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造形する脚本家

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脚本家ですが、造形もしているため、具体的に作ったものを紹介していきます。表紙はJOJOの石仮面です。
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#旧キット

生まれも育ちも

生まれも育ちも

 80年代当時、小学生のぼくにとって、プラモデルを作るということは「あきらめ」の体験を積み重ねることだった。

 プラモデルとは、未完成の「キット」を買って自分の手で完成させるホビーのことだ。バラバラのパーツ(部品)を組み立てて、自分の手で完成品を作り上げる感覚は、他の何物にも替え難い魅力がある。

 だけど、当時のぼくには、プラモデルを作る友達がいなかった。専門誌に書かれている言葉は高尚で難しく

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大人になったら

大人になったら

 あの頃。30年前のガンプラブーム、雑誌には華麗な改造作例が並び「君も簡単に!」なんて言葉が躍っていたあの頃。ぼくも多分にもれずガンプラ少年として近所の玩具屋でガンプラを買っていた。まともに作って塗装して仕上げればいいものを、針金用のニッパーやカッターナイフで切り刻み、タミヤパテを盛っては「なんか、違う」と諦めて箱にしまう。

 モヤモヤした気持ちは晴れないまま、最近のガンプラを組んでは「やっぱあ

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