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ボックス席は人生の交差点

むかしから、日本のグリーン車でもたまたまお隣だったご縁でおやつや焼き鳥やビールなどをわけてもらうことが少なくないのですが、イタリアでも特急に乗ると毎回お友達がふえていきます。(たぶんこれは在外の日本人あるあるなのではないでしょうか。しらんけど…)

旅は道連れ世は情けとはよくいったものです。

特にイタリアにきてからは"その道の結構突き抜けたひと"に偶然出会うことが少なくないのだけれど、恥ずかしながらあまり詳しくない業界の方だったりすると、しばらく気軽に話しすぎて、しびれを切らした(?)相手にお仕事を明かされることが結構あるあるだったりします。無知でごめんなさい…。笑
でも、そういう出会いでゼロからその世界を教えてもらえるのがまた楽しいのです♬

昨日も5時発24時着という日帰りの長旅の中で、不思議なご縁に恵まれました。

▲ここでちょうど南仏の話をしていたら正面に座ったマダムがちょうどモナコの劇場帰り。ボックス席でコンセントを探していたので「コンセントなら、ここにかくれていますよ♬」と伝えると、「さっきお友達とのお話を聞いたけれど、あなた歌手なの?スカラでは歌ったことある?」と話を続けてくださいました。

この質問ってイタリア人に歌を歌っていると答えると80パーセントくらいの確率で返ってくるので、もはや定型文のように

「スカラは…私の夢なんです。」

と答えています。本当に夢ですしね。素晴らしかったなぁ、おとといの公演も…

すると「私もね、アートがすきなの。」といって劇場のお話をひとしきりしてくださったあと、「実は私の息子はバレエをやっているの」と聞けば詳しくない私でも知っている、スカラ座でもよく踊られている有名バッレリーノのお母様でした。

このマダム、スカラの話をし出す前に、私に「あなたはイタリア人?」と聞いてくださいました。きっと国籍を聞きたかったのだろうけれど、彼女なりの経験から最大の配慮をしながらの質問だったのだろうなと思うと「日本人ですか?」とあててくださるのとはまた別の意味で嬉しかったです。

すごくニューラルで、でも信念があって。

息子さんがこれまで大きな怪我をしたことがほとんどないことを「かなり運に恵まれた結果だ」とおっしゃっていたり「その分一度小さな怪我をした時は選手生命が絶たれたくらい打ちひしがれていたのよ。周りの他のみんなはそれと向き合いながら最高を目指していたというのにね。笑」とお話してくださったりと、興味深いお話が盛りだくさんでした。

私でいうところの声が出ないみたいなものだと思うし、やはり私も打ちひしがれると思うのでこのたくましい言葉がまた心に沈むように入ってきました。笑

途中同席した方が日本のスポーツ記者の方でありながら、またアートにまつわるイベントのオーガナイズをされたりと多方面でご活躍の方で、マダムのお話に興味津々だったようでお話に仲間入り。エネルギーに満ちているステキな女性で、この方ともお友達になれました。とっても嬉しい。

(記者をされているとのことなのでご自身についてお話されていた内容の記載はここまでにしておきます。)

▲彼女との出会いもまた、このほやほやの経験とかなり近くて不思議なご縁を感じます。

マダムご本人はバレエをしていたわけではなく、また別のご職業でご活躍だった方なのでここでは控えておきますが、彼女の人生や今飼っているわんちゃんのことまで、いろんなお話をしてくださいました。

お二人ともお子さんがいらっしゃるということで、話は"好きなことをする人生が幸せか、リスクを回避させることで実りを妨げてしまうかどうか"という話になると

"素晴らしい経験をしたけれど、この同じ人生の中で2度と同じことはできない(果たしきれない)"

という話になり強く共感してしまいました。

きっとそんな言葉がでてくるのは、今しかないこの瞬間にかけることの繰り返しだから。

こんな生き方の人もいるし、違う人もいる。どちらが幸せとかではないのだというところでマダムに同意しつつも

生きる術として好きなことを継続する変態性(というと語弊があるかもしれないけれど、このあたりはまた思うことをかければと思います。)に話が突入しようとしたところで解散となってしまったので、「もう少し話したかったなぁ…」と思いながらお話をしめていたところ

お二人ともご連絡先をくださったのでまた次の機会を得られそうです♬

こういう人たちって共通して自分の興味に自然に素直に動き出してしまっている気がするし、そんなところがとてもチャーミングだなぁと思うのです。

お二人とも素敵だったので、早めの再会が実現するといいなぁ。本当に。

片道5時間の旅、喋りっぱなしであっという間でした♬笑

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山田 麻美
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