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旧暦でお正月をしたいのですが

年賀状で使う言葉の中に「初春」と言うのがあります。あるいは「迎春」と言うのもありますね。子供の頃不思議でした。どうして、こんなに寒いのに「春」なんて書くんだろう。でも、年賀状とはそういうもんだ、と納得して、そんなことはすっかり忘れてしまいました。

年賀状の中には梅を描いたものもありますし、梅の枝に止まった鶯が描かれたものもあります。そこに「初春」と、書いてあります。考えれば、考えるほど、それは春のことなのです。1月1日ならば、雪や氷、枯れた木々、鶯ではなく鴨を描かないと整合性が取れません。

確かにお正月から2ヶ月後に梅は咲きますが、それならもっと華やかな桜だって、描かれてもよさそうなものです。でも、やはり梅なんです。それも、枝ではなく、花が咲いた状態の梅です。でも、梅が咲くのって、何度も言いますが2月です。1月1日ではまだ枝なんです。

ところで、節分って、ありますよね。あれは2月3日です。鬼を追い出して、福を招き入れる。と言うことは、1月1日は、まだ鬼が家の中をウロウロしてるってことなんですよ。せっかくなら、鬼を追い出して、福が家に入ってからお正月を迎えたい、と思いませんか?

どうも、明治以前はそうやっていたみたいなんですね。鬼を追い出して、福の神に来てもらい、そしてお正月を迎える。つまり、旧暦のお正月です。でも、太陽暦が採用されると、お正月が早くなっちゃう。それで、節分を12月31日にする地域があるんです。そうしないと気持ち悪いんでしょうね。鬼がいるままお正月を迎えるわけにいかないから、節分も早めたわけです。

ちなみに、今年は2月16日(金)が旧暦のお正月です。

かつてはフィールド上の仕事、百姓や漁師や木こりをしている人が大変多かったわけです。そう考えると、まだまだ寒いけど、梅のつぼみが白くほころんだり、フキノトウが頭を覗かせたりする、この季節というのは、本当に「初春」という気分になりますから、旧暦のお正月は理にかなっているわけです。

お正月飾りに梅を使っても、ちゃんと花が咲いてるんです。花屋さんで買って来るものじゃなくて、ちゃんと梅の季節なんですね。

ところが、今は大多数の人が会社勤めです。明治に暦が変更になって以来、日本の会社は発展、成長してきたことを思えば、今はやっぱり1月1日のほうが「ザ・正月」って感じで、きっとしっくりきているのでしょう。

中国みたいに、もうちょっと日本でも旧暦のお正月、やってもいいんじゃないかな、と思いますが、なかなかそんな風潮はなさそうですね。それよりもハロウィンのほうが楽しいんだろうし、2月はもう巻き寿司があるからそれでいいんでしょうね。

旧暦でお正月をすると、「七草がゆ」だって自然生えのものが採集できます。旧暦に七草かゆを食べたら、ちゃんと野原に生えている物で揃うんじゃないかと思って、2年前に記事を書いたのですが、どうしても「ホトケノザ(コオニタビラコ)」が見つけられなくて、頓挫しています。オニタビラコはあるんですが、コオニタビラコがないんですよ。そもそも旧暦とは言え、まだ2月で、花が咲いてません。ハハコグサくらい特徴あるなら容易だけど、草の形だけで見分けるのは結構大変。

今年は懲りずに七草を集め、このマガジンを完成させなくては。そうだ、この年は安子さんが転んで入院、一緒に暮らしてた彼氏の認知症も発覚して、その世話をするため七草どころじゃなくなったんだったわ。2月16日がお正月、と言うことは、七草は22日ですね。今年はここで紹介できたらよいのですが。

今日のトップ画像は今年初めて咲いた梅の花です。

畑に生えている竹を整理するため、切り出しに行っていたら咲いているのを見つけました。ほら、この一番右側の梅の木です。

ほらほら。あるでしょ、ポッと梅の花が。なんとか鼻を近づけて、今年最初の梅の香りを頂戴しました。ふわぁとよい香りが、なんとも春の訪れを告げますね。梅の木100本!みたいな豪華な梅園よりも、風情のあるこっちが好きです。だって、私が一番最初にこれが咲いたのを見たんですよ。特別感ありますよね。あと、フキノトウも見つけたので、また摘んできて天ぷらにしようと思っています。

あと、今日畑で拾ってきたものもあるんですよ。キレイなので持って帰ってきました。

なんだと思います?

カラスウリですね。実は鮮やかなオレンジ色だけど、繊維だけが残って、このように繭のような形になっていました。なかなか完全な姿で残っているのは稀です。

自然って美しいですねー。

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