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ハケンの私がおもうこと

今日は、デザインの参考情報とかもない、個人的なつぶやき記事ですよ〜

オンラインイベントに参加した話

2つのオンラインイベントに参加して感じたことを自身の備忘のために更新します。

先日、オンラインサウナバザールというイベントに参加しました。

サウナや銭湯に気軽に行けない日々が続く中で、サウナ・銭湯施設やファンたちが集える場を作ろうという想いで立ち上げてくれた素晴らしいイベントでした。

詳細は、参加した方がブラサウナというこちらのブログでわかりやすくまとめて下さっています。他の記事も、起承転結があっておもしろいし、読みやすくておすすめ。

私はイベントロゴの制作と出店者という形で携わらせていただきました。Remoというツールを使った、このイベントにはとても可能性を感じたので、そこでの発見や、ロゴデザインの話はまたあらためて別の記事で書こうと思います。

そして、サウナバザールの翌日である5/3(日)には、
私の愛する街、高円寺を舞台にした高円寺パラレル祭という、これまたオンラインで開催されるイベントがありました。

こちらは配信を見る形で参加者として楽しみました。 イベント詳細はこちら


2020年5月。このところの世の中の変化は早くて大きくて、一度立ち止まって考えたいなと思っていたのでまとめました。

普段は古びた喫茶店や銭湯で、オフラインにして手帳や脳内でこういう時間をとっている私ですが、いまはどちらも気軽には行けないので、自分と向き合う時間もおうちでnote更新、という形にしてみました。


私の生き方のはなし

私は現在、派遣社員という生き方を、選択しています。

リモートワークで全く電車に乗らない1ヶ月を過ごしたのちに、コロナ感染も疑われないことから車で帰省した実家で、ドラマ「ハケンの品格」の再放送を観ていたら、

母がふと“この人助産師の資格もってるならそっちのほうが稼げるじゃない”とつぶやいた。

そこにどうにも、違和感を感じたし、私の生き方を否定されているようで、半ば親への反抗心のような気持ちもあって書いてます。こんなところ見てないけど笑


私が見ていた出版業界のはなし

デザイン(特に広告・出版系で月刊や週間の雑誌)の仕事に就いていると深夜、早朝の対応、印刷物だと何日までに色校正を出すには、何日までにデータを上げないと間に合わない

(のに、編集者からの素材入りが遅れ、デザイナーの作業時間がどんどん短縮され、結果徹夜で入稿データの作成&修正対応)

(小さいデザイン事務所はそれ前提でシャワー&夜食手当つきのところも)

(もちろん残業代は出ません)

などなど…。他の業界以上に、自分をすり減らして働くことが多かったように思います。


もちろん、そうじゃない会社もたくさんあると思いますが、私が見てきた会社の多くはそんな感じでした。途中、資格を活かして幼稚園勤務も挟みましたが、長く出版業界にいるとそれが「当たり前」と思って感覚が麻痺してしまいます。事務所によってはトイレを我慢しながらプレッシャーで胃を痛めながらデータ作ってるなんて先輩もいました。


それでも「ブラック企業」なんて言葉が出てくる前の時代の「スポ根美学の世代」みたいな業界人からすれば、だいぶ改善された方だという話も聞きますが。


「退社時間に、夕日で空が明るい」「平日の就業時間後に店が開いている」「ハッピーアワーに間に合う」 


そんなことはほぼ奇跡だと思っていました。


定時退社のサラリーマンが帰宅する時間の電車でやっと会社に戻ってまた仕事して、翌日早朝ロケとかもざらでした。。。そんな生活を、どこか業界人らしくてカッコいいと思っている人が多かった印象もあります。


読者とはかけ離れた生活を送りながら、読者に寄りそった企画なんて出来るのでしょうか。モテ女子コーデ♡とか作ってる現場は忙殺されてて女子力ゼロだわ、あの憧れモデルのカバンの中身♡のページレイアウトしてるこっちのカバンの中身は、栄養ドリンクと酒のつまみだわ!と思ってた時期もありました笑。


派遣になった理由

それが、2017年頃に心と身体を壊して初めて、異常だったと気づかされた。

 業界に長くいる人はそういう危機を乗り越えてこそ一人前、みたいに言う人も多いけど私はそれってなんか違うよな、と感じていました。


なにかを職人的に追求することや工夫やアイデアを形にしていくという点で、デザインの仕事は好きだけれど、そんなに自分をすり減らさなきゃいられない業界なら、この先私は続けられないな。と思いました。


そもそも沈みそうな船にしがみついてまで、する仕事ってなんだろう、業界全体が変わっていかないと、一人の力ではどうにもできないのかな、とも感じました。


高円寺パラレル祭の前半のほうのトークでも、 出版不況はコロナ以前から言われていたけれど、そのスピードはさらに早まるし、デジタルでコピーできるものはコピーでいいじゃん、となるよね、という話も出ていました。


そんな考えもあって最低限生活していくために必要なお金があれば、それよりも、幸せを「幸せだ」と感じる時間や気持ちを優先したいと考えて、デザイン系に特化した派遣会社に登録しました。


派遣デザイナーをやって思ったこと

派遣1社目では、他では学べなかったDTPスキルを学べました。2社目の会社では、とにかくボールを打ち返すスピード力が鍛えられたと思います。

が、そんなスキル面以上に派遣デザイナーになって得たことは、思い込みが全部覆されたこと。

明るい時間に帰れることや、ハッピーアワーで飲みに行けることにまず驚いた。未来の不安のために今を犠牲にして残業するということもなくなった。

自分が見てきた、たった数社の経験だけで「この業界にいる限り、ぜったい無理」と勝手に決めつけて諦めていたことが、実現可能だと知れた。


これは私にとっては大きな変化でした。


定時で帰って、ヨガや銭湯に行ける喜びが、私にとっては正社員でいることやたくさんお金を稼ぐことより、とても価値あることだと感じました。


派遣社員になると決めたら、まずは派遣元会社への登録が必要です。デザインのスキルチェックの試験と、登録面談に行った時は、

自分のすでに持っているスキルを出すだけでインプットがないから成長できないのではないか、という不安もありました。けれどやってみて思ったのは、そうなるかどうかは自分次第だということでした。


正直、頑張ってもボーナスや福利厚生があるわけじゃないし、一度の契約更新は3ヶ月間。その間の時給は変わらないので、手を抜こうと思えばいくらでも楽してお給料をもらう事はできるかもしれません。

情報媒体の場合はデザインの善し悪しよりもスピードと正しさが優先されることも多いです。自分目線だけにこだわっている暇はありません。

雇う側からしたら時給換算分の作業員なので、こちらは与えられた業務はきっちりこなすのは当然ですが。

それでも、その中で、以前の記事でも紹介した「思いやり」をいかに持って仕事するかどうか。毎回向き合う仕事に対して、そこにさえ気をつけていれば自分の成長が止まってしまうなんてことはないのだなと思いました。


高円寺パラレル祭のトークから

少し高円寺パラレル祭の話に戻ります。

私は下記の、高円寺にゆかりのある人たちのトークプログラムを見たあと、いくつかのライブ配信のブースを回ったりしました。

・13:30-14:30 コクテイル狩野さん & 抱瓶 高橋さん (高円寺ソウルフードとコミュニティ)  

・14:45-15:45 小杉湯の平松さん (癒しの拠り所、銭湯)

トークで話題に出て、とても共感した点をまとめました。

色々話していた中の、ほんの一部なので、ここだけ切り取ると意図せぬ伝わり方をしても良くないので、細かな発言者は書いていません。

Twitterでも#高円寺パラレル祭で投稿しましたが、 Twitter だと文字数制限もあるので改めて。

・今までお金があれば満たせていたものが手に入らなくなって、損得じゃないものに価値が出てきた 
・3蜜の良さってあるよね 
・蜜でありたい… 
・オンライン化が進む一方で物質的な良さを知っているということ自体が価値になる 
・体感しないとできないものだけ淘汰されて残っていく
・そこじゃないとダメ!ってものやクラフト的なものだけ残っていく
・「お金は後からついてくる」ではなくなるかも。ついてくる価値は「お金」ではないのかも それはちょっと幸せなことなのかもという感じはしている
・全てgive&giveな世界で生活していく幸せ。お金じゃない何かを提供し合う世界とか
・全部乗り換えろというより、オンライン「も」やることで世界中から高円寺に人が来てくれるなど分母が広げられる
・戦略や仕組みをつくってる間に、時代が一人一人の価値観より先に変わっちゃうから「気持ちが大事」。気持ちが折れなければ大丈夫なんじゃないか
・この状況じゃないと踏み切れなかったこともある。それはいろんな業種で起きている
・高円寺は、より高円寺になっていく
・わざわざ話さずとも「認識する」だけで存在を感じられるという安心感がある
・「家」が持つ機能を「街」で担う。まちなか多拠点、機能が分散しているイメージ
・損得勘定抜きに、繋がりたい人とのつながりを強くしていくことが幸せのためにも大事
・現実はシビアだけどここで手を取り合って生きていく事が必ず次につながる
・高円寺なんか、マテリアルの楽園!どこにでもあるものとの二極化。それが「街」の活路


などなど。

こんなトークができる高円寺のお店の人たちを見ていて、あらためて、私が高円寺を好きな理由、地元や安定した会社員生活に「生きづらさ」を感じていた私が高円寺に住んで高円寺内で引っ越しをするくらい、高円寺に生きやすさを感じている理由を思い出した気がしました。


32歳にもなって、わざわざ保育の4大も出て、専門学校までいったのに、なんで派遣?なんて言われることも多いですが


高円寺という街はそんな人も含めて、多様な価値観や生き方をみんなが受け入れるムード、お互いがお互いを認め合っているムードが根底にあるから、安心できるんだな、と思います。


「こんな企画をしている人がいる」らしいと友人から聞いて、短期間で本当に実現しちゃう人がいるのも、高円寺ならではだなぁと思いました。

そして、そういう価値観が、もっともっと他の街や業界に広がっていってほしい。


普通に生きられない、というかそもそも普通ってなんだろう、状態なので。前述の母は基本私のやることは応援してくれてはいるが、根底では普通に正社員になって結婚して安心させてあげたほうがいいんだろうな、と思っています。派遣される都度都度、その派遣先では正社員にはなれないの?とか聞いてきたりするし。

でも、オンラインサウナバザール企画者のひとりがイベント前、

「誰かの道があるところを歩きたいんだったら、こんなところ歩いてないわ」ってふとtwitterでつぶやいていたのを見て、そうそう、私も自分の道を歩いてていいんだ、と改めて思えました。


オンラインサウナバザールの話とこれからの話

オンラインサウナバザールの話を少しすると、

こちらはサウナ・銭湯好きがオンライン会議室に集まって、配信を見たり買い物や雑談を楽しむというイベントでした。

twitterやinstaで普段見ている人に直接コミュニケーションを取りにいったり、会いにいったりすることってあんまりなかった私にとっては、とても新鮮でした。

知らない10人からの「いいね」より、1人とじっくり会話したことのほうに価値を感じたし、数より濃度が重視されるようになるのかな、と思いました。

オフラインでもイベント出店は何度かしたことがありますが、接客やコミュニケーションって基本的にはオフラインであろうがオンラインであろうが、根底にあるものは変わらないなぁと感じました。

ツールが違うだけで、積極的に参加すれば楽しめるし、参加しながら楽しみ方を模索していったり。そういう姿勢があればどんな状況でも楽しめるんじゃないかなと思いました。


かくいう私も、世の中の情勢を受けて、今いる会社への派遣契約が6月末で打ち切りになりました。7月からは別の会社を紹介してもらう予定です。(まだ決まってませんがww)

そんな状況ですが、思ったより悲観的になっていない自分がいます。

それは、そんな最近の出来事を通して、今起きている変化は世の中全体が良い方に向かうきっかけという一面もあったんじゃないか、と考えられるようになったからです。

もちろん、それぞれが大変な状況の中で、色々な想いがあるという前提ではありますが。

「このままじゃいけないとわかってはいたけど、できていなかったこと」が後押しされた、というか。


なので、まとめると、変わるべきところは変わっていく。けれど、前述の話題で出ていたように、オフラインが時代遅れで全部ダメってわけでもないし、気持ちがついてこないとやっぱり続かないと、私も思う。

オンラインイベントやデジタルも、オフラインでアナログ的なものもそれぞれの良さはそのままに、より進化していくために適したツールを活用する。そんなことがこれから大切なんじゃないかな〜と楽天的に捉える機会となりました。

2つのイベントを通して、そんなことを感じました。

これは自分に向かって忘れないように言いたいことですが、これまで実現できないことだと勝手に決めつけていたことは、「ぜったい無理」じゃないのかもしれない。

だって、そんなことできるの〜?!っていうことを、実現できちゃった人がいるのだから!

運営メンバーは短期間で準備も当日も大変だったと思うけれど、それでもイベントを形にしていく姿を見て、それ自体がもう、すごく響いた。

道がなくても、やった事なくても、やれない理由ばかり見てないで、もっと先の未来を楽しむために今を大切にしてる。

そういう姿勢がとても感じられて、私もやるぞー!!と刺激を受けました。


今危機に直面している同じ派遣社員やバイトという立場の人がいたら、すこしでもこの変化を前向きに捉えるきっかけになれば幸いです。

そして、身体に鞭を打ちながら自分を犠牲にするような頑張り方をしている、あの頃の私のような人が、

たまたまこの記事を見たら、こんな生き方もあるんだなと思って選択肢の一つになってくれたら嬉しいです。

人それぞれなので保証はないけどね!!(と保険をかけつつ…。)






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