【読書】もう誘拐なんてしない 東川篤哉・文春文庫
タイトルを見た瞬間、浮かんできたのは槙原敬之のあのメロディ。
♪もう恋なんてしないなんて~言わないよ絶対~♪
(字数に無理あり)
さて。
東川篤哉の小説を読むのは初めて。
名前こそ見知ってはいたものの、どんな作品があるのかも知らず。
ポップな表紙から察するに、ライトミステリーなんだろうと手に取った私。
その予想どおり、物語は明るく軽やかに進む。
このまま明るく楽しく終わるんだと思いながら読み進める。
台所でさつま芋をふかしながら。
そろそろ芋に火が通った頃かな、と本を置いて串を刺す。
まだもう少し、と鍋にフタをする。
再び文庫本を手に取って、そして気がついた。
このまま物語が終わるには、ちょっと残りのページ数が多すぎる。
後日譚でもおまけについてるのだろうか。
なんだかおかしいぞ。
そう思って焦って先を読み進めていくと、物語は本物のミステリーに変貌する。
なんだこれ!
立派な、本物の、ちゃんとしたミステリーじゃないか。
観光地でミステリー。
王道すぎる。
だまされた。
ライトなのにライトじゃない、ちゃんとしたミステリー。
それがこの「もう誘拐なんてしない」だった。
もう早とちりなんてしない!
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