[推し本]歴史人口学で見た日本(速水融)/人口学ってスリリング!
2019年に亡くなられた速水融さんは、コロナ禍を予言していたような100年前のスペイン風邪について著作を遺されて話題になりましたが、まだ読んでないのでまずはこれから、、、と思ったらこれが超超面白い!!!
戦後、経済学者の卵としてヨーロッパで遊学したくだりは、なんとも青くて、何でも見てやろう精神全開で、でも会いたかった教授にも会えずズッコケ話の連続で、とてもチャーミングです。
しかしこの時に、後の歴史人口学に繋がる出会いがあり、その後の速水さんの方向性が決まります。
江戸時代の人口のデモグラフィクスや増減を、日本各地に残る宗門改帳を集め、史実にある飢饉の年代や、農村と都市部の死亡年齢の違いなど、探偵のように点と点をつないで、生き生きと人々の暮らしや社会の成り立ちが立ち上ります。
都市部は死亡率が高い一方で(人口密集で不衛生ですぐ感染症になるから)、江戸末期に人口が増えたのは、江戸でも京都でも大阪でもなく、中心から離れた薩長など含む西日本で、出稼ぎ先もない農村の次男以下がやることなく不満とエネルギーが溜まっていたのも明治維新を推進したのでは、という推論は、なるほどー!と膝を打ちます。
ミクロとマクロをつなぐ視点を持つのにおススメです!
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