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【コラム】価値観との付き合い方

価値観は、ナマモノだ。

価値観の寿命は、長くて50年、早ければ3年しかない。人の寿命よりもずっと短い。

だから人は、価値観に執着してはならないと思う。価値観は、IDのような、普遍的で変わらないものではない。ディスラプティブな出来事や自由意思により、いとも簡単に変えられるものであり、時代とともに変遷するものだ。

今まさに、この瞬間にも、去り行く価値観は存在している。

たとえば、

北は裕福、南は貧困。
男は仕事、女は家庭。
結婚は幸せ、独身は不幸。
若さは拙さ、成熟は洗練。
高学歴は優秀、低学歴は無能。

こういった古い価値観にしがみついていると、本当に美しいものや、真に尊ぶべきものを見失うリスクがある。なぜなら、価値観とは、人の目に尺度という名のフィルターをかけてしまうためだ。


価値観は、武器にもなれば、凶器にもなる。


物事に対する価値観(スタンス)を持つことで、人は素早く効率的に、一貫性のある行動(意思決定)をとることができる。

一方で、「自分の目に、不要なフィルターはかかっていないか?」と、常に自分に言い聞かせなければ、人は過ちを犯す。当てを外す。


…そしていつか、無用に人を傷つける。


価値観の寿命を知り、価値観にしがみつかない生き方が、しなやかな生き方なのではないだろうか。自分の大切にしている価値観が、時代や実態に合ったものなのかは、常日頃、見直さなければならないと、私は思う。

人の上に立つ人は、特に。

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