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子を持つ人に優しい人間になりたかった

毎日投稿をまた途切れさせてしまっていたこの年の瀬。
今日は大みそか。
新しい年を迎える前の、希望に満ちた記事とか温かい記事を本当なら書きたいところだけど。
2022年に置いていきたいことを書いて、この年を終わりにしよう。

まとまりのない文章になる、と、最初に書いておく。
綺麗にまとめようとすると年が明けてしまうから。



私は、上司の産休育休に伴う仕事の引き継ぎでキャパオーバーになり、結果として適応障害になった経験がある。
単に仕事量の問題だけでなく、もともとの自分の性格であったり、上司のさらに上の上長(部長)や先輩社員との相性の悪さも影響があったと自分では思う。

今、冷静になってふりかえれば、もうちょっと早い段階で適切にSOSを出せていれば病気にはならずにすんだはず。それは自分の反省点だ。
でも、病気だと申告してからの部長の対応や、その後の評価には納得いかない点が多かった。(評価については後述)

消費された。そんな気持ちにもなった。そう考えてしまうのも病気のせいかもしれないけど。


上司が育休に入って半年ほど経過したとき、同僚の妊娠も発覚した。
タイミング的に、上司が復職するひと月以上前に産休に入ることになる。
つまり、1ヶ月ほどは2人も欠員が出るのだ。もともとこの部署の社員は5人しかいないのに。
上司が復職したとして、いきなりフルで働けるわけはないだろう。
大変おめでたいことなのに、「どうして今なの…」と思わずにいられなかった。そんな自分が自分でも嫌だった。
同僚の仕事は主に別の同僚が引き継いだが、彼もキャパオーバーになっているのは明らかだった。
フォローできないかと動いたものの、既に病気を経験していた私はあまり手伝わせてもらえなかった。

同僚が産休に入り、2022年を迎えたところで、彼は仕事を飛んだ。

理由を聞いたわけではないが、キャパオーバーを苦にして働けなくなったのだと思う。
適切な段階を踏まず辞めたことに対して、大人としてどうなのと思うものの、会社がそういう状況に追い込んだんだという考えが強かった。
だから彼を責める気にはならない。
そのあとはもちろん大変だったけど。

心がどんどんすり減っていった。

最終的に私もこの会社を辞めたのは↓の記事で書いたとおり。


ということで、社員がたて続けに産休育休で抜けたことで、残る社員が大きな負担を強いられるという環境にいたわけだ。
ほかにも、以下のような問題があった。

1.「できる限り仕事を続けたい」という上司の意欲を搾取して、会社および部長は産休中も育休中も無償で働かせ続けた
タダ働きさせてるんですよね?と私が部長に突っ込んだところ、「彼女から仕事を引きはがせってこと?本人が悲しむんじゃないかな」とズレた返答をされた。違うそうじゃない。賃金を払え。

2.社員2人の産休育休中に別の社員2人に不調が生じたのに、環境を整えようとしなかった
そもそも、まず集中的に仕事を引き継いだ人間1人目(私)が病気になった実績があるのに、同じようなことを繰り返したせいで2人目が飛んでしまった。あと、私が病気になったときも2人目が飛んだときも、その後の引き継ぎは育休中の上司が動いていた。育休中の人間を働かすな。
 
3.1人の人間に集中的に仕事を引き継がせておきながら、その人間に「独りよがり」という評価をくだした
私は多くの仕事を振られたから期待に応えるべく頑張っていただけなのに、「もっと周囲に仕事を割り振れるようになれ」と部長から言われたのは納得いかない。それならばまず育休中でも自分で仕事をしてしまう上司は独りよがりではないのか?安心して育児に専念できるようにするのが部長の役割では?部長は何してる?

ここまで書くと部長がアレな人間のように見えるだろうが(私はそう思ってるが)、上司は部長を信頼していたし今でも一緒に仕事をしているので、私には理解しえない信頼関係ができているのだろう…と、思う。


上司のことは本当に尊敬している。
あとから産休に入った同僚のことも尊敬していたし、もう一人の女性社員と4人でよく女子会をする仲だった。その女子会は本当に楽しかった。

私だって、これから新たなステージに突入する女性2人を全力で応援したかった。
つわりで仕事量を減らしてもらったことに「申し訳ない」と言わないでほしかったし、長期間離脱することで「迷惑をかける」とも言わないでほしかった。
「あとのことは私たちに任せて、元気な赤ちゃんを産んでください!」「仕事のことは忘れて、今は育児を楽しんで!」心の底から、そんなことだけ伝えたかった。

若い女性が適齢期に子を授かり、働きながら育てられる環境があるのは素晴らしいことだと思ったし、そうあるべきだと思う。
でも、ポジティブな感情だけで過ごし続けることはできなかったのが事実だ。

もちろん、産休育休を取得する人に対してなにか思っているわけではない。
産休育休を取得する人の代わりに「一部の人間が大きな負担を強いられる環境があること」を憂いているだけだ。

産休育休を取得することがキャリアアップの壁になることは、あってはならない。
能力がある人は、休職期間に関わらず能力に見合った評価を得るべきだ。
でも、育休取得や復職後のトラブルにまつわるニュースを見るたび、休職者を支える側の人間勝手に心配してしまう。
「健康を害すほどの負担を強いられてはいないだろうか」「適切な評価は受けているだろうか」と。


安心して子育てできる環境をつくることも大切だけど、それと同じくらい、子育てする人を支える人々が安心して働ける環境をつくることも大切だと思う。

もし、ここまで読んでくれた人の中に、私と同じような経験をした人がいたら、労いあいたい。
私たち、よく頑張ったよね。
ただそれだけ、言いたい。


大好きなドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』で、こんな場面があった。
会社の同僚が産休に入ることになり、仕事が増えると若手社員が不満をもらすのだ。
その若手社員に同調を求められた百合(未婚で出産経験のないアラフィフ女性)は言う。
「私の分まで産んでくれてありがとう」と感謝していると。
加えて、産休という福利厚生がある=会社はまだ安泰とも。

私もいつか百合ちゃんのように、子を持つ人を思いやれる広くて温かい心を持ちたい。



子を持つ人も、支える側の人も、みんなお疲れ様。
2023年がよい年になりますように。


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