読書感想文『肉体の悪魔』
肉体の悪魔(新潮文庫)
Amazonさんにお勧めされるがまま、タイトルにまんまと釣られて読んでみたのだが。
このnoteの仕様では、冒頭200文字までホーム画面に表示されてしまうので、結論を先に書くととてもつまらないことになってしまう。
noteさん、そこはもう少し改善しておくんなまし。
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閑話休題。
早熟の天才と言われているラディゲだが、赤裸々に綴られている少年の心情は、若いからこそ書けたのではないかと思う。
その時代の若者特有が持つ『早く蛹から羽化したい』というもどかしさやジレンマ、社会に対する大人たちへの苛立ちは、尾崎豊と似た臭いがする。
この『肉体の悪魔』というタイトルは、若干、タイトル負けがしなくもない。
もし私がこの作品のタイトルをつけるなら、『十五の夜』にしたい。
内容的にはもっと哲学的な、バタイユ的な思想が語られるのかと思ったのだが、なんのことはない、少年が初恋にして間男になる話であった。
そういう意味で、ツルゲーネフの『はつ恋』とタイトルを入れ替えるのも悪くない。(謎の上から目線)
とはいえ、新庄嘉章の和訳センスも相まって、行為シーンは露骨ではなく、回りくどいけれどそれとわかる表現となっていて、執筆の勉強になった。
ここのところ、読書感想文が続いているのは、ネタが思いつかないから。
アウトプットのためのインプットをしているわけだ。
作り出すのにも栄養素が必要だ。
いまは、その栄養をつけ基礎体力を養うときだ。
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