朝矢たかみ

小説を書きます。第55回千葉文学賞大賞受賞 https://lit.link/asay…

朝矢たかみ

小説を書きます。第55回千葉文学賞大賞受賞 https://lit.link/asayatakami |作品はすべてフィクションです。|無断転載、自作発言は禁止。

マガジン

  • エッセイ

    エッセイのまとめです。

  • オリジナル小説

    オリジナル小説をまとめました。 長編は全部入れるとごちゃつくので1話だけ入れています。長編は個別にマガジンを作っているので、そちらを見てください。 #オリジナル小説 #短編小説 #長編小説 #小説

  • 【1話完結】トリビュート小説

    THE YELLOW MONKEY、吉井和哉さんの楽曲からインスピレーションを受けて書いた短編小説。曲は知らなくても読めます。 世界観が共通しているものはハッシュタグをつけています。 #砂と雨の国 : 異世界ファンタジー #主人公になれなかった僕ら:現代を生きる普通の人々の日常 #空き地症候群:徐々に他人から忘れられていく奇病に罹った人とそれにまつわる人 #ハートフルシングス:モノに宿る心を目覚めさせる力を持っている能力者のロードムービー。 #THEYELLOWMONKEY #イエローモンキー #ザイエローモンキー #吉井和哉 #YOSHIILOVINSON #トリビュート小説 #小説

  • 【長編小説】清掃員の獏(完結)

    夢の中ではお前の信じたものが真実になる。 目覚めたければ黙って俺を信じろ。 ◼あらすじ 自分の夢の中に閉じこめられた沙凪。 夢の住人・イミューンに襲われたところを、突然現れた男・神谷に助けられる。 他人の夢に入る力がある神谷の導きで、沙凪は自分の夢を進んでいく。 ふたりが目覚めるために、夢の出口を目指して。 現実寄りのファンタジーで、バトルシーンが結構あります。 年の差・男女のバディ-が好きな人に刺さると嬉しいです。 ※少し流血表現があります。 --- 書いたのはずいぶん前で「そのうちうまくやり直せたら~」とか思っていたら某人気作家に先を越されてしまったので、ここで供養。 #オリジナル小説 #ファンタジー小説 #長編小説 #男女バディ― #小説

最近の記事

  • 固定された記事

案内板

掲載作品の紹介など、サイトマップのような役割のページです。 長編小説現実寄りのファンタジー。バトルもあります。年の差男女バディ―。 トリビュート小説楽曲をもとに書いた短編小説。楽曲は知らなくても読めます。 1話完結。ジャンルは色々になる予定。 不定期更新。 短編小説スランプの美大生がご飯を通して自分の原点に立ち返るお話 夢に焦るダンサー志望の青年が着ぐるみのバイトをすることになるお話 外部サイトここ以外の活動はlit.linkにまとめています。よければこちらもどうぞ

    • コミュ力Lv.12が初めて海外セレブに会ってきた話(後編)

      前回 12月10日:ユアンのサイン 2日目、日曜日。同じ時間の電車で行ったが、一般待機列は昨日の3分の2程度だった。  昨日の失敗から学んだ私は、開場と同時にダッシュでアーティストアレイに向かい、グリヒル先生のサインをもらってきた。覚悟はしていたがやっぱり大人気で、10時丁度くらいに会場入りしたにも関わらず1時間くらい待つことになった。  無事にサインをもらって、時計を確認する。  11時。ユアンのサインの開始時間である。  はっはー!  実は並んで待っている間、結構ハラハ

      • コミュ力Lv.12が初めて海外セレブに会ってきた話(前編)

        はじめに 東京コミコン2023に行ってきた。千葉県にある幕張メッセで12月8日(金)〜10日(日)まで開催されていて、私は土日に参加。目的は色々あったけど、一番はなんといっても、海外セレブとの写真撮影とサイン。  多くの人がそうであるように、私もまた有名人とお近づきになる機会などない人生を送ってきた。握手会やファンミーティング的なやつに参加したこともない。だから有名人を至近距離で拝むのは人生初だったわけである。  そんな初体験がユアン・マクレガーって。  しかし二日続けて会

        • 【短編小説】ジェニー(『魔法使いジェニー』トリビュート小説)

          愛を持って接すれば、私のマシンは必ず応えてくれる ■あらすじ まるで魔法のような技術であふれた町にやってきたハートたち。 そこには最初に旅立った友達、ジェニーがいた。 吉井和哉『魔法使いジェニー』のトリビュート小説  このあたりに来てからというもの、行く先々でこんな話を聞かされた。  ――ごうつくばりな魔法使いに気をつけろ。  ある貧しい村の話だ。ある日、村にひとりの魔法使いがやってきた。魔法使いは生活を便利にする魔法を次から次へと出して、村は急速に発展していった。  

        • 固定された記事

        マガジン

        • エッセイ
          2本
        • オリジナル小説
          3本
        • 【1話完結】トリビュート小説
          15本
        • 【長編小説】清掃員の獏(完結)
          20本

        記事

          【短編小説】109(『煩悩コントロール』トリビュート小説)

          常に極上のスリルと興奮を 吉井和哉『煩悩コントロール』のトリビュート小説 「町が消えたって聞いてたけど」  ハートは町の入り口で立ち止まる。  町は大きなドーム状の黒い膜に覆われていた。町の名前が刻印された金属製のアーチ型のゲートがなければ、ここに町があったとはわからなかっただろう。中は見えない。光の反射によっては、表面がかすかに紺色に輝いて見える。触った感触はプラスティックに近いが、少し力を入れるとバルーンのようにへこむ。これまでに見たことがない材質だった。 「最初から

          【短編小説】109(『煩悩コントロール』トリビュート小説)

          【短編小説】マリッジとブルー(『星のブルース』トリビュート小説)

          夫婦から、恋人に戻ったみたいだった 吉井和哉『星のブルース』のトリビュート小説  書き上がった婚姻届を見るなり、彼女が言った。 「青じゃん」  僕の記入したところだけ、青い文字になっていた。うっかり三色ボールペンの青で書き始めてしまったのだ。 「まあ、大丈夫でしょ。ちゃんと読めるし」 「いや、夫婦で別の色とか変でしょ。よりによって青だし」 「青だとまずいの?」 「マリッジブルーとか言うじゃん」 「うまいこと言えるなら全然ブルーじゃないから大丈夫」  彼女は新しい用紙をもら

          【短編小説】マリッジとブルー(『星のブルース』トリビュート小説)

          【短編小説】ナイン(『サイキックNo.9』トリビュート小説)

          俺がやつらを使い捨てて、思い知らせてやるんだ。 ■あらすじ ものに宿る心を目覚めさせる力を手に入れたナインは、復讐を開始する。 THE YELLOW MONKEY『サイキックNo.9』のトリビュート小説  高揚感。  期待感。  万能感。  存在感。  使命感。  底なしの泉から湧き上がってくる感覚で、全身が沸騰しているみたいだった。  広げた手を前にまっすぐ伸ばす。その先に停まっている車に意識を集中した。固いボディーの奥で、心が眠っているのがわかる。ナインは手を閉じて

          【短編小説】ナイン(『サイキックNo.9』トリビュート小説)

          【短編小説】あの日植えた種(『球根』トリビュート小説)

          この子には私しかいない。私が守らなければ。 ■あらすじ 戦争で家族亡くし、若くして領主となった少女。 やがて母となった彼女は、ようやく訪れた平穏な日々をすごしていた。 しかし干ばつで深刻な食糧難となり、もうじき産まれる孫の命も危ぶまれていた。 THE YELLOW MONKEY『球根』のトリビュート小説  最初に死んだのは母だった。もともと体が弱かったこともあり、砂で肺を悪くしてからはあっという間だった。  母の喪が明けないうちに、西の隣国との戦争が始まった。もう二十年

          【短編小説】あの日植えた種(『球根』トリビュート小説)

          【短編小説】空き地のシンガー(『TVのシンガー』トリビュート小説)

          空き地になる前はなんだったのか、どうしても思い出せない。 ■あらすじ シンガーソングライターの“俺”は、落ち目になりつつある危機感に日々あらがい続けている。 あるとき過去の日記を読み返したことで、自分に母がいたことを思い出す。 のちに、“空き地症候群”の存在を世に知らしめるきっかけとなる男の物語。 THE YELLOW MONKEY『TVのシンガー』 のトリビュート小説  自宅の近所の一角が、いつの間にか空き地になっていた。  もともと何が建っていたんだっけ。思い出そう

          【短編小説】空き地のシンガー(『TVのシンガー』トリビュート小説)

          【短編小説】俺はただあなたに(『Love Communication』トリビュート小説)

          裸じゃない時も、俺を見てよ。 ■あらすじ 月に一回か二回、女に呼び出されるのを待っている俺。 体以上の関係になりたいが、彼女には他に想い人がいるようで……。 THE YELLOW MONKEY『Love Communication』 からインスピレーションを受けて書いた小説。  俺はいわゆる、都合のいい男ってやつなのだろう。  彼女から連絡が来るのは、月に一度か二度。会えるのは、彼女の体が渇いた時だけ。ことが済んだら彼女はさっさと帰る。こっちからの連絡は完全に無視。  

          【短編小説】俺はただあなたに(『Love Communication』トリビュート小説)

          【トリビュート小説】シリーズ別の目次

          はじめにトリビュート小説は、THE YELLOW MONKEY、吉井和哉さんの楽曲からインスピレーションを受けて書いた短編小説です。 曲は知らなくても読めます(でも素敵だからぜひ聞いて)。 短編同士がつながったりつながらなかったりします。 1話完結なので単独で読んでも成立しますが、つながりがわかるとより楽しめるようになっています。 もくじトリビュート小説はいくつかのシリーズに分かれています。 シリーズごとに、上から順に読んでいくとわかりやすいです。 砂と雨の国 主人公

          【トリビュート小説】シリーズ別の目次

          【短編小説】私はただ彼を(『シュレッダー』トリビュート小説)

          ねえ、どうして私を置いて消えたの? ■あらすじ ふいに蘇る、身に覚えのない“彼”との思い出。 押し寄せる強い喪失感からのがれるために、私は男を呼び出す。 吉井和哉さん『シュレッダー』 からインスピレーションを受けて書いた小説。  私は、私の上に覆いかぶさる男の背中に爪を立てた。 「もっとちょうだい」  馬にムチを入れるように。もっともっと、と男をあおる。  男は健気にペースを上げ、私の内側でじわじわと潮が満ちていくのを感じる。上手上手とほめるかわりに、私はのどを反らせ、

          【短編小説】私はただ彼を(『シュレッダー』トリビュート小説)

          【短編小説】僕はただ君と(『聖なる海とサンシャイン』トリビュート小説)

          大丈夫。すぐに忘れるから。 ◼あらすじ 徐々に他人の記憶から消えていく僕。 それゆえ、彼女との結婚もなかなか踏み切れない。 そこで僕は、彼女とある約束をする。 彼女が忘れずに待ち合わせ場所に来てくれたら、プロポーズをすると。 THE YELLOW MONKEY『聖なる海とサンシャイン』 からインスピレーションを受けて書いた小説。 「プロポーズしたいから旅行に行かない?」  行き先は、海辺の街。僕らが出会った海水浴場。  当日は、現地集合。  彼女が約束通りに来てくれたら

          【短編小説】僕はただ君と(『聖なる海とサンシャイン』トリビュート小説)

          【短編小説】恋なんて(『恋の花』トリビュート小説)

          結婚しても、あんたはまだ恋してるんだよ。 ■あらすじ 女友達と会うと、必ず夫のグチを聞かされる私。 笑顔で話を聞いているけど、心の中では……。 吉井和哉さん『恋の花』 からインスピレーションを受けて書いた小説。  愛は両思い、恋は片思い。  って言ったのはだれだっけ。  その理屈でいけば、今あんたがしているのは、間違いなく恋だよ。  別に、今に始まったことじゃない。あんたは昔から、恋に恋しちゃうタイプだった。  告白するのは決まってあんたから。ふられるのも、いつもあんた

          【短編小説】恋なんて(『恋の花』トリビュート小説)

          【短編小説】わかるよ、なんて言えないから(『CALL ME』トリビュート小説)

          こんなとこでよければ、またいつでも来てよ。 ◼あらすじ 湖畔の町で喫茶店を営む俺は、急に姪っ子を預かることになる。 中学生の姪っ子は、学校に行っていないらしい。 生きづらさをかかえる彼女に、俺は黙ってコーヒーをいれる。 YOSHII LOVINSON『CALL ME』 からインスピレーションを受けて書いた小説。 〈うちの子さ、何日か預かってくんない?〉  東京に住む姉から久しぶりに電話がかかってきたかと思いきや、あいさつも早々に、そんなことを言いだした。  姉が急な海外

          【短編小説】わかるよ、なんて言えないから(『CALL ME』トリビュート小説)

          【長編小説】清掃員の獏(20・最終話)

          前回 6  自分で持てるのに、荷物は全部父が持つと言って譲らなかった。退院手続きも母が全部済ませてくれていた。だから沙凪が自分でできたのは、お世話になった医者や看護師にあいさつをすることくらいだった。  右腕の骨折と、首のムチウチ、その他数箇所の打撲。それだけで壊れものみたいに扱われるのは居心地が悪かった。けれど、入院した経緯を考えれば致し方のないことなので、大人しく従った。  どうやら沙凪は自殺しようとしたらしい。会社の隣のビルの屋上から飛び降りたとか。  私が?  そ

          【長編小説】清掃員の獏(20・最終話)