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【本に寄せて】卒業のための犯罪プラン(浅瀬明・宝島社文庫)
可愛い表紙だ。
しかし「このミス」の文庫グランプリ作品である。
「ただの可愛い」のわけがない。
帯に書いてあるのは『単位は買ってでも取得しろ!』。
え?
単位って買えるんだっけ?
そんなら不肖の息子の単位を・・・もがもが。
さらに書いてあるのは『大学卒業をかけた、一世一代の大仕掛け』。
大学の単位の話なら、「卒業」がかかってくるのは当然読める展開だ。
しかし驚くことなかれ。
主人公・降町歩(ふるまちあゆむ)はまだ2年生である。
なぜ卒業?
さらに帯に書いてあるのは、ライター瀧井朝世氏のコメント。
ユニークな設定、文章力、テンポもよくて一気読み。さまざまな人物が有機的に連なっていく過程も面白かった
コメント後半の「人物が有機的に連なっていく」に心ひかれたのだ。
本当に有機的に連なるんだろうか。
それが真実なら、かなり面白い話なのではなかろうか。
そう思って手に取ったのだ。
読んでみると、たしかに「ユニークな設定」で驚いた。
来年にも、どこかでこんな大学が出来てもおかしくない(かな?)。
「楽天大学」とか、どうだろう。
経済とか商売とかの話題が不得意な私には、ほとんど大学内だけのストーリーになっているというコンパクトさが、理解しやすくてありがたかった。
ちなみにそういう系に強い方にとっても、「ユニークな設定」ゆえに大学内だけというコンパクトさは、自然なものに感じられると思う。
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