっている思考回路が理解して頂けると思います。
では、本件記事のタイトルの通り、「たった一つ」の取り組みで、どのように解決できるのでしょうか?
「自他境界」について
精神分析学では「自他境界」という用語を使いますが、「他者」を認識して意識し、明確に区別することがコミュニケーション上とても大切です。
『発達障害』の場合、その「自他境界」が曖昧になってしまい、人間関係の継続や発展が非常に難しくなってきます。
良くまとまっているサイトがあったので張っておきます。
因みに、『発達障害』の特性は色々な出方があり、必ずしもみんながみんな「自他境界」が曖昧なわけではありません。私もそうですが、「自他境界」が強すぎるケースもあり得ます。
あくまでイメージですが、
「自他境界」が過剰に効き過ぎると「自閉モード」
適度に働くといわゆる「外モード」
「自他境界」が曖昧なのが「内モード」
というと分かり易いでしょうか。
『発達障害』の中でも比較的社会性が高いと言われている人達や、隠れアスペルガーと呼ばれる人たちは、「外モード」を効果的に使えている人なのかもしれません。しかし、「外モード」は本人にとって自然な状態ではないので、過度なストレスがかかり、その反動で「内モード」に戻ったときに、全てのスイッチが切れたようになってしまい、側にいる人に多大な迷惑を掛けてしまいます。
今回は「内モード」が優勢な人への記事と言えるかもしれません。その他の方は、あくまでご参考まで。
たった1つの取り組み
偉そうに語りましたが、要は「自分」ではない「他者」の存在を意識する練習を、いつでもどこでも常にするという事です。
ASDを始めとした「自閉症」傾向がある人ですと、他者とコミュニケーションを取ること自体に恐怖を感じたりするかもしれません。ですから、無理にコミュニケーションをとる必要もありません。
「他者」を意識するという事を、身に着けられれば良いだけなのですから。
例えば、電車の中で他人が何をしているか見てみる、町の雑踏で立ち止まったりオープンカフェや外の見える喫茶店で、歩いている人がどんな行動をしているか見てみる・・・など。
きっと「なんでこの人こんな事してるんだろう?」とか、「変わったことしている人だな!」と思う人が出てくるはずです。いわゆる「人間観察」ですね。別に正解を求めるわけではありませんし、正解は分かり得ません。
きょろきょろしている人を見て「誰かと待ち合わせかな?」とか、鞄をガサガサしている人を見て、「落とし物したのかな」とか、しょうもない事でも構わないと思います。
それを繰り返すと、きっと、「こういう事をする人もいるんだ」と理解できるようになったり、場合によっては「あの人はこういう考えがあってあの行動をしているんだな」と理解できるようになってくると思います。
リアルが難しければ、SNSなどでもいいかもしれません。「なんでこの人はこんな文書を書いたんだろう」「この写真をアップしたんだろう」。
「他者」の行動や感情や思考に触れ、それは自分ではなくてあくまで「他者」がやっている事と意識できてくるようになると、上記の「自他境界」をぼんやりとでも浮かび上がらせてくるトレーニングになると思います。
私自身もコミュニケーション事体は苦手で、自閉傾向もかなり強く、今も昔も友人と呼べる存在はほとんどいませんが、昔から「人間観察」が好きで、待ちゆく人を眺めているのが好きでした。そこで「自他境界」の境界が、強すぎるほど培われた気もします。
良くも悪くも「自分は自分」「他人は他人」。
上記に取り組んでも、必ずコミュニケーション力の改善に繋がるわけではないですし、速攻性のあるものでもないですが、お金がかかるものでもないですし、不要ならすぐ止められるので、是非一度試してみては。
《注意!》我々は相手に過度に注視しすぎると、不快感を与える可能性も高いので、トラブルなどにならぬよう、その点だけはご注意下さい。
※最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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