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日記43 美しい畑

6月1日

いま仕事で関わっている中高は4校、
6月は各校で 体育祭やる/やらない問題 が勃発する。

今年は梅雨入りも早く、週間天気予報は毎日のように予測が変わったため、どの学校の体育科の先生たちもそわそわハラハラしていた。

私は非常勤講師なので
体育祭があれば授業はないし(つまり出勤もない)、
雨で体育祭が延期するようであればいつも通り授業をしに行く。

今年のようにこうも天気が不安定だと
「当日の朝7時の時点で連絡するので、それに合わせてください」
というギリギリ判断となった。

ということは、早起きして化粧だけでもしてスタンバイしなきゃ急な出勤に対応できないのか~!!
と、早起きを憎んでいる私には過酷な条件🥺

晴れろ!晴れろ!!二度寝!!二度寝!!


…結果、どの学校も無事に体育祭をすることができた。
(7時と言っても、職員には5時台に連絡くれました。5時なんて夜中じゃん…🥺先生たちありがとうございました!)

体育祭、みるのは楽しくって好きなんですが
立場上、授業がないと出勤できないので
(たぶん非常勤に業務以上の働きをさせない対策だと思われる。行事は大人の手があればあるだけ良いのだが、私たちの契約はあくまで自身の専門の授業のみなのだ)

後日、生徒たちから写真やケガをたくさん見せてもらった。ケガめっちゃ見せてくるんだけど。なぜ…


6月2日

美しい畑を見た。
関わっている中学校のうち1校は、
私は音楽の授業ではなく個別支援級と契約しているのでこちらは様々な活動をサポートすることができる。

6月はちょうど夏・秋野菜の準備で、
学校の隅にある小さなスペースで畑を耕したり収穫したりするお手伝いをした。

学習として収穫の重さをはかったり写真で記録したり、データを細かく取りながらの作業が多い。
私はおもにそちらの記録や小さな作業を担当。

小さな頃は田舎育ちなので、実は土をいじったりするのは好きである。
下手だけど!(サボテン枯らした)

学校のすぐ前にある畑の農家・Mさんが、機材とご本人の経験技術をもって
DASH村の師匠たちみたいにアドバイスをしてくれるのだが、
今回はなんとそのMさんの畑を見学させてくれるとのこと!

授業中なので、静かな校舎や誰もいない昇降口を通ることが特別感を増してくれワクワク…!

一歩足を踏み入れると、ただ風にザァッとそよぐ
葉っぱの音が聞こえるのみ。

道路に面しているのに不思議と車の音なんかは聞こえず、寺社仏閣に入ると急にあたりが静かに感じるみたいな、あの感覚と同じだった。

藁や木くずや茎などが畑に敷き詰めてあり、
歩くと足にちょうどよい柔らかさと弾力が伝わって、自ずと足が前に運ばれ、ふわふわする。
足の裏には本来これこそが自然でふさわしい刺激なのかもしれない。

Mさんの所作や畑には「大胆」という言葉がひとつもない。
のびたかぼちゃやトマトの茎はひとつ残らず丁寧にテープでとめてあり、
葉っぱの病気を見る手つきも繊細かつあたたかい。
ここにいるだけで全てがチューニングされるような気持ちよさ。

当たり前だが野ざらしだから、整え続けるには大変な緻密さが必要なんだろうな。育てることの本質を考える。

Mさんの育てた作物には虫たちが心地良さそうに居座っている。可愛い。
虫は大の苦手だけれど、こんなにのびのびしているなら、悪くないと思えた。

普段の生活で遭遇する虫は慣れない動きをしているから、怖さや不快感を感じるのかもしれない。
虫ごめん。

ニラの花を初めて見る。
とても可愛いから、Mさんが切りそろえて小さなブーケにして私たちにプレゼントしてくれた。

でも、すごいニラそのまんまの匂いなもんでどちらかというとお腹が空いてしまった…。レバニラ…

ポエジーも情緒もない心持ちでいると、遠く、私たちの校舎からチャイムが聞こえたので帰ることにした。

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