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31歳学生、フィンランドに行きます!〜自己紹介〜

はい、そうなんです。31歳、学生です。アサリョウヘイと申します。宜しくお願いします。

いきなりですが、僕は腸管型ベーチェット病という難病を患っています。他にも最近まで難病だったギランバレー症候群を患っていました。

が!

人生とても楽しんでいます!!!

最高です。

なんたってこの歳で好きに勉強して、念願のフィンランド留学をしようと言うんですから。本当に感謝しかありません。

なんでフィンランドかと言うと、幼少期のイギリス生活にその理由があります。

ディケンズの小説『クリスマス・カロル』とアニメ「スノーマン」をご存知でしょうか。

僕はこの2つに大変魅せられていました。とにかくハマっていました。両親が心配するくらい。

その心配は的中?し、あれから25年以上が経った今も変わらず心酔しているのです。

ただし、憧れの対象はクリスマスと雪へと変わりつつ、いつしかそれらはフィンランドへの関心となりましたが。

ただ、ここに至るまでは紆余曲折がありました。

僕は現在、東京大学文学部の4年生ですが、はじめは東京外国語大学でポーランド語を学んでいました。

え?フィンランドじゃないの?と思われるでしょうか。

そうですよね。そうなんです。

僕はもともと京都大学の文学部を志望していました。高校時代にイギリスにホームステイをしているのですが、そこでルームメイトであったポーランド人の友人の存在をキッカケに、後期試験は軽いノリで、「Wojtek(ヴォイテック)もいるしポーランド科に出しとくか」、という感じでそこに出願したのです。ちなみに外大にはフィンランド科はありません。ポーランドのことはよく知らないけど、きっと、外大には進学しないだろう、いいか、と思っていました。テキトーですよね。

そもそも僕は高校時代、大学に行く意味というものをよく分かっていませんでした。とにかく受験勉強というものがしたくなくて、高2の頃は年間で10時間も勉強してなかったと思います。当然、成績は学年でも下から何番目かというところでした。

しかしふとしたことがきっかけで、京都で古典を勉強したいと思うようになりました。そこから猛勉強を開始しました。とにかく頑張っていました。全国でも10番くらいまで行き、合格への期待は高まるばかりでした。

しかし結果は不合格、残念(笑)

ありがたいことに外大に引っかかり、大学へ進学することは出来ました。

とはいえ、当時の僕はそうは思えませんでした。

大学生活自体は楽しいとは思えていたんですが、やはり悔しい思いも強く、なんだか心と身体がズレている感覚でした。それから、鬱ぎ込むようになりました。

悪いことは続くものです。当時はもう感情など湧かなかったのですが、小学校以来の友人をバイク事故で亡くしたのです。大変なショックで、まるで漆黒のブラックホールに徐々に吸い込まれていくかのようでした。

しかし世の中優しい人もいるもので、引きこもりがちだった僕を近くのカフェへ誘ってくれ、親身になって話を聞いて下さっていた先輩がいました。

僕は救われる思いでした。

がー。

今度はその先輩が轢き逃げに遭い、亡くなりました。

こんなにも世の中は不条理なのか?

どうしてなのか?

この時ほど、自分が生きているという実感をしたことは、後にも先にもありません。

そして、今度は父親が骨髄異形成症候群という大変重い病を患いました。

僕はここで、何かを変えなければいけない、もっと懸命に生きなければいけない。そう思いました。

色々考えた結果、向かった先はポーランドでした。留学です。ワクワク感など一切ありませんでしたが、ここで頑張ってやるという一心で、必死に頑張りました。

父は旅立ちましたが、クラクフという古都は、心のふるさとになりました。

悲しい時には、悲しいという気持ちを忘れるくらいに何かに没頭する必要があると、僕は学びました。父の最期の教えかもしれません。

ポーランドで学んだことは大変興味深く、好奇心の強い僕を捉えて離しませんでした。

スタニスワフ・ヴィスピアンスキ。この劇作家で、画家で詩人という19-20世紀のポーランドを代表する芸術家を卒論で扱い、大学院進学を志しました。祖父が博士号を持っているので、僕も取りたいという夢を抱いての志望でした。

しかし、指導教官の関口時正先生が外大を離れてしまい、他大学を受験する必要がありました。

東京大学の世界文学を研究している現代文芸論研究室にいらっしゃる沼野充義先生は、ロシア文学とポーランド文学を専門とされているため、沼野先生の下で学ぼうと決意しました。

しかしここで問題発生、出願締切まであと3日、学部前半で引きこもりがちだった僕は4年でも単位がたくさん残っていて院試の勉強をする時間などない上、第二外国語が必要らしいと判明。当時の僕は英語とポーランド語ができましたが、ポーランド語というマイナー言語は選択言語にないときました。さて、困ったー。

受験言語を考える中で、とりあえず漢字だからなんとなく意味がわかるであろう中国語(あとでよく考えたら、分かるわけない笑)か、ポーランド語と比較的似ているというロシア語と迷い、勢いでロシア語を選択し、研究計画書を大慌てで書いて出願しました。

それからの僕はとにかく授業に出まくり、卒論を書きました。院試の勉強はそれからです。

無事に卒論を書き終わると、僕には2週間が残されていました。まずキリル文字を覚え、10日で買ってきた2300語収録の単語帳を片っ端から覚え、4日で教授の書いた本を読み漁るという作戦です。無謀でしたが、やるしかありませんでした。文法はポーランド語とほとんど同じでしたので、ノータッチ。

結果は…

奇跡的に合格でした。火事場の馬鹿力というやつです。

あとは、卒業が決まるかどうかというところ。3月下旬までドキドキの毎日でしたが、こちらも無事に卒業が決まりました。

晴れて大学院生になった僕は、再びスタニスワフ・ヴィスピアンスキの研究に没頭します。充実した毎日を送るなかで、ポーランドに移住して社会人をやりながら、博士号を目指すという夢を抱くようになりました。

ところがー。

修士号を取得してからというもの、どうも胸が痛かったのです。それでなくとも、これは幼い頃からずっとだったのですが、直径1cmほどの"口内炎"にとにかく頻繁に苦しめられていたので、体調は最悪でした。

ポーランド行きの飛行機を取ろうとしていたまさにその時でしたが、一応内科で胃カメラの検査を受けたところ、待っていたのは聞いたこともない病名でした。

腸管型ベーチェット病ー。

それが僕の病名だったのです。"口内炎"だと思っていたものは、潰瘍でした。急遽入院することになり、ポーランドどころではなくなりました。

退院すると、今度は手足が謎の痺れを襲いました。間髪を容れず、次なる病気が発覚します。ギランバレー症候群です。

これらの治療の中で、僕は将来への不安というものを大きく感じました。そして、薬の副作用でほぼ寝たきり、足の痺れで杖がないと歩けないというような状況がしばらく続きました。闘病生活の始まりです。

約一年が経ち、ありがたいことに徐々に体調は回復しました。ここで僕は博士課程に進学しましたが、ポーランド行きの夢は絶たれ、必死にやるべきものにも打ち込めない状況が続きました。

そんな状況を変えたのは、「必死にやるべきもの」ではなく、「好きなことをやる」という考えです。そう、昔からの憧れであったフィンランドの勉強をしてみようと思ったのです。それからの僕は、生まれ変わったかのようになり、状況も好転していきました。

フィンランドは18世紀までスウェーデンに支配され、19世紀にはロシアの占領下に置かれるという歴史を持ちますが、その中で自民族独自の文化を持とうという動きが知識人の間で生まれました。そうした運動の中で編纂された民族叙事詩『カレワラ』、この物語の研究を志したのです。そのためには、フィンランドの象徴たる叙事詩でありながら、そのルーツを現在のロシア領に持つという特色上(『カレワラ』関連の芸術はロシアにも多いのです)、ロシア語を勉強する必要がある。そう考えて、研究から一時期離れてロシア語やロシア文化を一から学ぶことを決意したわけです。

それで東大文学部に入り、やり直している最中、フィンランドへの留学のチャンスを得たというわけです。ありがたいことに、トビタテという奨学金制度にも採用されて、この高齢留学を支援して頂く運びとなりました。

留学先はヘルシンキ大学で、フィンランド語を学びながら、フィールドワークで『カレワラ』と民族意識の関わりを調べていく予定です。そして現地での生活は、ブログにして発信していこうと思った次第です。

長くなりました。最後に、僕の趣味を紹介して終わりにしたいと思います。

1つ目の趣味は旅行で、これまで26か国を旅してきました。そのほとんどがヨーロッパで、世界一周ならぬヨーロッパ半周といったところでしょうか。

2つ目はダーツで、レーティングは現在13くらいです。ギランバレー症候群で、手の感覚がおかしくなってもここまで復活できるぞ、ということは言えるかなと思います。が、もっともっと上手くなりたいと思っています。

3つ目は音楽鑑賞で、フィンランドのNightwishというバンドが大好きです。あとはEluveitie、Epica、Amorphisなどと、エモ系やロックが好きです。ライブにもちょくちょく行きます。

最後はスポーツ観戦です。リバプールFC、横浜ベイスターズを応援しています。あとは、地元なので神奈川大学の陸上競技部も応援しています。

以上です。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

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