水田皮膚病を知ってるかい(4)
明け方、猛烈なかゆさで目を覚ます。私は寝ぼけたまま、左手を右手の甲に重ね合わせ、ほとんど無意識に指の間を擦る。擦っても、擦っても、かゆみは収まるどころか猛烈に増してゆく。あまりのかゆさに居ても立ってもいられず飛び起きて台所へ行く。時計を見ると朝の4時を回ったばかりだ。蛇口をひねり、水を盛大にほとばしらせて手を突っ込む。それでもかゆみは収まらない。冷凍庫から氷を取り出し、私は冷たい塊を手の上で滑らせた。指は真っ赤に腫れあがり、気持ちの悪いブツブツに覆われ、掻きむしって破れた水泡からは体液がにじみ出ていた。
私は皮膚科でもらってきた薬が少しも効かないことに失望していました。皮膚科の先生の反応は、妹から聞いていたものと同じ「毛虫か何かにかぶれたのでしょう」と言うものでした。
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