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「大人の発達障害かも・・・」と気付いちゃった人が、まず最初に読むべきnote【第三者編】

はじめに ※この記事は約12,700文字(読了所要目安:約16分)です。

2020/6/27 記事公開
2020/7/7   記事追記

まず、記事のタイトルの括りで、「第三者」とした事をお詫びしたい。

実は、この言葉の選定には葛藤がありました。

恐らく、この記事を読もうと見て頂いている方は、自分自身以外の発達障害者(疑惑も含む)の言動に悩み、苦しめられ、何とかならないかと、ヒントを掴むためにページを開いて頂いたのだと思います。

あなた方の立場は悩める「被害者」であり、夫婦や家族を始めとした「支援者」でもあり、関わりたくなくても切っても切り離せない「関係者」でもあり得ると思います。

「第三者」では上記の3つではなく「部外者」のニュアンスが強いですが、そのように突き放したつもりはなく、あくまで『発達障害』の当事者ではない「非当事者」という意味でしかないので、どうかお気を悪くされぬよう願います。

それでも、誰かの『発達障害』由来で苦しんでいる方々に向けて、その苦しみを「断ち切り、切り離し、昇華させる」という願いも込めて、敢えて強めの「第三者」という言葉を使いました。

「当事者編」はこちら
大切な前提として、私は発達障害当事者です。
ADHDの確定診断、ASDの濃いめのグレーゾーンの判定を受けています。

そんな私だからこそ、皆さん(特に発達障害の言葉を最近知り、どうすればいいのか、何もわからないまま樹海に足を踏み入れようとしている人)に向けて、私自身の経験談が少しでもお役に立てば・・・という趣旨で執筆しております。

私自身が苦しめてしまった妻とのやり取りや、Twitterやリアルの当事者会で出会った、非当事者の方々とのコミュニケーション・生の声と向き合ってきた経験をベースに、記事を書いております。

ネットには『発達障害』に関して
こんな特性がある、こんな症例がある、これだけ苦しんでいる人がいる、こういうライフハックがある、こういう風に気を付ければいい。」

このような当事者向けの記事は、星の数ほどあるが

じゃあ、発達障害を疑ったとして、当事者に対してどう接すればいいの?私の苦しみはどうすればいいの?今後どういう風に付き合っていくの?」

「非当事者」に向けて、体系的に書かれた記事は、きっと少ない。
(少なくとも私は見たことない。)

選択肢はいくつもあると思いますし、個々の環境により異なってくると思うので、画一的な正解などあり得ません。また、最終的な「正解」はご自身で見つけ出すものですし、ご自身でしか見つけられないものだと思います。しかし、どのようなケースがあり得るか、多くの人たちがどのように考えているか、知りたくてもセンシティブな話題なので、中々他の人とも情報共有できないですよね。

きっと、どうすればいいかわからず、吐き出せず、苦しんでますよね

ですので、少しでも、みなさんの次のアクションのヒントになればと、この記事を執筆するに至りました。

ひとつ、私がTwitterで実施したアンケートをご紹介します。

相手がASD(『発達障害』の一種)と確定・または疑いをもって、非当事者の約6割が絶望を味わっております。その絶望に立ち向かっていける人もいれば、その場で立ちすくんでしまう人もいるでしょう。

周りの人の考え方も参考にしながら、自分が今後どうしていきたいかを決めて頂ければと思います。その一助になりたい、心からそう思います。

※専門家でもない、あくまでいち当事者なので、全て自分の経験をベースに、その他でも収集した情報を加えて書いております。独断、偏見、抜け・漏れ、誤認・勘違い、情報が古いなど多々あると思いますが、ご参考程度に願います。
また、個々の状況・環境が違いすぎると思いますので、余りに細かい話には触れておりません。どちらかというと、「心構え」とか、「対応方針」とか、もっとざっくりとしたものです。「どうやったらうまくつきあっていけるか」を語るようにしているつもりですので、例えば、「どうやったらスムーズに別れられるか?」とか、「職場で上司に認めさせて、やめさせたり飛ばしたりする方法は?」とか、「毒親から逃れることはできる?」とかのノウハウは書いてありません。個別の相談や質問があれば、コメントや、TwitterのあすぺるぱぱのDMなどにどうぞ。

0.まずは準備体操

既にご存じの内容も多いかとは思いますが、誤解の無い様に、改めて非常に簡単に・・・ではありますが、定義を確認しておきましょう。なお、ここでは、書籍の確認やインターネットで検索すればすぐわかるような説明は割愛しますので、別途、検索頂くか、コメント欄でのご質問、私のTwitterアカウントのDMでのご質問などでも構いませんので、ご連絡願います。

『発達障害』とは】
大きく分けてASD、ADHD、LDがあり、コミュニケーション力・想像力・社会性の欠如などが特徴とされる、ASD(自閉症スペクトラム障害)が話の引き合いに出されることが多い

世の中に広く広まっている呼称「アスペルガー症候群」はASDと同義として扱われることが多いが、厳密には異なる。(アスペルガーはASDの一種。)

※この記事上では、テーマを絞って分かりやすくするため、「アスペルガー症候群」を中心に語ります。

尚、私が使用する「アスペルガー症候群」「アスペ」については、巷で使用されるような蔑称・差別的な意味やニュアンスの一切を含んでおりません。

アスペルガー症候群の類型について】

手前味噌ですが、私のTwitter記事を載せておきます。
詳細は、後ほど「2.タイプ別解説」で触れます。

カサンドラ症候群について
アスペルガー症候群の夫または妻(あるいはパートナー)情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉(Wikipediaより抜粋)

相手との情緒的交流がうまくいかないため、何が何だか理由はわからないけれど苦しい、周囲は苦しんでいることを理解してくれないという二重の苦しみの状態にある。この二つの要素が現在のカサンドラを巡る問題の本質になっている(同上)

※夫婦間だけでなく、恋人間、家族間や職場仲間でも起こりえます。
詳しくは「3.シチュエーション別解説」で触れます。

ここの理解に至ることができた私は、本当に僥倖だと思います。これ以上妻を傷付けないように努力する機会を、与えてもらったのですから。

一方、妻にとっては、まだまだ地獄が続きますが。

カサンドラ側が、理由は明確にならなくとも違和感に気付くケースは非常に多いようですが、逆にアスペルガー側自身が気付くことは非常に稀の様です(Twitterの情報も元にした個人的判断)。

そしてアスペルガーは、自覚する事もなくモラハラ的言動を繰り返し、仮に肉体的・経済的苦痛はそれほどはないとしても精神的にゆっくりじわじわと、しかし確実にカサンドラを追い込み、精神的に蝕んでゆく

何とかしてその負の連鎖から逃れて欲しい。

そして、このツイートは心からの本心です。この記事が少しでも皆さんの助けになればと心から願っております。

1.目的別解説
~あなたは結局どうしたい?~【前置き】

いきなりですが、重たい話をします。

「アスペルガーは治りません。」

本人の努力次第で寛解(症状が出ない様抑え込む)を目指すことは出来ますが、完治(症状が全くなくなる)は望めません。なぜなら、病気ではなく発達「障害」なので。

多くは生まれ付きの先天的要因によるもので、生育環境や教育によりある程度は適応したり、矯正される可能性はあるものの、本質が変わるものではないことをご認識下さい。

少なくとも私個人としては、身体障害と一緒で、本質的に健常者と同じになるのではなく、社会で暮らしていけるように何かしらの自助努力に加え、周囲のサポートの上に成り立つものと思っています。

私自身もそうですが、本人が認識して自分を変える努力をすることは出来ます。目的は「特性とうまく付き合っていく事」であり、「特性を完全になくそうとする事」ではない。後者を目標にすると、まず間違いなく失敗します。

前置きの前置きが長くなりましたが、私の持論は

「アスペルガー本人を無理に変えることは出来ない。」
(たとえあなたが努力しても、変われるとは限らない。)

つまり、こう言い換えられます。

「あなたが、変わるしかない。」

当事者からこれを言ってしまうと、単なる開き直りのように思われると思いますし、非常に不快な思いに駆られる方も多いと思いますが、私はこれが真実そのものだと思っています。

誤解の無い様に言っておくと、当事者が変わる必要がない、努力する必要ががないと言っている訳では全くありません「当事者の努力は、当たり前に絶対に必要」です。しかしそれを待ち望み、実際に結果が出るまでに、多くの人は精神が持たないと思います。仮にそれを望むとしても、放棄して諦めるとしても、どちたにせよ自分を守る為に、自ら知識武装をして予防線を張って頂きたいと思います。知識の鎧を付けたとしても、感情を必ずしも守り切れるものではないですが・・・。

1.目的別解説
~あなたは結局どうしたい?~【本題】

前置きが非常に長くなりましたが、【本題】に入ります。

皆さんもお察しかとは思いますが、シンプルに言ってしまうと、以下の3つの方法しかありません。比較的分かり易く、取り組みが容易な方法から順に挙げていくと・・・

A.逃げる
B.我慢する(存在を無視する)
C.共に「特性」を緩和させる働きかけをする

以下、場合分けして解説していきます。

A.逃げる

これは文字通り、「相手と距離を取る」という事です。離婚なのか、別れるのか、絶縁・勘当なのか、場合によっては転居・転職なのか

「なんで被害者の側が折れないといけないの?」そう思う気持ちがあって当然です。しかし、あなたがアスペと正々堂々と戦ったとしても、恐らく真の意味での勝ちは得られません。自覚できていない彼らが、折れることはまずあり得ません(相手がアスペを自覚できていれば別です)。

どんなに証拠を積み上げたとしても、「試合に勝って勝負に負けた」のような結果になるかも知れません。もし戦いを望むなら、泥仕合になる覚悟、精神をすり減らしながら臨む覚悟をすべきと思います。

Twitterなどで見ても、アスペ疑いの旦那が、(妻や子供に対して、今まで1ミリも興味もなかったはずなのに)いざとなるとなかなか離婚に応じてくれない・・・というケースを、あちらこちらで見ます。

また、詳細は「2.タイプ別解説」でも述べますが、アスペは外面が良いケースが非常に多い。あなたがアスペの異常性を訴えても、あなた自身が「神経質」「過剰反応でちょっと異常」との扱いを受ける可能性がある。

よっぽど慎重に外堀を埋めていかねば、あなた自身が自分で自分の首を絞める可能性まであり得ると思っております。

TVの人気ドラマのタイトルでもありましたが、「逃げるは恥だが役に立つ」の精神でいいのかな・・・と、個人的には思っております。

ここからが「特に大事なポイント」ですが・・・

相手のアスペの特性の出方や、生来の性格により千差万別なので一概には言えませんが、目の前では離婚や別れを渋ったとしても、アスペ的思考の人間であれば、一旦「実力行使・強制執行されてしまって、自分の直接的な力が及ぶ、目が届く範疇を越えてしまえば、諦めてしまう」と思います。

そうされてしまうと、アスペは「どうせ何言ってもあいつは変わらない」とか、「あいつが勝手にしたからあいつが悪い」他責的な問題にすり替えて自分の心の中で言い訳を見つけて、落ち着くだろうと思います。もしかしたら、周囲の人にあなたが悪いと言って回るかも知れませんが、あなた自身があらかじめ周囲に根回ししておくか、それも含めて捨て去る覚悟があれば、少なくとも、今の辛い状況からは逃れられると思います。

もちろん、中には元々の性格や気質が執念深くて、ストーカーまがいの事をされたり、「恥をかかされた」と怒り狂って、何かしらの実力行使に及ぶケースも考えられるので、そこを見極めてから行動するのが一番ですが。

アスペはキレると何をやらかすかわからない怖さもありますが、外面はいいという二面性も持ち合わせているので、あまりに自分にとって不利になりすぎるようなことはやらないとも思っています。

自分が壊れてしまってからでは、例え行動しても手遅れになってしまう可能性もありますので、その点、どうぞお気を付け下さい。

参考になるかは分かりませんが。

B.我慢する(存在を無視する)

これも、自分の精神を守る為には必要な行為で、かつ「A.逃げる」という選択肢が何らかの理由で取れない、または取りたくない人のためのチョイスでしょう。

ですが、アスペと一緒にいて共に生活しても、その存在を実質的に無視し、ご自分の精神状態が保てるのであれば、実は恐らくこれが一番ほかへの影響が少なく、現実的な選択肢と言えると思います。

「A.逃げる」とのMIXで、「別居」という方法もあるかも知れません。但し、経済的負担が大きいので、現実的に十分な生活を維持していく事は難しいと思いますが・・・。

相手のアスペの類型や元々の性格によるとは思いますが、恐らく相手のアスペもこの状態が一番心地よいでしょう。端的に言ってしまうと、アスペは自分の事しか考えられないので、否定されることはもちろん許せませんが、強く肯定されないとしてもそれほど気にしないと思います。放っておけばいいのです。

お世辞でも褒めてあげた方が、パフォーマンスも上がりますし、それにこしたことはありませんが、ご自分の精神力削ってまで付き合ってあげることもないかな・・・と、本音ベースでは思います。

因みに、以前私が行った「別れない理由を尋ねる」Twitterのアンケートでは、次のような結果になりました。

まあそうでしょう・・・という結果でしたが、ポイントは最後の「愛情が残っているから」の回答でしょう。22%と、意外と高いですね。

これを選んだ方々は、この記事で言う所の「C.共に「特性」を緩和させる働きかけをする」の選択肢を選ぶかも知れませんね。私の妻もまさにそうだと思います。今も付き合ってくれています。では、次に進みましょう。

C.共に「特性」を緩和させる働きかけをする

この選択肢を選んだあなた、大げさではなく「この世の地獄」を見ることになる可能性が3つの中で一番高いかも知れません。しかし、「高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいもんな(by Mr.Children)」の精神で、乗り越えた時の幸福感は、当然一番高くなるかとは思いますが。

これはもう、シンプルに修行です。アスペ傾向がある事を「本人に」自覚させ、改善すべきポイントを「本人に」認識させ、対策・改善案を「本人に」実行させ・・・をただひたすらに繰り返していくのみです。

※参考まで、アスペ特性の改善に向けた方法論を、別のnote(無料)にて執筆しております。

しかし、正直に、ハッキリ言って、最初のハードルの「本人に自覚させる」という事が、本当に困難です。自覚するには、まず本人が「生き辛さ」と「困り感」を感じ、何らかの対策を講じねばならないと、心の底から体感する必要がありますが、それが出来ずに徒労に終わるケースがほとんどかと思います。

また、本人に指摘しても、絶対に認めようとせず、逆上するケースが多い様です。当事者会などで聞いた話や、Twitterなど見ていても、アスペ側も認めて、共に改善に向かうケースはごくごく少数派な気がします。

それでも努力しようと臨まれる方を心より尊敬しますし、そういう方々を心より応援したいと思っております。

アスペの特徴や困り事、社会で敬遠される要因が書いてある記事は、冒頭にお示ししたとおりネット上に星の数ほどあります。また、それはそばにいるあなたが一番よく分かっている事でしょう。ここでは割愛しますが、先ずはそれらを読み込んで、「本人に」異常性を認識してもらって、同じような過ちをしないように正してあげる、それに付き合ってあげると言う事でしょうか。

また、こちらも手前味噌で恐縮ではありますが、私のTwitterアカウントでも、アスペの思考回路が少しは垣間見て頂ける事と思います。

悲しいことに、恐らく彼らは、そのあなたの努力・苦労に対して、自分の異常性を認識し認めるまでは、1ミリたりとも感謝はしてくれません。むしろ余計なお世話、押し付け、果てはモラハラだと非難することでしょう。

アスペと自覚できていない頃の私は、正にそうでした。私自身は、アスペの特性を十分に抑えられているとは言い難いですが、少なくとも妻の指摘に対して逆ギレすることは先ずなくなりました。感謝しかありません。

そこまで行ければ、完全に「特性」を押さえられなかったとしても、一つのゴールかも知れませんね。

しかし、私自身、妻とのコミュニケーションの違和感を感じ初めて十余年、自分がアスペと認識して、自分が改善すべきという事、妻への謝罪と感謝の気持ちを心の底から持てるようになるまで、そこから一年弱かかりました。全員が絶対にそれほどの期間かかるというわけではありませんが、それほどのスパンを覚悟する必要もあるということです。

どうか、アスペと改善に臨む皆さんが、一日も早く平穏な日々を取り戻せるように祈っております。

以下は、アスペの特徴8箇条です。ご参考まで。

2.タイプ別解説
~どこの星のモノか見極めよ!~

「0.まずは準備体操」でも申し上げましたが、アスペには5つの類型(医学的な分類ではないようですが・・・)があるようです。

ただ、必ずしもアスペ1人につき1つの類型ということではなく、複数がマダラ模様にあったり、TPOに応じてコロコロ変わったりする事もあります。

5類型の説明に入る前に、大事な概念をお話しします。

これも医学的なものではないですし、ネットではまことしやかに言われ続けていることですが、アスペには「外モード」「内モード」があります。

もちろん「定型発達」の方にもオフィシャルとプライベートの顔はあるでしょうが、「外モード」「内モード」の落差はその比ではありません

そこの差こそが、アスペの側にいる人にしか認識し難いものであり、カサンドラさん達が苦しんでしまう大きな要因の一つにもなります。

アスペはそもそもコミュニケーションに障害があるため、他人と接することが不得手です。それでも一定程度、社会生活に溶け込んでいる様に見える当事者は、たとえ無意識だとしても、相当の神経や精神力を削って、疲弊しながらも「外モード」を維持することにより、なんとか社会生活を維持できている状態です。

ですので、気を使う必要のない相手(主に家族)相手には、「内モード」全開ですべての気遣いや遠慮を無くしてしまうので、「親しき中にも礼儀あり」ができません。自己中で、傍若無人に振舞うケースが増えるのです。

「外モード」を知る人物からすれば、「内モード」の落差・酷さが全く想定できないので、あなたがどんなにその酷さを訴えても「気にしすぎ」「考えすぎ」「大したことない」「誰だってそんなものよ」となり、その苦しみを理解してもらえない非当事者の方が精神的に追い込まれてしまう。よくあるパターンと思います。

さて、本題に入りましょう。

5類型を端的に言ってしまうと(もちろん例外もあります)

〇全てを謝絶し外界からの隔離を望む「孤立型」
自閉色が強く、コミュニケーション事体を取ろうとしないタイプ
積極的にパートナーを持とうとしない(包容力のある人が見捨てられなくてそばにいるケースは多いか)

〇自分の感情に蓋をし全てを受け入れるフリ「受動型」
表面上はにこにこおだやか人当たりも良いケースが多い
隠れアスペに多いタイプ
・自ら「こうしよう!」と発案できない、常に受け身
・アスペの中では結婚できている人も比較的多い

〇相手に侵食される前に攻撃が最大の防御「積極奇異型」
・何に対しても積極的
外から見ても異常性が非常に分かり易い
・コミュニケーションは好きだが下手
・距離感ゼロ
・最も嫌われやすいタイプの一つ

〇他者を受け入れる必要がないと高みにいるつもり「尊大型」
・自分はお殿様
、特に立場が同等以下と思う人に対して高圧的
・自分がルール
、異論は認めない
・成功は自分の功績、失敗は他責
最も嫌われやすいタイプの一つ

〇ルール通りだからと自分を納得させ感情を排す「大仰型」
ルールががちがち融通が利かない
・非常に鷹揚で、言動がゆっくり
異常なほどやたらと丁寧でかしこまった言葉遣いや態度
こちらが仲良くなったと思っても距離感が縮まらない
・他と区別がつけづらい(類型としてあげないケースも多い)

個人的な考えではありますが、「1.目的別解説」の「C.共に「特性」を緩和させる働きかけをする」は、「受動型」以外は厳しいかと思います。

「孤立型」は研究職など向いているかもしれませんね。パートナーを持つには、自閉度が強すぎて、そもそも不向きかもしれません。

「積極奇異型」や「尊大型」は、マインド自体は常に高い水準にあり、自己評価が高かったり自分大好きだったりする可能性が高いので、ベースの能力がそれなりに高いと、社会的な成功を収められる可能性の高いタイプでもあるとは思います。

「大仰型」は法律家などでしょうか。

いずれにせよ、類型によらず個々で表出してくる「特性」は千差万別なので、参考程度に考えればいいと思います。

3.シチュエーション別解説
~夫婦、恋人、家族、職場~

ここまで述べてきた事で、大体のことは察して頂いているとは思いますが、基本的には「発達障害者」とは、深く関わらなくて済むのであれば関わらないほうが自分のためにとってはベターだと思います。これは当事者だから言える事で、どこかの団体が飛んできそうなセリフですが。

その前提に立つと、余り解説する要素がなくなってしまうのが辛い所ではありますが・・・。

折角なので、以下、シチュエーション別に解説を行います。

「夫婦」

離れられるものなら離れましょう。

あなたが情に厚い事を、私達は知っています。見捨てるような気持がして、罪悪感を感じる事も。しかし、周囲ばかり気にしていては、あなたが苦しみを背負うばかりです。夫婦はもともとは他人自らの精神を殺して・壊してまで付き合う必要はないと、私は考えます。

子供がいる方は、親を奪うことを・・・と心配するかもしれませんが、子に危害を加えうる親なら、いないほうがましです。

一緒にいるのであれば、本人の自覚と改善への努力がマスト。それができないのであれば、一時の気の迷いなどでなく、苦しみは深くなるばかりです。

しかもアスペは遺伝する確率が高い(医学的根拠があるわけではないようですが)。パートナーの親もその可能性が高いですし、子もそうなる可能性が高い。もう一度言います。「アスペは治りません」

結婚後でも、妻や子供優先!でなく、義理実家優先で、そのやり取りも、想像を絶するものになるかと思います。

「恋人」

少しでも疑っているなら、結婚だけはやめときましょう

今は問題なくても「外モード」で体裁を繕っているだけかもしれません。、「内モード」が始まる結婚後には豹変します。

「家族」

全力で福祉に頼りましょう

「発達障害」や精神疾患はアマチュアが扱ってはいけない。専門家に任せるべきです。大げさな言い方をすると、精神疾患はうつります。あなたも侵されないためには、プロに頼るのが一番です。

特にお子さんに疑念を持ってらっしゃる方、個人的には一刻も早く相談すべきと思います。子供に「障害」の烙印を押しては・・・と心配になるでしょうが、子供のためにもご自分のためにも、早い段階で対応すべきと思います。大人になると、こじらせてしまう可能性が高いですし、幼少期はともかく、中高生くらいになると「いじめ」や「ひきこもり」など深刻な事態になって取り返しがつかなくなる可能性があります。

「職場」

とにかく、こまめに周囲に相談して、味方につけましょう

周囲の人はあなたを見ていないようで、見ているようで、でもやっぱり見えていませんアスペの異常性は(タイプ・類型にもよりますが)すぐ側にいる人にしか認識できないことが多いです。教育係になる、一緒にプロジェクトを遂行するなど。

関りが少ない人から見たら、「ちょっと変わった人」位の認識がせいぜいです。あなた自身がストレスを溜めるだけ溜めて爆発してしまったら、爆発してしまったあなたが異常との見方になってしまう可能性があります。

上司や同僚に「こんなことがあった、こんな事に困っている」こまめに相談して早めに味方につけておくのが吉と思います。但し、気を付けなければいけないのが、最初から「あの人『発達障害』だと思います。」とは言わない事。あなたの思っている以上に、世の中は『発達障害』に対する認識・知識がなく、偏見が強い。その言葉を使うあなたに、避難の目を向けられる危険性があると思っています。実際私もそうでした。

まずは、あなたの困っていること・違和感を伝えるだけに留めておくことを、強くお勧めします。

以上、どのシチュエーションであっても、非当事者の皆さんが、一日も早く穏やかな日々を取り戻せることを、願ってやみません。

4.対策解説
~あなたにして欲しい事~

端的に言うと、ご自分を大事に、守って欲しい。

いくつか方法はあると思います。

カサンドラの自助会に参加してみる

同じ境遇の方々と、話し合い、共感し、吐き出し、気持ちの整理を付ける。カサンドラの方々が一番できていないことで、一番したいことかもしれませんね。

一番簡単かつ現実的なのは、インターネットでの検索です。
(あとは口コミや、公的機関・福祉施設などでの掲示やパンフレットなどが考えられます。)

個々の当事者会・自助会のHPを一つ一つ探していくのは相当大変なので、私は下記の「こくちーずプロ」というサイトに辿り着きました。

「カサンドラ」の当事者会・自助会に限らず、全国で開催されている種々のイベントの告知サイトになりますが、このサイトが一番数が豊富で利用者も多い印象です。

検索方法はご自分でも試してみて欲しいのですが、私が色々と試した結果、一番効率の良い方法は検索ワード「発達」のみ入れて、エリア・日付指定で検索を掛ける方法です。

これでネットにて公開・募集されている『発達障害』関連の当事者会・自助会イベントは、ほぼ網羅できると思います。後は、検索が若干面倒ですが、Twitterも考えられるとは思います。

参加するかしないかはともかく、ぜひ一度、検索してどのようなイベントがあるか確かめてみて下さい。

後は個別のご紹介ですが、私の妻も一度だけ参加した自助会です。

プロに頼る

カウンセリングや心療内科など、プロに頼る事も良いと思います。素人があれこれ考えて思い悩んでも、なかなか解決できるものではありません。

他でも、妻が心療内科に通って、さすがに当事者側も状況の悪さに気付き、改善に取り組み始めたというケースも聞きます。

あなたが何に苦しめられているか、プロに話して理由を解きほぐしてもらうことができればと、心から思います。どこでもいいわけではなく、当然ながら『発達障害』や「カサンドラ」の専門知識があるところを選ぶべきです。そのまま、当事者を医療に繋げられる可能性もありますし、専門知識のない所に行っても、「あなたのせい」「薬出しておきます」にされて、根本的な解決策が提示されないまま終わるかも知れません。

ただ、ここで気を付けて頂きたいのが、非医療機関や、医療機関でも保険診療に当たらない自由診療なら問題ないのですが、メンタル系で保険診療を行うと、「確定診断を受けていなくても、その後5年間、保険やローンなどの審査に通らなくなる可能性が高い」という事です。

相手のせいで、ご自分のライフプランまで崩してしまいませんように

5.おまけ
~カサンドラさんアンケート~

6.追記~当初公開後の更新記事~

【2020/7/7】 「4.対策解説」

Twitterなどでもよく質問される事項を、追記しておきます。

Q1.どうすれば本人に自覚を促せますか?

A1.「1.目的別解説」でも簡単に触れましたが、端的に言うと、「生き辛さ」「困り感」を本人に存分に感じさせることです。但し、中途半端なレベルでは覚醒できません。このままでは社会生活が営めない(例:会社をクビになる、鬱などの二次障害に罹患する)、夫婦生活が維持できない(例:離婚話に発展する、親が介入する、調停など第三者が介在する)、家庭を崩壊させかねない・・・。そこまで追い詰められないと、ケツに火が付きません。(それでも気付けない当事者も多くいますが・・・。)

Q2.あすぺるぱぱは、どういう変遷を辿りましたか?

A2.これについては、一言では書き表わせないので、いつになるかは分かりませんが、別でnoteをまとめたいと思います。気長にお待ちを。

おわりに

色々書かせて頂きましたが、実はいまこの記事を書いている私も、自分をアスペルガー症候群の要素があると認識したのはつい1年ほど前で、今も妻を苦しめてしまいながらも改善に取り組んでいます

こんなこともありました。

自分に向き合って、自分の事を知ろうとすれば知ろうとするほど、アスペルガー症候群の罪深さと、愛する人を苦しめてしまう絶望感にさいなまれました。一度は逃げようと、妻に自ら離婚を持ちかけたこともありました。苦しいけど逃げてはいけない。妻が諦めないでいてくれるから。

今はしっかりと妻と向き合うことができ、口だけではなく病院に通ったり、服薬したり、有言実行の努力をして、真摯に改善に取り組んでいるつもりです。また、それを成し遂げられると、自分自身を信じています。

自覚できているからと言って、必ずしも改善に向かうわけではありませんが、他のアスペ当事者がきちんと自分に向き合って、側で支えてくれるあなたがたの期待に応えられる日が来るよう、願って止みません。

「1.目的別解説」でも述べたように、「A.逃げる」以外の選択肢、若しくは「A.逃げる」を選んだとしても、いずれも長く険しい道のりになると思います。

治る類のものではありませんが、一生付き合えますか?

そこまでの覚悟と愛情が残っていますか?

その愛情が、もしかすると返ってこないとしてもですか?


残酷なことを言うようですが、自身の心身を削る事と同義です。

どうか御自愛下さい。

無責任に本音を言わせて頂くならば、全てのカサンドラさんが「C.共に「特性」を緩和させる働きかけをする」を選び、当事者もきちんと改善に向けた、たゆまぬ努力を継続し、夫婦関係の再構築に向かっていって欲しい。

私と妻もまだまだ道半ばですし、今後どうなるかは分かりませんが、目の前の事を着実に、一歩一歩、進んでいきたいです。

この記事を読んで頂いたあなたが、どのような選択をするかは分かりませんが、その選択があなたにとって、最善かつ今の苦しみから抜け出せ、穏やかな日々をい一日も早く取り戻せることを、心から、切に、願っております。

※最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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