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ディズニーオタク(Dオタ)になるメリット・デメリット

私はディズニーオタク(Dオタ)歴6年だ。
日々東京ディズニーリゾートに通い、情報を集め、洞察を深めている。

Dオタ歴6年というのは、界隈内ではまだまだ浅い部類に相当する(と自負している)。
即ち、純粋な知識量に関しては偉そうに語れる程でもないだろう。

それでも、Dオタとして様々な経験を積んだことで、"Dオタ"という人種についてはある程度理解できるようになってきた。

そこで今回は、Dオタになるメリット・デメリットについて述べてみたい。
損得勘定で趣味を選ぶ人なんて果たしているのか謎だけれど、何かしら参考になってくれたら嬉しい。

メリット

①(比較的)界隈内の治安が安定している

現役のDオタからすれば思わず否定したくなる話かもしれないが、ディズニー界隈の治安は安定している。

実際には、近年は治安悪化が指摘されつつあるのだが、それでも他の多くの界隈と比較しても平和な方だと思う(そういった意味で「比較的」という言葉を頭に付けている)。Dオタを自称する人は基本穏やかで良い人が多いと感じる。

試しに、東京ディズニーリゾートにまつわるYoutube動画を再生し、コメント欄を覗いてみて欲しい(プロフィールから飛んで私のYoutubeでも良い)。スパム、暴言、他ユーザーへの煽り等、他の多くの動画で日常的に観測されるネガティブコメントを見つける事自体が困難である。仮にちょっとした衝突が生じていても、感情的になる人は少なく建設的な議論が交わされる場合が殆どである。

これには界隈内の年齢や(社会学でいう)階層の割合など様々な要因が枚挙できるが、私は大きく2つの要素が治安の良さに寄与していると感じている。

一つ目は、同担拒否要素の少なさ。
東京ディズニーリゾートにいるディズニーキャラクターは、("出演者"として見る場合を除き)多くの場合恋愛対象として見ることを前提にしていない。
ミッキーならミニー、ドナルドならデイジーのように、基本的に大人気キャラクターには既にパートナーが存在し、さらに言えば彼らは実際には"存在していない"。

私たちは虚像(「着ぐるみ」という表現は避けたい)を虚像として楽しんでいる。だからこそ、アイドルや声優のように本気で自分のパートナーにしたいというある種の独占欲が生じることは少なく、従ってDオタ間でのいざこざが起こりにくい。

Dオタ達は東京ディズニーリゾートという街の住民でもあり、何かと共同体感覚を持って楽しんでいる。だからこそ、自治意識のもと界隈の治安を維持しようとする風潮もあり(過去記事参照)、無秩序に荒れ狂うことは殆どない。

二つ目は、極めて社会的なメッセージ性。

東京ディズニーリゾートーもとい「ディズニー」は、(その時代に即した)理想の人間像をメッセージとして届ける傾向が強い。
東京ディズニーリゾートで公演されているショーやパレードが伝えるメッセージは勿論、ディズニーキャストにまつわるエピソードはしばしば美談として語られている。

利他主義、勤勉、愛、友情、多様性の尊重…。
悪を排除した真っ白な世界観は時に批判の的になりがちではあるが、そのようなメッセージを常に受容しているDオタ達は自然と「良い人間」の方に流される傾向にあるのではないだろうか。

②周囲の人間からの印象が良い

「東京ディズニーリゾート」という場所自体が一般的かつ良い印象をもたれている場合が多いので、「Dオタ」を自称した際に周囲の人間からの印象は総じて良い傾向にある。

「案内して欲しい」「何か裏技とかあるの?」「マニアックな知識教えて」等、とにかく好奇心を持たれることが多い。東京ディズニーリゾート自体がデートスポットでもあるので、異性からの評価も良い。

勿論、一方的にオタク特有の早口を発動などすれば好感度が下がる場合もあり得るが、それは「東京ディズニーリゾート」ではなく個人レベルの問題に帰着される。

③知識、教養が身に付く

東京ディズニーリゾートへの理解度を深めようとすると、東京ディズニーリゾート単体の知識だけではなく、様々な学術分野に枝葉を伸ばす必要性に迫られる。

言語学、社会学、経済学、福祉論、デザイン工学、歴史学、地質科学、天文学…と、それぞれの専門家が本気で分析する程には東京ディズニーリゾートに深みが存在する。

私も、大学のレポートで東京ディズニーリゾートを媒体として論を展開することがしばしば存在する(有難いことに独自性が評価され高い成績を頂くことが多い)。

これはひとえに、東京ディズニーリゾートはもはやただの遊園地などではなく、ひとつの「街」だからである。

結果として、趣味に浸っているだけで自然と知識や教養が身に付いている。

④周期性が存在するため人生の体感時間が長くなる

東京ディズニーリゾートでは季節ごとにイベントが存在し、また、年単位でいえば5年周期で「アニバーサリーイヤー」が訪れる。

その為、東京ディズニーリゾートを追いかけ続ける限り季節・年単位での周期的な時間感覚が生じ、従って同じような毎日を送りがちな一般の「人生」と比べ人生の体感時間が長くなる。

「2018年の夏はどうでしたか?」と問われ、すぐ「こんな事をしていて、こんな事に悩んでいました」等と頭に答えが浮かぶ人は果たしてどれだけいるのだろうか。
私は一瞬で当時の東京ディズニーリゾートに通っていた自分の姿を脳裏によぎらせることが出来る(「私は当時中学3年生で、ディズニー夏祭りの"燦水!サマービート"にハマっていた」というように)。

東京ディズニーリゾート自体がものさしとなり、日々の「日常」をいつまでも「人生」として記憶に遺してくれるのだ。

デメリット

①財政を圧迫する

東京ディズニーリゾートはとにかく金がかかる。
交通費、パークチケット代、グッズ代、飲食費…。

また、視覚情報の質が非常に優れている場所であるため「カメラ」という趣味を内包している場合が多く、一眼レフカメラ周辺にかかる初期コストが存在すればさらに財布の中身が消え去る。

どれだけコストを抑えようとしても、1回のパーク来訪にかかるお金は1万円を超えてしまう(これはとにかく年間パスポートが執筆現在存在しない事に起因する)。

客単価はこれからも上がり続けることが予想されているため、東京ディズニーリゾートに本気で通おうとすれば、財布とにらめっこの日々を覚悟しなければならない。

②世間の音楽に疎くなる可能性

東京ディズニーリゾートのショーやパレード(ショーパレ)を好きになった場合、日常的にそれらの音楽を聴くことになるーが、ショーパレは一般的に1曲25分程度もあり、従って世間一般で流行っている音楽を聴く時間が圧迫される。

これは特に界隈に入りたての頃に起こりがちな現象である。
40年以上の歴史を誇る東京ディズニーリゾートは、過去に数多もの名ショーパレを産み落としてきた。それらを一気に聴こう(知ろう)と思うと、信じられない位の時間を要する。

反対に、世間一般で流行っている音楽に疎くなり、日常会話で苦労する場合がある(私は当時相当苦労した)。

③界隈が不安定

治安は安定しているが、界隈自体は非常に流動性が高く、安定していない。

この界隈は常に、運営会社であるオリエンタルランドの経営方針に振り回され続けている。
好きなショーパレ、好きなキャラクター、好きなアトラクション、好きな景観、好きな施設、そして東京ディズニーリゾート自体…その全てに明日が保障されていない。

最近では急に大人気アトラクションである「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」のクローズが発表された。とにかく落ち着きがない界隈である。

従って、日々の喧騒から逃れる精神安定剤としての趣味には向かないものになる。

④アイデンティティとして確立しづらい

Dオタというカテゴリー自体が非常に曖昧なものになっており、アイデンティティとして確立することが難しい。

どこまで行けば自分はDオタとして成熟しているのかがまるで分からない。
界隈がめちゃくちゃ広すぎて、幾ら深めようともいつまでも底が見えない。

時にDオタというレッテルを剝がしたくなることもある(アイデンティティ・クライシス)。もっと容易に積み上げを実感できる領域は多数存在する。この場所は"底なし沼"という表現が的確である。


以上、Dオタになるメリット・デメリットを挙げてみた。

この界隈に属していると(デメリットで挙げたように)辛いこともそれなりにあるのだが、それでも今日までこの場所を離れていないという事は、私はDオタで良かったのだと思う。

おわり

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