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うた

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2021年12月の記事一覧

みのうた みあえ御饗

みのうた みあえ御饗

未熟も
磨く果

みのりて
瑞々しきは
耳障りなほど
蜜したたりて

蜜なる
みづ薬やと

水衣なぞ召し
御髪上げてまいらせ

乱れ
淫らに
身悶える
水性責めて頂戴よ

見違ふ様
観てるじゃのうて
味覚で早く
満たされませんと

耳は噛んで
耳は噛んで

見掛けたとても
見知らぬ素振り
耳を潰し賜ふため

まのうた まくら

まのうた まくら

まだまだの
毎日

まずまずの
邁進

まらうどの
賄ひ

まやかしに
塗れ

飯事ならば
儘ならず

益々の
舞事

ほのうた ほそけ

ほのうた ほそけ

ほら
ほめてよ
他のなにをも
欲さずに

埃まみれで
保守的な
法に縛られ
崩壊するさま

補色あこがれ
頬あからめつ
寿詞を
ほざくなんざ

本当に
誇らしいですか

はのうた

はのうた

排他的なる
八方美人
敗北宣言
恥を知れ
波乱万丈
刃向かって
羽撃てよ
貼られたletterは
燥いで
剥がして
掃き捨てて

肺に
灰が移り
highで
廃になる
敗退の前に

吐いて
吐いて
吐き出して

はめて
はたらけ
はらませて

歯形の残る
肌あらは
辱めて頂戴よ

はじらひし
はざまで
はじまる

腹立たしくも
華やかな
晴れ舞台

発声を遂げ
発生を告げる

はかなきいのち

ぬのうた 滑り男様

ぬのうた 滑り男様

ぬれきぬなとと
ぬかすなら
ぬえくさまとはせ
ぬるまゆて
ぬらしてやります
ぬかりなく
ぬけたせぬやうに
ぬひつけて
ぬくちを
ぬきとる
ぬめりつま

なのうた なみだかすみ涙霞

なのうた なみだかすみ涙霞

内情によりて
内縁の

名有りて実なき
名宛人

涙堅きを
綯ひ交ぜど

無い物強請(ねだ)りて
涙雨

内果皮
内種皮
蔑ろ

乃至(ないし)は
内実
懐かしみ

那由多の
情けに
泣き噦(じゃく)る

とのうた 尊き友

とのうた 尊き友

倒錯した
都会で
鳥は
飛べず

捕らへては
閉じ込める
鳥網だらけの
尖った枝に
留まれもせず

凍雨に打たれ
吐息も
途切れ
投身思はば

隣はあたたかい

徒労やと
問はずに
留処なく

灯火の
戸をたたけ
戸をたたけ

季(とき)がきて
登花実り

友待つ雪さへ
溶けるから
解けるから