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美味しく飲んで、意識せずいつの間にか健康に。カテゴリー・クリエイターへの挑戦 Vol.55

PASECOの『PWD-1500』には、衛生面でもメリットが有った。
通常ではFRPを素材としている冷水コックへの配管にも、温水配管と同様にステンレス素材を使用している。これは配管内にミネラル分が付着して溜まってしまうことを防げるということだ。
さらには、最高グレードの機種であれば、冷水タンク内部にUV殺菌機能を備え、内部で定常的に殺菌を行なってくれる。
安全面や、清潔面でも高機能なものとなるのであった。

はいかん
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しかも、丁度アンケートでお客様からの要望があったこと等と合致することも数多く、これは既存顧客に対して、サービス向上を謳えそうであった。
それらは何かというと、まず、サーバー上部のカバーを簡単に外せ、冷水タンクにすぐアクセスできる設計なので、お客様ご自身での日頃のお掃除も可能となることだったり、コックと水受けの間が200mmと大きめのスペースを設けてあり、「コックから500mlペットボトルにお水を入れるときに高さが足りない」なんてお言葉にもお応えすることが可能となる。

ふた
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それよりも何よりも、当社にとってはもっと大事なメリット。それは価格であった。
リュウさんが口頭ながら提示した値段は、かなり魅力的なものであったのだ。
流石はトップからの直命だ。リュウさんにしてみれば、絶対に成功させねばならぬマスト案件なのだ。
背の高さを始めとする利便性、安全度が増す機能性、それに加えて仕入れコストも下がるのであれば言うことはない。

しかし、これ程のメリットの数々でありながら、当社以外のウォーターサーバー競合他社たちに総スカンを食らったとは、実に気の毒だ。
もっとも、或る程度の規模の会社というのは、既定路線から外れる行動を嫌うものだ。それは既存仕入先を簡単には変えられないという事業構造上のしがらみもあるだろうが、組織の弛緩、つまり下手に余計なことをして仕組みを変えようとすると、面倒くさーい圧力に見舞われるから、いいや、何もしないでおこう、という思考が働くものだ。
その点では、ウチの様な弱小な会社は意思決定が簡単だ。これだけメリットが有って躊躇することはない。

現行機種の『GD-501HS』のリリースから二年強。そろそろ新機種でも欲しいところである。
それ以上に、前の会社での揉め事をもたらした張本人の、あのサーバー仕入れ業者と、これ以上のお付き合いをするのはご勘弁だった。当然、『GD-501HS』の追加仕入は避けたいところでもあった。
まさに渡りに船だ。

いのべ


だが、PASECOとしてはどうなのだろう。
仮にも韓国に於ける上場企業である。
幾ら前の会社時代からを含めれば、2017年8月の時点で六年半の事業実績が有るとはいえ、当社の様な吹けば飛ぶよなヘッポコ企業と取引なんかして間尺が合うのだろうか。
そのことについて、その場でリュウさんにハッキリ尋ねたが、その答えは「No Problem」。企業の規模は全く関係が無いとのことだった。
即答だ。
流石、マスト案件。

しかし、諸手を挙げて大歓迎という訳には簡単にいかない。
問題が一つ有る。
PASECOのウォーターサーバーは、現状、収縮ボトルに対応していないのだった。リターナブル用ボトルなどの固いボトルを用いるタイプのウォーターサーバーしかないのだ。
それでもリュウさんはめげることはない。
収縮タイプへの改造も厭わないと平然と言ってのけた。
だが・・・そう言うリュウさんを目の前にして、私には多少の危惧の念が浮かんでいたのであった。

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それは、『GD-501HS』の導入の際と同じ始まり方だったからだ。あの時も、リターナブル用のサーバーを収縮タイプへ改造したのだった。
他社製の収縮タイプを参考にし、そして同様のパーツを使って改造するのだから対応は容易に可能だ、と先のメーカーは言った。
だが、それでも初ロットで品質上のエラーが生じた。
最初の改造の為の筐体金型というイニシャル費用の発生がまず有り、それから不具合改善用のさらなる追加のコストまで発生し、「何故不具合に関するコストまで面倒を見なければならぬのか。メーカーとしての矜持は無いのか」と、納得がいかず揉めもしたのだが、結果として全て支払いさせらされ、金銭面の負担もあの時は大きかったのだ。

もっとも、金銭面の不安は即時に解消した。改造に掛かるコストは自社負担するとリュウさんは言う。
流石、マスト・・・いや、もうやめておこう。

但し、その為に、改造後の製品もMCMのめぐみ専用機ではなく、他社に向けても販売をすることにはなる、とリュウさんの言葉は続いたが、元よりそれに関しては、こちらにはなんの問題も有りはしない。
互いに了解を交わした。

お試し


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