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香川県(丸亀通学圏)ホンネの高校選び【無料記事&有料相談】

香川県(丸亀通学圏)にあるすべての高校の特徴と選び方を、朝森久弥が解説します。偏差値という指標をあえて使わず、進路希望や学習内容に本音で向き合い、高校受験生とその保護者の方が「入って楽しめる高校」を主体的に選べる情報を提供します。

この記事でいう丸亀通学圏とは、以下の市町村のことです。

丸亀市、坂出市さかいでし、善通寺市、多度津町、宇多津町うたづちょう、まんのう町、琴平町、三豊市みとよし観音寺市かんおんじし

香川県の高校の通学圏は、県東部の「高松通学圏」と、県西部の「丸亀通学圏」の2つに分けることができます。高松通学圏の高校選びを知りたい人は、「香川県(高松通学圏)ホンネの高校選び」をご覧ください。


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  • 都道府県の個別事情によらない一般的なアドバイスを知りたい人は、noteのマガジン「朝森久弥流・ホンネの高校選び」をご覧ください。

  • この記事はとくに断りがない限り、2024年7月時点の情勢に基づいて執筆しています。将来的に、高校の統廃合やコース名変更などが起こる可能性があります。

  • さまざまな高校受験生のニーズに合わせてオススメの高校を紹介しますが、この記事を書いた朝森久弥に個別に相談したい人は、記事の最後にある「購入手続きへ」のリンクからこの記事をご購入ください。


丸亀通学圏の高校一覧

中学校卒業者数:3391人(2023年3月)
高校数:21校(公立14校+国立0校+私立7校)+高専1校

地図はGISソフト『MANDARA』で作成。
青色は公立、赤色は私立、下線付きは中高一貫教育を行っている学校。【 】内は課程・学科の種類を表し、全日制普通科(理数科など特進系専門学科を含む)は大学進学率が高い順に1・2・3で分類。進学校Map 三訂版で進学校に選定した学校は丸付き数字①とした。
市町村名の下に付けた( )内の数字は2023年3月中学校卒業者数を表す。通学圏外の市町村には※を付けた。

丸亀市のJR丸亀駅をはじめ、JR線沿線に多くの高校が集まっている。通学圏東端のJR端岡駅(高松市)からJR丸亀駅までは片道約30分、JR讃岐財田駅からJR丸亀駅までは片道約50分かかる。

境界地域の特例で、高松市の端岡駅周辺は、第2学区の普通科・理数科にも出願を認められている。

もっとも、JRが1時間に1本未満しか走っていなかったり、家がJR駅から離れていたりすると、通学は困難を極める。参考までに、JR讃岐財田駅から丸亀高校(丸亀市)に通っていた人の動画を紹介しておく。

通学圏東端のJR箕浦駅からは、6時43分発の予讃線快速サンポートに乗れば、7時31分にJR丸亀駅に到着できる。これでもなかなか不便なので、三豊市と観音寺市在住者は一部を除いて丸亀市まで行かない高校選びをする傾向がある。そこで丸亀通学圏をさらに2つに分け、三豊市と観音寺市を「三観サブ通学圏」、残りの丸亀市、坂出市、善通寺市、多度津町、宇多津町、まんのう町、琴平町を「丸亀サブ通学圏」とよぶことにする。

丸亀通学圏は、香川県立高校で定められている第2学区とほぼ一致する。
綾川町は第2学区だが、境界地域なので第1学区の普通科・理数科にも出願を認められている。実際のところ、綾川町は丸亀市よりも高松市の方が鉄道でアクセスしやすいので、この記事では高松通学圏に分類した。

いわゆる難関大学を目指すなら

公立なら丸亀高校(丸亀市)、私立なら大手前丸亀高校(丸亀市)をまず検討する。丸亀高校の合格ラインは学力上位8%以内(中学校35人クラスで3位以内)が目安。大手前丸亀高校は完全中高一貫校で中学入試でしか入学できない。香川県の高校でほぼ毎年東京大学合格者が現れている高校は、高松高校、丸亀高校、大手前丸亀高校の3校に限られる。

丸亀高校が学力的に少し厳しい場合、丸亀サブ通学圏の人は坂出高校(坂出市)、三観サブ通学圏の人は観音寺第一高校(観音寺市)を選ぶ。丸亀市には公立でこのポジションにあたる高校はなく、私立の香川県藤井高校(丸亀市)の普通科ユリーカコースがこれを担っている。坂出市在住であれば、高松市西部にある私立の香川誠陵高校も比較的通いやすいだろう。

三豊市のJR讃岐財田駅周辺(三豊市立和光中学校区)はJR予讃線からは離れているが、讃岐財田駅前から観音寺第一高校前までを直通でつなぐコミュニティバス(片道約1時間)が出ている。

ほかにも、坂出第一高校(坂出市)の普通科特別進学コース、尽誠学園高校(善通寺市)の普通科特別進学コース、四国学院大学香川西高校(三豊市)の普通科特別進学コースがいわゆる難関大学進学を目指す人向けのカリキュラムを用意しており、これらも含めれば丸亀通学圏のほぼ全域で選択の余地があると言える。

大学には行きたいと思っているなら

もしあなたの学力が上位25%以内(中学校35人クラスで9位以内)ならば、前述の「いわゆる難関大学を目指すなら」で挙げた高校・クラスのどれかには入れるので、そちらを目指した方が大学進学には有利だと思われる。そうではないが大学に進学したい人には、次のような選択肢が考えられる。

丸亀サブ通学圏在住であれば、公立である善通寺第一高校(善通寺市)の普通科または丸亀城西高校(丸亀市)が通いやすい。この2校を比較すると、善通寺第一高校の方が合格難易度が少し高く、国公立大学受験を目指す生徒の割合が高い。私立なら、香川県藤井高校(丸亀市)の普通科特別進学コースや、尽誠学園高校(善通寺市)の普通科進学コースを検討する。

三観サブ通学圏在住であれば、公立の高瀬高校(三豊市)が通いやすい。

高校で芸術をとことん学びたいなら

坂出高校(坂出市)は音楽科をもつ。入学定員は20人と少ない。
美術科志望なら、高松市にある高松工芸高校(高松市)まで行くしかない。もしやりたいことが「デザイン」なら、善通寺第一高校(善通寺市)のデザイン科や、坂出第一高校(坂出市)の普通科選択型コースからデザイン類型に進んでもよい。

大学進学以外の進路も考えるなら

商業科志望なら、公立の坂出商業(高松市)か、私立の香川県藤井高校(丸亀市)を選ぶ。三観サブ通学圏からだとこの2校は遠いので、観音寺総合高校(観音寺市)の総合学科で商業系列を選ぶ手もある。

工業科志望なら、機械科・電気科・化学工学科・建築科をもつ坂出工業高校(坂出市)、機械科・電気科・土木科・建築科をもつ多度津高校(多度津町)、機械科・電気科・電子科をもつ観音寺総合高校(観音寺市)の3校から選ぶ。また、善通寺第一高校(善通寺市)のデザイン科は一応工業科に属することになっている(高松工芸高校のデザイン科・工芸科と同様)。
丸亀通学圏の人でも通いやすいとは言えないが、香川高専の詫間キャンパスが三豊市にある。このキャンパスは、通信ネットワーク工学科・電子システム工学科・情報工学科をもつ。

農業科志望なら農業経営高校(綾川町)か笠田高校(三豊市)のどちらかで、通いやすいさと学習内容を調べて選ぶのがよいだろう。

家庭科志望なら、公立である笠田高校の生活デザイン科か、私立である坂出第一高校の食物科を選ぶ。坂出第一高校の食物科を卒業すると調理師免許が取得できる。

看護科志望なら、公立の飯山高校(丸亀市)、私立の尽誠学園高校(善通寺市)、私立の四国学院大学香川西高校(三豊市)の3校の中から選ぶ。
飯山高校の看護学科は5年一貫教育(高校+専攻科)で看護師を目指す。
尽誠学園高校の衛生看護科は3年で准看護師の資格取得ができるが、専攻科をもたないので看護師の資格を得るには卒業後に他の学校に進学する必要がある。
四国学院香川西高校の衛生看護科は専攻科をもち、高校+専攻科の5年間で看護師を目指すこともできるし、3年で准看護師の資格取得も可能。

多度津高校は、県内唯一の水産科(海洋技術科・海洋生産高校)をもつ。
坂出商業高校は商業科のほかに情報技術科は専門科目としての「情報」を多く学ぶ学科があり、ここでは簿記などの商業科目の授業はない。

職業学科にこだわりがない場合、
公立ならば、飯山高校の総合学科、琴平高校(琴平町)、観音寺総合高校の総合学科を検討する。
私立ならば、香川県藤井高校の普通科グローバルコース、尽誠学園高校の普通科アスリートコース・アビリティコース、坂出第一高校(坂出市)の普通科選択型コース、四国学院香川西高校の普通科スポーツコース・キャリアコースを検討する。

全日制以外の高校は

公立では、丸亀高校(丸亀市)が定時制課程と通信制課程の両方をもち、観音寺第一高校(観音寺市)と多度津高校(多度津町)が定時制課程をもつ。丸亀高校の定時制課程では昼間(午後3時ごろ)から授業を受けることで3年で卒業することもできる。
私立では、村上学園高校 丸亀校(丸亀市)、RITA学園高校(多度津市)が通信制課程をもつ。丸亀市内にはほかにも、スクーリング先のキャンパスをもつ私立の通信制高校がいくつかある。

香川県の高校入試事情

県内の幅広い地域に私立高校が存在するので、公立高校の定員は、私立高校にある程度入学者を誘導する、つまり不合格者が出るように設定されている。それでも、公立高校の一般選抜の志願倍率は各校1.2倍以内に収まることが多い。公立高校の一般選抜で課される学力検査の得点を占うにあたっては、中学校内で行われる学習の診断(通称:診断テスト)という香川県独自の県内統一実力テストが主に用いられている。

ちなみに、香川県ではすべての公立高校で県外からの生徒を募集しており、県内の受検者とは別枠で定員を設定している。

公立高校入試は大きく自己推薦選抜と一般選抜の2回に分かれる。

自己推薦選抜は面接に加えて、総合問題(英語・数学・国語)・作文・適性検査(専門に関わる実技検査)のいずれかが課されることが一般的で、これらの結果と調査書を踏まえて選抜される。競争率は各校2~3倍程度になっており、"出願できれば受かる"試験ではない。
なお、自己推薦選抜では2023年度入試から、他学区の全日制普通科・理数科に出願できるようになった。もっとも、高松高校や丸亀高校などでは自己推薦選抜自体を実施していないので、他学区からの受検は今もできない。

一般選抜は学力検査と面接、調査書で評価される(美術科・音楽科では適性検査も)。
学力検査は50点×5教科=250点満点。傾斜配点制度はない。
調査書は1~3年生の評定(いわゆる内申点)が点数化される。3年生の5教科は2倍、3年生の実技4教科は4倍に換算され、合計220点満点(=45+45+25×2+20×4)となる。

学力検査と調査書の点数は単純に合計するのではなく、それぞれで点数が高い順に受検者を並べて5段階の相関表を作成する。相関表の段階は、5が7%、4が24%、3が38%、2が24%、1が7%と決まっていて、この扱いは全校で統一されている。実質的には学力検査と内申点がほぼ半々で評価されると考えてよく、全国的にはやや内申点重視と言える。

公立高校入試の一般選抜の学力検査は、平均点が140点台前半(得点率57%)前後で推移している。【1】の普通科を目指すなら180点(得点率72%)以上を目標にしたい。

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