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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.56

リュウさんは、韓国へ案件を持ち帰り、収縮タイプへの改造という課題について社内に働きかけることを約束した。
リュウさんとキムさんとの最初の打ち合わせは、その様にして終了したのであった。
兎にも角にも、こちらとしてはPASECOの対応次第。本当にちゃんと収縮タイプのウォーターサーバーが出来上がってくるかどうかを慎重に待つのみだ。
だが、『GD-501HS』の時とは違い、今度の相手は上場企業なのだ。
吉報を期待した。

次にKOTRAのキムさん経由で、PASECOからの依頼事がやって来たのは、先のミーティングから二週間頃のことであった。
その依頼とは、検証用に実際に水が入った12リットルボトルを韓国の工場に送って欲しい、というものであった。
PASECOの社内コンセンサスは無事に取れたということだ。
僥倖である。
それならば無論こちらも協力は惜しむべくもない。直ちにDHLでMCMのめぐみ Pureの実際の商品ボトルをソウルへと送った。

お客様紹介


さらに時の経つこと二ヶ月半。
2017年11月24日、二年半振りに私は韓国を訪った。KOTRAのキムさんも大阪から向かった。
キムさんと、PASECOのリュウさんとは金浦空港で待ち合わせしたのだが、キムさんが一番最後に到着の予定とのことで、30分ほど空港のカフェでリュウさんと二人っきり。
仕方がないので、拙い英語を使うしかなく、なかなか辛い時間であったが、リュウさんとは、個人的なーー例えば彼の奥さんのお仕事の話などのーー会話も出来たので、なんとなくお近付きになれた様な気もして、それほど無駄な時間でもなかった。

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今回の韓国出張の目的はPASECO訪問。
取引の前に、まず会社を見て欲しい。そんな具合だ。
車で移動すること一時間ほど。
土地勘の無いこの身としては、一体どの辺りに位置するのか見当も付かないが、割合と街の中にPASECOは在った。
広い敷地内に社屋と倉庫、そして巨大な工場。かなりの規模である。一体、社員は何千人だろう? というでかさだ。上場会社は伊達ではない。

一通り工場内を見せてもらい、本社社屋の二階の会議室へと通された。
そこはショールームの様にもなっていて、暖房器具やら台所用コンロのセットやら、その頃から流行り出していたスチームウォッシュ&ドライ「LG Styler(LGスタイラー)」もあった。彼らが一部製造を請け負っているのだそうだ。

打合せには、リュウさんに加え、パクさんという海外販売事業のジェネラル・マネージャーも参加した。リュウさんの上司だ。
会社訪問が出張の主目的とは言っても、彼らもこの二ヶ月間で何もしていなかった訳ではなかった。
収縮タイプのウォーターサーバーへの改造に関し、基礎のデザイン設計は出来上がっているらしい。
粗造りで簡単な、モックアップの様な物ではあったが、試作機も一台用意されていた。

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従来製品『PWD-1500』を流用したそれは、サーバー本体の外見は変わりはない。
『GD-501HS』では、水が減るのに従って潰れていくボトルが、最後まで水が出き切る様にする為に、サーバー上部のボトルを載せる面を、平面ではなくすり鉢状にする為に、該当部のパーツ形状に手を加えたのだったが、PASECOは、従来のサーバーにボトル受け用のパーツを被せるというアタッチメント式を採用したのだった。
まず、受け部をセット、次にボトルを挿す、そして最後にボトルカバーを被せるのだ。

パーツの追加により、ほんの少し単価を上げたいとリュウさんが言い出した。
「むむ」
と、少し構えはしたものの、それは許容範囲内程度の値上げであったので、内心ほっとした。
いや、もう、やめて。ビビらせないで欲しい。いや、まったく。

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それよりも最大の重要課題は、サーバー内部の機構が収縮ボトルにキチンと対応が出来ているのか、である。
ただ、今回の試作機は、機能テストが出来る様なものではない。飽くまでもデザイン設計の擦り合わせ用であるので、使用してのテストは次段階へと持ち越しとなる。


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