OZの話がしたいしアニメ化してくれ
「人」はたった一言で恋に落ちて狂ってしまう。
「OZ」(著:樹なつみ)
おじさんがたくさん出てくるSFをやっていたLaLa。
おそらく今、時代考証はより厳しく、技術はより進み骨太のSFはたくさん生み出されているのでしょう。
でも少女漫画としての恋愛要素、大人向けの恋愛要素も交えながらしっかりSFとして成立させている…
私はやっぱり『OZ』の話がしたい。
あらすじ
『オズの魔法使い』よろしく、リーダーは16歳の少女で天才科学博士のフィリシア。兄のリオンに招かれ、理想の科学都市『OZ』を目指す彼女に連れられ(雇われ)て旅をするのですが、話が進むにつれそれぞれにOZへ行く理由ができていきます。『OZ』とはなんなのか、OZの権力者フィリシアの兄リオンは一体なにものなのか。
護衛として雇われたのは童顔の武藤徉(ムトー ヨウ)。フィリシアが出会った時の階級が軍曹だったため「軍曹(サージェント)」と呼ばれる。
『OZ』への案内人として現れたのがヒューマノイドの「19(ナインティーン)」。人間にしか見えず、OZの技術力を目の当たりにすることになります。実体は感情をもたない機械のはずなのですが、旅をするうちに…?
世界観は世界第三次大戦が核爆発で終わり、地球は荒廃し人口は大きく減ったという設定。
食糧難は続き紛争は無くならない…
果たして『OZ』がもたらすのは?
キャラクター、好きにならざるを得ない
子どもの頃読んだ時はフィリシアの軍曹(サージェント)への恋心ばかりに目がいってたけど、大人になってからはヒューマノイドの「19」のムトーへの想いと欲望がこんなにも話の主柱を担っていたのかと…
人造人間(ヒューマノイド)の美しさと恐ろしさ
リオンによって生み出されたヒューマノイドたちはフィリシア兄妹たちの母親『パメラ』をもとにデザインされています。
高級娼婦だった彼女はとてつもない美貌ととんでもない性質の持ち主でした。
それゆえにヒューマノイドは完璧な美しさなのですが、初期の10番台はまだ皮膚などが人間より頑丈に作られていて、出力も兵器同様で感情もないサイバロイド。その後の20番代はサイバロイドとバイオロイドの中間。感情などが搭載され、人間に近づきましたが倫理観などはまだ学習していない赤子…。
ヒューマノイド同士のやり取りが怖いんですよね。
人間により近づきたいという欲望がヒューマノイドにプログラムされているのですが、20番台同士でより人間に近いデータを持っている「24」が優越感を見せ、他の番号が嫉妬や羨望の感情を見せる…
機械同士でマウントの取り合いをするんですよね。
突然のときめき
そしていつ読んでもカッコいいのが、傭兵仲間のネイト。ムトーに最も信頼され、合理的判断ができるはずだったのに、ヒューマノイドである「24」にホレてしまったところがたまらない。
『キスする時は目を開けるもんじゃない
互いのウソがばれるだろうが』
ヒィ〜〜!カッコいい〜〜!!
今回3回は読んだ。
最初フィリシアは本当に世間知らずのお嬢さまでなかなかにイラつかせてくれます。ですが過酷な状況で何度も軍曹と離れ・再会をするたびに強くなっていきます。
また彼女の姉であるヴィアンカも最初なかなかにイラつかせてくれる子なのですが、彼女は天才の兄と妹に挟まれ辛い思いをしてきました。徉と出会い少しずつ素直になるところはいじらしい。
彼も言っていましたが、ヴィアンカに素直に訴えられたら大抵の人間は逆らえないでしょう。美しい顔(フィリシアより美人寄り)にまっすぐな性格…本人は兄妹に才が及ばないことがコンプレックスになっていますが、ある意味すごいと思いますよ。えぇ、挫折の経験がある姉って大好きなんです私。
母との願い、アニメ化
いろいろ難しいとは思いつつも、1クールのアニメで観てみたい…!
そんなに長くないので、完全版に入ってる番外編とかもやって1クールがちょうどいいんじゃないかと。
バイオロイドは女性体と男性体があるので、中性的な声の人にお願いをして、
ネイトは渋いかっこいい声でお願いします!!
さっきのセリフが聞きたいんですぅ………
できればキャラデザインは林明美さんへお願いしたいです…!『同級生』『BANANA FISH』好きなんです。うっかりBANANA FISHの話出しましたけど、ちょっと苦しくなってきますね…ショーター…うぅ…
という話を実家に帰るたびにしています。
獣王星もお願いします。
実はこの漫画2021年の設定なので、ついに現実の方が過ぎてしまったんですよね。OZの世界にならなくてよかったです。でもAIに関しては現実の方が進みましたね。自我に関しても慎重です。
完全版5巻で手に取りやすいですし、何より終わり方もいいので是非。
OZと「19」の行方を見届けていただきたいです。
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