浅野文月

東京都出身。岩手県北上市在住。平成29年より執筆活動開始、岩手日報社「北の文学 第81…

浅野文月

東京都出身。岩手県北上市在住。平成29年より執筆活動開始、岩手日報社「北の文学 第81号」にて『鷲ノ巣』入選本誌掲載。 令和3年『海底の手記』、令和5年『ゲノーモス真教会』で岩手芸術祭小説部門で優秀賞受賞。衆議院議員秘書、会社役員を経て現在は某通信制大学にて哲学専攻中。

最近の記事

処女作 掌編『シュメルト』

人生で初めて書いた小説(ショートショート)です。今から八年ほど前でしょうか…… 出来が良いのか悪いのか当事者としてはさっぱりわかりませんが、親友はこの作品が一番良いと言いますし、当事者なりに分析すると文体は今も変わらないなぁと成長のなさを感じる部分もあります。 (スマホで読みやすいように、適時改行やスペースを入れております) ------------------------------------------------  日本おいてシュメルトと呼ばれる文化が欧米から持ち

    • 掌編『花とバケツ』

      掌編『tobujikandesu』 破滅派さんに投稿しています。 花とバケツ | 浅野文月 | 小説 | 破滅派|オンライン文芸誌 (hametuha.com) 被害者の家族。加害者の家族。どちらが不幸か比べることはできるのでしょうか? 読んだ後、少しでも考えて貰えると幸いです。

      • 掌編『tobujikandesu』

        掌編『tobujikandesu』 破滅派さんに投稿しています。 tobujikandesu | 浅野文月 | 小説 | 破滅派|オンライン文芸誌 (hametuha.com) 「とぶ」とはいったいなんなのであろう。飛ぶ・跳ぶ・翔ぶ・トブ…… 一つの「単語」から導き出された掌編。 さあ、あなたもとんでみますか?

        • 掌編『一九五三 東京』

          掌編『一九五三 東京』 破滅派さんに投稿しています。 一九五三 東京 | 浅野文月 | 小説 | 破滅派|オンライン文芸誌 (hametuha.com) 歴史に「もしも」は禁物である。しかし我々はもし過去がああであったならばと想像をしてしまう。この掌編はその一つの回答。 日本はアメリカと戦争をし、そして負けた。もし、負けもせず勝ちもせずにあの戦争が終わったらどうなっていたか…… (前書きのみ)  一九四一年十一月にアメリカから通牒されたいわゆるハル・ノートをそのまま受け

        処女作 掌編『シュメルト』

          掌編『ジャズ・ジャイアンツの肖像』

          掌編『ジャズ・ジャイアンツの肖像』 破滅派さんに投稿しています。 ジャズ・ジャイアンツの肖像 | 浅野文月 | 小説 | 破滅派|オンライン文芸誌 (hametuha.com) とある都内の私設美術館にあるジャズメンを描いた一枚の絵画。ジャズファンの間では有名な絵であるのだが…… 偉大なるジャズドラマー最後のギグに接した者として、彼の思い出のために書いた掌編です。

          掌編『ジャズ・ジャイアンツの肖像』

          短編『或る日』

          短編小説『或る日』はアルファポリスさんのサイトで掲載中です。 或る日 | 歴史・時代小説 | 小説投稿サイトのアルファポリス (alphapolis.co.jp) 戦争とは始めるも終わるも困難であるが、終わらせるには誰かが修羅とならねばならぬ。 昭和20年12月1日、元首相で最後の海軍大臣であった米内光政は海軍省解体を昭和天皇に報告するために皇居を訪れる。米内は天皇よりポツダム宣言を受け入れたのはなぜあの時であったのかを聞かれ…… ※事実をもとにしたフィクションです

          短編『或る日』

          夏目漱石『それから』を読んで

          夏目漱石 それから 明治42年 新潮文庫  恥ずかしいことだが、私は夏目漱石をあまり読んだことがない。  中学生の時と数年前に『こころ』読み返し、『吾輩は猫である』は始めくらいを読んだくらいだ。『こころ』については違う機会に述べたいと思う。  この度、『それから』を初めて読んでみた。 『三四郎』、『それから』と『門』はいわゆる三部作と言われているが、一作一作は独立されているらしい。それでも『三四郎』から読めばよかったのかなと、読み終えた後に少し思ったりもしている。  よく

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          高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』を読んで

          高橋源一郎 昭和57年 さようなら、ギャングたち 講談社  高橋源一郎氏は文芸誌の新人賞の審査員。また新聞や雑誌での発言。本の帯や解説(特に夏目漱石について)。YouTube等でよく目にしていた。やたら早口で話が脱線をするも最後には元に戻す才人だと認識していた。また一時期、作家の室井卯月と結婚をしていたことも。  恥ずかしながら私は高橋源一郎氏の本を一冊も読んでいない。そこでデビュー作の『さようなら、ギャングたち』を手に取ってみた。なお、私は本を読むのが遅いので、三日かか

          高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』を読んで

          ゲーテ『ファウスト』を読んで

          ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ Johann Wolfgang von Goethe ファウスト 1831年 高橋義孝訳 新潮文庫  裏表紙をめくってみると平成8年9月30日56刷と書いてある。古本で買った記憶はない。実際に上巻も下巻も値札の後や消しゴムで消した後がないので、新品で買ったのだろう。  何度か手に取ったが、いずれも第一部の途中で挫折をして、本棚のなかで在庫処理もされることもなく陳列されていた『ファウスト』を、購入から二十年以上経ってようやく最後まで

          ゲーテ『ファウスト』を読んで

          芥川龍之介『羅生門』を読んで

           岩手に引っ越す前に、東京の大塚に住んでいる伯母と散歩をしようと計画をし、細い道をつらつらと歩いて巣鴨のとげ抜き地蔵通りに着いた。初めてとげ抜き地蔵で有名な高岩寺にお参りをし、桜はもう散ってしまっているだろうが、駒込染井まで足を延ばしてみた。染井霊園近くのお寺さんに芥川龍之介と谷崎潤一郎の分骨墓があったと記憶していたからである。伯母は東京のあちこちを散歩するクラブに入っているので、染井までの道も慣れたものであった。  後日、ざっと芥川の掌編や谷崎の『春琴抄』でも読み直してお

          芥川龍之介『羅生門』を読んで