見出し画像

尾道かわいい橋散歩 1

広島県尾道市について、風光明媚な坂の町であるとか、しまなみ海道の始点であるとか、その程度の素人的認識は多くの方が持たれていると思う。かかる認識から、観光案内的な内容を少しでも期待された方は、回れ右だ。私のことだから、観光の役に立つような文章は書かないに決まっている。
これから書くのは、私のような地元民しか通らない道の傍らで川や水路と寄り添っている、「かわいい橋」に関するちょっとしたメモ書きである。

第1回は名称不明のこの橋。名称どころか竣工年も管理者も何も分からない。

所在地は尾道市日比崎町。水路を跨ぐ橋長7m程度のなんの変哲もないコンクリート桁橋にしか見えない。ぱっと見は。

橋の両サイドをじっくり眺めてみると、明らかな違和感。桁が木製で、桁とコンクリート路盤の間には直径10cmほどの丸太材が挟み込まれているではないか!
おそらくはあの丸太が元々の路盤、つまり木橋だったのだろう。その上にどーんとコンクリートの路盤を置いて嵩上げしたような格好。こんな橋は初めて見たぞ。

そしてヒョロヒョロと頼りない石造りの橋脚も可愛いじゃないか。最初の写真の奥の橋を見て貰えば分かると思うが、本当のコンクリート桁橋なら橋脚を必要としない長さだ。したがってこの橋脚は、木橋時代のものと思われる。
実はこの石造りのヒョロヒョロ橋脚は、尾道の橋を巡る中で何度か出会うことになるのだが、それはまた別の話。

今回ご紹介のコンクリートの化けの皮を被った木造桁橋、まさに「かわいい橋」にふさわしいものだった。

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?